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ウクライナの「自殺行為」
クルスク攻撃は、2024年に
勝利するための米国エスタブ
の必死の努力の一環か?

Is Ukraine's 'Suicidal' Kursk Attack Part of
US Establishment's Desperate Effort to Win in 2024?
 
著者:エカテリーナ・ブリノワ Sputnik国際
War on Ukraine #5561 16 August 2024


英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年8月17日

中央軍事地区のロシア軍兵士がウクライナ陣地に向けてBM-21グラド多連装 ロケットランチャーを発射。©スプートニク / スタニスラフ・クラシルニコフ

  ※注:エスタブ=エスタブリッシュメントEstablishment}支配階級の略

  エカテリーナ・ブリノバはフリーランスのジャーナリストであり、2014年
  からスプートニクの寄稿者を務めている。歴史学の専門学位を持ち、
  米国、ヨーロッパ、中東、アジアの政治、国際関係、社会学、ハイテク
  を専門としている。


リード文
  ウォール街のアナリスト、チャールズ・オーテルによれば、ウクライナ
  の不運なクルスク・テロ攻撃は、2024年の大統領選挙でカマラ・ハ
  リス副大統領候補を支持するための、アメリカ民主党政権の努力の
  一環である可能性があるという。

本文

 米国務省と国防総省は、キエフ政権のクルスク侵攻への関与を否定しているが、ロシア国防省軍事政治局副局長のアプティ・アラウディノフ少将とロシア連邦保安局(FSB)局長のアレクサンドル・ボートニコフによれば、これは米・北大西洋条約機構(NATO)の管理・計画によるものだという。

 「現段階では、アメリカの誰かが事前に承認しない限り、ウクライナと対ロシアでは何も起こらないだろう。関連する疑問としては、これらの攻撃作戦を承認したのは一体誰なのか、また、これらの空襲が起こる前に議会でどのような議論があったのか、もしあったとすれば?」、とウォール街のアナリストで調査ジャーナリストのチャールズ・オルテル氏はスプートニクに語った。

 オルテル氏は、クルスクの攻撃は「wag the dog 2.0」(目くらまし作戦2)作戦と呼び、1998年にビル・クリントン米大統領(当時)がハルツームにあるスーダン最大級の製薬工場を襲撃した時の「再現のようだ」と述べた。誤った情報に基づくアメリカの攻撃は、アルカイダによるケニアとタンザニアのアメリカ大使館爆破事件への報復として行われた。

 しかし、モニカ・ルインスキーとの不倫に関するクリントンの嘘の捜査が強化される中、アメリカの爆撃が行われたことを指摘するアナリストもいた。クリントンは、ジョー・バイデン上院議員(当時)を含む多くの民主党議員の支持を得て、気晴らしのために急遽空爆を許可したのだ、と。

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 クルスク侵攻は、アル・シファ工場への無分別な爆撃と同様に、軍事計画や戦略的価値の点で疑わしい。ポール・ゴーサー米下院議員はスプートニクとのインタビューで、ウクライナの国境侵犯を「自殺行為」と呼び、退役米空軍中佐のカレン・クウィアトコウスキーは、アントニー・ブリンケン国務長官とジェイク・サリバン国家安全保障顧問がクルスク侵攻計画に手を貸したのではないかと疑っている。

 これに先立つ8月8日、CNNはウクライナ当局者の言葉を引用し、クルスク攻撃はロシア軍の士気を低下させ、戦線の他の地域からそらすことを目的としていたと述べた。しかし、8月12日現在、ウクライナ軍は『ニューヨーク・タイムズ』紙と『フィナンシャル・タイムズ』紙(FT)に、戦略的に重要なチャソフ・ヤールやトレストク付近を含むドンバスでのロシア軍の進撃は衰えることなく続いていると伝えている。

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 FTによると、キエフにとってさらに複雑なのは、以前ハリコフ、スミ、チャソフ・ヤール、トレツク近郊で戦っていた少なくとも6つのウクライナ旅団が、クルスク侵攻に参加するために方向転換したことだ。同紙は、クルスクのギャンブルに参加するためにドンバスの陣地を離れることへのウクライナ兵の不安を挙げている。

 8月15日、ロシアのツェントル・バトルグループは、ドネツク人民共和国のアヴデイエフカ方面にあるウクライナ軍の拠点を破壊した。8月12日、ロシア軍はリシクノエの集落を解放した。先にティモフェエフカとヴェセロエが敵から奪還された。ロシア国防省によると、ロシアは7月にドネツク人民共和国の合計19の入植地を解放した。

ハリスとウォルツの 「幻想的 」キャンペーンは破たんする運命にある

 現在、大統領候補のカマラ・ハリス氏と副大統領候補のティム・ウォルツ氏の支持率が世論調査で急上昇しているのに、なぜ米国民主党の体制側が彼らの「支援」を必要とするのかと疑問に思う人もいるかもしれない。

 特にバイデンの副大統領だったハリスの世論調査の数字が惨憺たるものだったことを考えると。例えば、ウォール街のアナリストは、経済に関してドナルド・トランプよりもハリスを信頼する有権者が多いというヒルズ紙が最近発表した調査について、完全に現実離れしていると指摘した。

 「フォックスを含む企業所有のメディアは、信頼性を完全に失っており、それが財政的損失とツイッターの台頭、タッカー・カールソン、そしてオルタナティブな真実の語り手たちの繁栄を物語っている。」とオーテル氏は語った。「伝統的な役者たちは、まったく実績のないバカを売り込み、自らが作り出した混乱からアメリカを救い出すために、フィクションを事実として売り込もうと決心している。」、と。

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 実際、米保守派のコメンテーターや評論家たちは最近、ハリスの世論調査の数字や選挙戦のパフォーマンス、1対1のインタビューに応じようとしない姿勢に疑問を投げかけている。

 「(メディアは)ハリスに夢中で、自分たちと話さないという彼女の決定を擁護している」と、 米国の調査ジャーナリストで作家のマイケル・シェレンバーグは14日、Xで発言した。それ以前に、このジャーナリストは、ハリスが奇妙な理由で政策アジェンダをハリス自身のウェブサイトに載せていないという事実に注目していた。

 元ホワイトハウス政治部長のマット・シュラップは、「全米メディアと民主党全国委員会(DNC)がカマラ・ハリスを正当化しようとしている」ことに他ならないとツイートし、彼女は副大統領就任をめぐる批判から逃れるためにインタビューに応じているのではないと付け加えた。

 同様に、フォックス・ニュースの司会者ショーン・ハニティは最近、Xでハリスを「嘘の山の上に築かれた幻想」と呼んだ。

 元芸能弁護士のローガン・オハンドリーは8月7日、Xで、ハリス陣営がインスタグラム(※)のインフルエンサーに、バイデン=ハリス政権がいかに彼らを助けたかについての個人的なストーリーを投稿するよう金銭を提供したことがバレたと主張した。

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 アクシオスは8月13日、ハリス陣営がグーグル検索広告内のニュースの見出しや説明文を編集し、「ガーディアン、ロイター、CBSニュースなどの大手出版社がハリス陣営の味方であるかのように見せかけていた」と報じた。同ニュースメディアは、こうした行為はグーグルの規則に則っているとしながらも、ハリス陣営を宣伝するニュースの見出しの近くにある「Sponsored(提供)」という免責事項が削除される「不具合」があったことをグーグルが認めたと指摘した。

 米国の保守派ジャーナリスト、カイル・ベッカーもXで、世論調査会社が「有権者を欺く以外の 」理由なく民主党議員を「過剰に」サンプリングしていると主張した。ベッカーは、ハリスが主要激戦州で共和党のライバルをリードしているという報道は、彼女の将来の勝利を正当化するためのでっち上げだと考えている。「すべてはハリスを不正/ごまかしの範囲内にとどめようとするためのものだ。」とベッカーはツイートした。2020年の大統領選では、バイデンが重要な激戦州でトランプをぎりぎりの差で上回り、勝利した。共和党員の多くは、そこで投票手順が不正に操作されたと考えている。

 オーテルによれば、ハリスとウォルツの選挙運動の 「蜜月」は、始まったと同時に突然終わるかもしれない。

 「真の泥仕合はレイバー・デー(9月2日)以降に始まるだろう。「ハリス氏やウォルツ氏をまだ誰も精査していないし、2024年11月5日までに彼らの評判はかなり傷つくだろうと私は考えている。さらに、2人とも実力のある、戦闘経験豊富な討論者、運動家、リーダーではない」とオーテル氏は語った。

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■迫り来る危機はハリス・ウォルツの二人が有権者を騙すことを許さない

 ハリス=ウォルツ陣営は、過去最高の世論調査結果や連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ、あるいは代理人のゼレンスキー氏が勝利を主張するなど、良いニュースを必要としているが、問題は、「迫り来る危機と経済見通しの悪化」が、アメリカの権力体制にいる「対立する詐欺師」たちに、再びアメリカの有権者を騙すことを許さないということだ、とオルテルは言う。

 ウクライナ軍が戦場で敗走を続ける中、バイデン政権はイスラエルがガザで戦争する中、停戦合意に達するのにまだ苦労しており、パレスチナ支持者の民主党に対する不満を煽っている。ニューヨーク・ポスト紙によると、8月14日にニューヨークで開かれたハリス副大統領を支持する集会は、親パレスチナ派のデモ隊が集会に潜入し、その後警察と衝突を始めたため、大混乱に陥ったという。

 一方、ブルームバーグの専門家は、バイデン=ハリス政権下で米国経済は減速し、ハリス=ウォルツ陣営にさらなる影を落とすと警告している。

 民主党政権の混沌とした内政・外交政策について、オーテル氏はこう指摘する:

 「1991年から現在までの期間は、あまりに多くの指導者が傲慢と無知を有毒なカクテルにし、効果的な嘘で有権者を騙していじめられる奴隷にし、献金者層とその雇われ傀儡(手先)が一見繁栄しているように見える中、お粥をありがたく食べていた稀有な時代である。1991年以降、ハリスやウォルツといった無能で葛藤に満ちた 「時代遅れの過去の人たち 」の重荷から解放されていたならどうなっていただろう、と考えると、本当に驚嘆に値する!アメリカの選挙が自由で公正なものかどうか、そして実際に誰が勝つのか見てみよう。」、と。

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本稿終了