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ウクライナにNATO軍を駐留させるという
マクロンの "姿勢 "は、ロシアとの "
全面衝突 "を引き起こしかねない

Macron's 'Posturing' About NATO Troops in
Ukraine Can Spark 'Full Scale Conflict' With Russia

Sputnik International
War on Ukraine #4645 28 Feb. 2023

英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問

E-wave Tokyo 2024年2月28

<写真キャプション:戦闘機材を確認する兵士たち> © AP Photo / Vadim Ghirda

リード文
 エマニュエル・マクロン仏大統領が最近、ウクライナでのロシアとの代理戦争に西側の地上軍を派遣することを否定しないと発言したことで、この種のレトリックが生み出しうる危険性についての警告が相次いだ。ホワイトハウスの高官は、ウクライナに米軍やNATO軍を派遣する計画はないと否定した。


筆者:スヴェトラーナ・エキメンコ
 外交、社会問題、科学を専門とするスプートニク特派員。以前はラジオ・スプートニクの生放送の司会を務めた。

本文

 ウクライナにNATO軍を派遣する可能性があるというエマニュエル・マクロンの好戦的な発言は、「ほとんどがポーズ」だと、元国防政治家でスウェーデン民主党の参謀長を務めるミカエル・ヴァルターソンはスプートニクに語った。

 しかし、「ポーズであったとしても、それ自体が生命を持ち、滑りやすい坂道を転がり落ちる危険なプロセスを始める可能性がある」と彼は警告した。この識者は、フランス大統領は「ウクライナ支援に関するアメリカの政治システム内の麻痺」を利用して、アメリカに代わってEUの親キエフ派をリードしようとしている、と指摘した。

 「NATOは、特にウクライナに関して、部分的に無力化されている......第二層の国々は今、空いたスペースを埋めようとしている」とヴァルターソン氏。

 「NATOは防衛組織としてしか機能せず、どの国も決定に拒否権を行使できるため論外であり、EUには軍隊がない。マクロンはおそらく、最近ウクライナと安全保障条約を結んだ国々、たとえばフランス、イギリス、ドイツ、イタリアなどを指しているのだろう。また、ウクライナと安全保障条約を締結しそうな他の国、例えば東欧や北欧の国々も参加させたいのかもしれない。」、と彼は付け加えた。

 「この提案はおそらくポーズであるにせよ、ウクライナに西側諸国が直接軍事的に関与するという話をする扉を開くことになる」とスウェーデン軍/空軍の元将校は警告する。

 その結果、「事実上の宣戦布告」となり、「ロシアとヨーロッパのいくつかの国との間で本格的な軍事衝突が起こる」可能性がある。

 火曜日にパリでウクライナ情勢を議論する20人ほどの欧州首脳会議が開催された際、エマニュエル・マクロンは自国の多くの政治家の背筋を凍らせるような、選りすぐりの発言を行った。

 「我々は、ヨーロッパの安全保障と安定にはロシアの敗北が不可欠だと確信している」とマクロンは記者団に語った。しかし、力学的には、何も排除することはできない」と述べた。

■紙上で筋肉を鍛える?

 エマニュエル・マクロン大統領は最近、ウクライナでの戦闘に西側諸国軍隊を派遣することを「排除しない」という「似非戒厳令」のような発言をしたが、それを真に受けることはできないと、コソボのNATO指揮下にあるフランス特殊部隊タスクグループの元大佐、ジャック・ホガード氏はスプートニクに語った。

 フランス大統領の "誇大妄想 "は理性を凌駕しているようだ、とホガード氏は言う。マクロンは、ゼレンスキーの軍隊がNATO、特に「アメリカに臣従している西ヨーロッパ諸国」によって支援されていたとはいえ、「ゲームオーバー」であることを自覚しているはずだ、とホガードは指摘する。

 たとえフランスの指導者が 「自分の筋肉を誇示している」と錯覚していたとしても、それは「紙の操り人形」のものだ、とこの識者は付け加えた。

 ウクライナに 「同盟」軍を派遣することに関して、「マクロンは夢を見ている」と、外人部隊と特殊部隊の空挺将校としてフランス軍に26年間勤務した専門家は強調した。

 その理由をこう指摘する。第一に、「アメリカとNATOは公然と戦争に突入することを望まず、代理人を通して行動することを好む」。第二に、「欧州各国政府はこの問題で極端に分裂している」「EUの結束は現実には幻想にすぎない」。

 さらに、「今日のフランス軍は「見本=サンプル」的な軍隊であり、たまにおこる軍事介入には適しているが、強度の高い戦争に乗り出すには人員、装備、弾薬の面でまったく不足している。」、と。