米国がシリアに対する制裁を 解除して人道的な立場から 地震被災に苦しむ国を救うべき Cold-hearted US ignores humanitarianism in Syrian quake relief GT War in Ukraine #2715 8 Feb 2023 翻訳:池田こみち(E-wave Tokyo共同代表) 独立系メディア E-wave Tokyo 2023年2月10日 |
2023年2月8日、シリアの首都ダマスカスの北西にあるジャブレの町で、倒壊した 建物の瓦礫の中から犠牲者や生存者を探す住民たち。写真:AFP 本文 月曜にシリアとトルコで発生した壊滅的な地震により、20,000人以上が死亡し、数万人が負傷している。いまだ多くの人々ががれきの下敷きになっているため、救助活動が本格化している。まさに時間との戦いである。 それにもかかわらず、米国とその同盟国による制裁措置が、救援・救助活動を妨げている。例えば、封鎖と制裁のために、援助や救助の車列を送るための燃料さえないのである。しかし、このような人道的災害は、米国の冷血な心を溶かすには十分ではない。 月曜日のアメリカ国務省の記者会見で、ジャーナリストが、アメリカ政府はなぜ救助活動を行うシリア政府に手を差し伸べないのか、アメリカが基本的にシリアを窒息させている制裁を解除することを提案したのか、と質問すると、ネッドプライス報道官は、地震を機会にシリア政権に手を差し伸べるのは「皮肉」だと言った。 米国が提供できるものは、米国にとっては海の一滴に過ぎないが、不確かな未来に直面しているシリアの人々にとっては、緊急であるばかりでなく、命を救うものでもあるのだ。もし米国に良心があるなら、この大事な局面で彼らの生存の可能性をゼロにするようなことはすべきではないだろう。シリアの命は大切だ。 自然災害や危機は政治とは関係ない。だが、残念ながら、アメリカはそうではない。アメリカは人間性を欠いたままずっとリードしている。昨年8月、キューバの石油貯蔵施設の火災でキューバ人が死亡、負傷、避難し、同国のエネルギー危機が悪化し、米国の制裁でキューバへの救命支援が阻まれていたとき、米国は「技術支援」を提供しただけで、少なくとも制裁の一部を解除するどころか、キューバに特定の物質援助を送ることには全く触れなかった。 長い間、ワシントンはシリアを「独裁国家」と分類してきた。いわゆる独裁と民主で世界を二つに分けるというアメリカのシナリオは、実は、アメリカの利益に従って世界を分割するという本音を隠している。人道主義よりもイデオロギーと利己主義を優先させ、ワシントンは順序を逆にしていると、中国・アラブ改革発展研究センターの執行長で上海国際問題大学の王光大教授は環球時報に語った。 中国外交学院国際関係研究所のLi Haidong(李海東)教授によると、米国の行動の本質は、世界全体、そして中東地域でも覇権を強化することだという。米国にとって、安全保障戦略や外交を構築する際に最も重要視するのは支配と資源であり、人道や規範は無用なものである。 このことは、米国がシリアに制裁を加える際に、なぜシリアから石油を盗んでいるのかを説明することができる。シリアの地震災害には、アメリカ帝国主義の血塗られた指紋がある。世界で最も強力な国の野蛮な行動が、世界で最も貧しい国の一つの富を露骨に略奪していることは、国際社会に米国の行動を止めさせなければならないことを思い起こさせる。 「国連は、米国にシリアへの制裁を解除するよう要求する上で、調整的な役割を果たすべきである」。国連安保理の常任理事国である中国とロシアも、ワシントンに対して対シリア制裁の打ち切りを求めるイニシアティブを発動することができる。さらに、「米国は少なくともシリアの地震救援と人道支援に対する封鎖を解除することができる」と王氏は指摘した。 米国とは全く対照的に、中国政府は直ちに緊急人道支援機構を立ち上げ、シリアに緊急支援を行うことにした。中国はシリアに3000万元(440万ドル)の緊急人道支援を決定し、その中にはシリアが緊急に必要としている200万ドルの現金支援と救援物資が含まれている。覇権主義を中心とする米国の外交観念は、人類の未来を共有する共同体を共同で構築しようとする中国の努力の前に粉々に砕け散る。 |