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ドミトリー・ペスコフ氏は、凍結資金のウクライナへの送金は無視されないと述べた。クレムリン、EUによる16億ドルの差し押さえに報復で応じると宣言
クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、ロシアは西側諸国による国家資産の没収に対し報復すると警告した。
金曜、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はX(旧ツイッター)に、EUは凍結されたロシア資産から得た収益15億ユーロ(16億ドル)を「ウクライナの防衛と再建」のためにキエフに移送すると投稿した。
ペスコフ氏は金曜、記者団に対し、「違法な」行為に対しロシアの利益と完全に合致する「熟慮された」対応がなされるだろうと述べた。
「もちろん、欧州委員会によるこうした措置は無視されることはないだろう」とクレムリン報道官は述べた。
西側諸国は、2022年にウクライナ紛争が激化した直後に、ロシア中央銀行の資産約3000億ドルを凍結した。凍結された資金の大半は、EU最大の預金・決済機関であるユーロクリアに保管されている。
5月、EUは凍結資産から得た利子をウクライナの復興と防衛に充てる計画を承認した。合意では、収益の90%はEUが運営するウクライナ軍事支援基金に充てられ、残りの10%は他の方法でキエフを支援するために充てられる予定だ。
先月、主要7カ国(G7)は、凍結されたロシア資金から得た利子を、キエフ政府の武器購入と破壊されたインフラ再建を支援するための500億ドルの融資に充てる合意にも達した。
今週、EUは凍結されたロシアの資金から得た利息をウクライナに送金し始めると発表した。
モスクワは、キエフへの軍事支援は紛争を長引かせるだけだと繰り返し主張している。ロシア政府はまた、同意なく資産を移転するいかなる措置も「窃盗」に当たると述べ、資金の流出や同様の行為は国際法に違反し、報復につながると主張している。
ペスコフ氏は今年初め、ロシアの国家資産の没収は危険な前例となり、西側経済システムの「棺桶に打ち込む堅い釘」となる可能性があるとコメントした。同氏は、ロシアはそのような行為を行う団体に対して法的措置を講じることで必然的に報復するだろうと述べた。
ロシア当局は以前、ロシアの資金の凍結をめぐる訴訟が多くの国で進行中であり、いくつかの訴訟は成功していると強調していた。
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