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タイム誌、ウクライナが
勝てないことを認める

Time Magazine Admits the Obvious,
Acknowledges Ukraine Can’t Win
 
Sputnik International
War on Ukraine #4630 24 Feb. 2024


英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)

E-wave Tokyo 2024年2月25

<写真キャプション:うつむくゼレンスキー>© AP Photo / Evan Vucci


本文

 バイデン政権が勇ましい顔をしている間に、別の大手米メディアはキーウの奇無謀な努力の現実を認識した。

 昨年8月、タイム誌で「ウクライナの状況は依然として(キーウ)有利だ」とする、長い記事が始まった。 「ウクライナの進歩は、顕著な戦術的進歩の時期と、場合によっては長期間にわたる休止と何らかの後退の時期を交互に繰り返す可能性が非常に高い…しかし、ウクライナの反撃はいくつかの方法のいずれかで成功する可能性がある。」と。

 「西側諸国が支援を堅持しさえすれば、ウクライナはまだ非常に有利な立場にある。」、と昨年夏、この雑誌の記事は指摘していた。

 それから8か月、数十億ドルの米国援助を経て、同誌の予測が間違っていたことが判明した。この事実は土曜日の社説でクインシー研究所(アメリカのシンクタンク)のアナトール・リーベン氏によって認められた。

 「待ちに待った昨年の反攻は失敗した。ロシアはアヴディエフカを奪還し、この9ヶ月で最大の戦果をあげた。ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、新たな軍事的現実を静かに認めざるを得なくなった。」

 それに応じて、ワシントンのレトリックも変化したとリーヴェンは指摘する。「バイデン政権の戦略は現在、アメリカ大統領選挙が終わるまでウクライナの防衛を維持し、長い消耗戦でロシア軍を消耗させる。」というものだ。

 しかし、アメリカの外交政策ではよくあることだが、筆者はバイデンがフィクションを別のものに置き換えただけだと訴える。目先のウクライナ勝利の予言は捨て去られ、2025年、あるいはその翌年にキエフ政権が待望の躍進を遂げるという期待に取って代わられた。

 そのような予測は、ウクライナのナショナリストの手による長年の暴力からドンバスを解放するためにモスクワが犠牲にしてきた血と命を無視している。「ロシアは交渉の席で、戦場で手に入れた土地を明け渡すことには決して同意しないだろう」とリーヴェンは主張する。ルハンスク人民共和国とドネツク人民共和国
は今後も存続する。

 しかし、紛争が凍結される見通しや、キエフの勝利という空想を超えて、ウクライナには第三の可能性がある。モスクワは、民間人を標的にしたテロ攻撃に忍耐強く耐え続ける必要はない。ロシアのプーチン大統領は、キエフの挑発行為とそれを煽る西側の敵意をいつまでも容認する必要はない。

 ロシアはさらに西へ突き進み、10年ほど前に過激派の暴徒がヤヌコビッチを排除したように、ウクライナの傀儡指導者をマリインスキー宮殿から追い出すことができるだろう。そうするのは些細なことだ。ロシア軍は、ビクトリア・ヌーランドに報告するファシストのチンピラより、訓練も装備も規律も優れている。

 このような行動は、プーチンだけでなく、他の人々にとっても魅力的であることが証明されつつある。ワシントンの共和党はすでに、アメリカ南部国境での混乱の中でバイデン大統領に反対するキャンペーンを計画している。国内での混乱と国外での同盟国の壮絶な崩壊以上に、無様で無力な指導者という物語を際立たせるものがあるだろうか。

 ウクライナの破滅は、バイデンの民主党時代の前任者がわずか10年前に最初に仕掛けたものであることを考えれば、これを詩的正義とみなす人もいるだろう。

 ドンバス紛争の最終章はまだ書かれていない。しかし、リンジー・グラハムでさえ壁に書かれた文字を見れば、その結末はほぼ確実だと考えていいだろう。

 「失われたウクライナの領土は失われたのだ」とリーベン氏は見ており、真にウクライナのために叫ぶ人々に最後のアドバイスを与える。

 「今日の和平合意がどんなに痛ましいものであっても、戦争が継続してウクライナが敗北すれば、その痛手は限りなく増すだろう。」

筆者:ジョン・マイルズ
 ジョン・マイルズはスプートニク特派員で、政治、経済、国際情勢を専門としている。ミシシッピ大学を卒業した彼は、ボリビア、ブラジル、英国を旅してきた。スプートニクへの寄稿に加えて、彼はアマチュアの映画制作者兼写真家でもあり、以前はニューヨーク市でグラフィック デザインの仕事をしていた。