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欧州第11制裁パッケージ
は何を含み、恐れるに
値するものか

11‑й пакет санкций: какие ограничения может ввести Евросоюз и нанесут ли они ущерб России
著者:イリヤ・スミルノフ riamo.ru

War on Ukraine #3237 7 April
2023

ロシア語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授
Translaeted by Teiichi Aoyama, Emeritus Professor, Tokyo City University
独立系メディア E-wave Tokyo 2023年4月8日
本日11:40(13:28更新) © RIA Novosti, Vladimir Sergeev

本文

 欧州連合(EU)諸国は、9日のカトリックの復活祭の後、反ロシア制裁の第11弾パッケージを議論する意向だ。これはPoliticoが欧州の外交官を引用して報じたものである。

 欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は先に、11番目の制裁パッケージは既存の制限の回避に対抗することを目的とすると述べた。専門家はRIAMOに対し、欧州の制裁がどの程度有効なのか、EUが第11弾の一部としてどのような対ロシア制限を課す可能性があるのか、欧州のリスクは何なのかを説明した。

これまでの制裁措置は効果がないことが判明

 RIAMOがインタビューしたすべての専門家は、これまでロシアに対して課せられてきた制限は、その目的を達成することができなかったと指摘している。

 制裁法の専門家であり、ロシア連邦政府傘下の金融大学経済活動の法的規制学部の教授であるアレクセイ・セレダ氏によれば、欧州の政治家たちの最新の発言から、欧州連合は、課された制限措置の有効性を真剣に疑っていたと結論づけることができる。予測されたロシア経済の崩壊は起こらず、制裁措置自体のメカニズムは実際には使い果たしてしまった。

 法律事務所Gebel & PartnersのCEOであるSergei Gebel氏は、EUの各加盟国のレベルでは、市場参加者に対して制裁回避のための行政責任、さらには刑事責任が確立されているが、ロシアと親密な国にとってはこの措置は意味がなく、制限の回避を防ぐことはできない、という事実に注目している。

 「欧州諸国にとっての最大の問題は、制裁がロシアによって無制限に回避されることである。個々の企業をブロックしても何の影響もありません。できるだけ早く新しい法人を設立し、すべての資産をそこに移し、貿易をさらに継続します」と弁護士は指摘する。

第11次パッケージの一部としてEUが課すことのできる制限について


© RIAMO, Alexander Manziuk

 10種類の制裁パッケージが採用された後、ロシアでは制限のない産業はほとんどなくなり、新たな制限が加わるたびに、EUのロシアに対する影響力はますます小さくなっている、とゲーベルは言う。したがって、次の制裁はより個別化されたものになる、つまり、その宛先は特定の法人や個人になると考える理由がある、と専門家は述べている。

 経済学博士でロシア戦略研究所(RISI)の専門家であるミハイル・ベリャーエフ氏は、新たな制限措置パッケージの主な目的は、ロシアとの貿易における並行輸入を抑制することだろうと考えている。

 「しかし、輸送回廊を完全に閉鎖することは不可能であり、一方が閉鎖されれば、他方は動き出す。この制裁は失敗する運命にある。もちろん、物流や価格が変わるなど困難はあるが、逃げ道はあるはずだ。ロシアは輸入代替を積極的に進め、代替サプライヤーを探していくだろう。制裁は政治家によって考案されたものだが、ビジネスマンはそれを望んでいない。彼らは貿易を行い、利益を上げたいのである。そして、需要のある商品は必ず市場を見つけることができる」と、エコノミストは確信している。

 制裁法の専門家であるアレクセイ・セレダ氏は、今回、EUがロシアの原子力産業、特にロスアトムに制限を加えようとする可能性を否定しない。

 「このような制裁は、第10次EU離脱措置の審議中にハンガリーによって阻止されており、可能性に疑問符がつく。しかし、ロシアのパイプラインオイルの購入に関するEU全体の禁輸措置の導入のように、ハンガリーに一定の免除を与えることを条件に、制裁を行う可能性はある」と専門家は明言している。

 ロシア連邦政府の金融大学金融リテラシー研究所のヴァレリア・ミンチョーヴァ副所長は、EUが特定の制限を際限なく課すことはあっても、食品に影響を与えることはないと述べています。

欧州の評判を落とす制裁


© RIAMO, ニコライ・コレシュコフ

 アレクセイ・セレダによると、制限措置の新しいパッケージを開発する際、EUは、ロシアの市民や組織による以前に課された制限に対する異議申し立ての数が徐々に増えていることを考慮するとのことである。

"例えば、ロシアのNational Settlement Depositoryに課せられた制裁のために、ユーロクリアおよびСlearstreamのクリアリングハウスで資金がブロックされたロシアの投資家からの多数の申請が現在検討されている。明らかに、このケースでは、自身が制裁制限の受け手ではない幅広い人々の権利と正当な利益の侵害があった。このような状況は欧州連合に深刻な風評被害をもたらすので、彼らはおそらく、それを避けようとするでしょう」と、対話者は説明する。

 中国やペルシャ湾諸国との関係悪化に関心のないEUにとって、このような措置は政治的に悪影響を及ぼす可能性がある。

ロシアはヨーロッパにどう対応できるのか?


© RIAMO, Pelagia Tikhonova

 ロシア連邦政府系金融大学国際経済関係研究所の主要研究員であるドミトリー・モルコフキンは、第11次制裁パッケージの対策として、ロシアと友好国間の相互決済における自国通貨使用の可能性を高めることを提案している。

 「制裁規制が強化される中で、これは貿易・経済関係の発展、相互の貿易取引量の増加、自国通貨の重要性の向上に貢献するだろう」とエコノミストは説明している。

 また、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアのロシアの友好国における産業・協力関係の支援策として、プライベートエクイティファンドなどの金融・融資機関のリスクを相殺するための特別ファンドの設立を検討することを提案した。モルコフキンによれば、この措置により、対外経済活動の参加者は、輸出入業務の一環として実施される投資プロジェクトの資金調達へのアクセス拡大を実現することができるようになるという。