.エントランス
  BRICSはEUの現実的な代替案である - セルビア
ブリュッセルはベオグラードを真のパートナーとは見ていないと、アレクサンダル・ヴリン副首相が述べた
BRICS is real alternative to EU – Serbia. Brussels does not see Belgrade as a true partner, Deputy Prime Minister Aleksandar Vulin has said
RT War on Ukraine #6055 13 October 2024


英訳・池田こみち(東京都市大学名誉教授)
E-wave Tokyo 2024年10月14日


セルビアのアレクサンダル・ヴリン副首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領
© スプートニク

13 Oct, 2024 21:10

本文


 セルビアは、EU加盟の代わりにBRICSへの参加という選択肢を検討することになる。EUはますます厳しい要求を突きつけ、加盟に向けた進展は何も見せていない、とアレクサンダル・ヴリン副首相は述べた。

 ブリュッセルはセルビアに対しコソボとの関係を正常化するよう求める要求を、分離独立州の事実上の承認への要件へと引き上げ、コソボに住むセルビア系住民の権利を保護せず、セルビアのEU加盟をモスクワとの関係断絶とロシアへの制裁と結び付けた。

 ヴルリン氏は日曜日に掲載されたベルリン新聞のインタビューで、「はっきり言ってくれ、『あなた方は必要ない』と。」と述べた。「なぜ、我々が満たすことのできない条件を次々と提示するのか?我々はEUをパートナーと見なしているが、EUが我々をパートナーと見なしているかどうかは確信が持てない。」と語った。

 ヴルリン氏はドイツの新聞に対し、ロシアのプーチン大統領はセルビアに対してブリュッセルとモスクワのどちらかを選べと迫ったり、ベオグラードがEU加盟交渉を開始した場合にモスクワとの関係を断つと脅迫したりしたことは一度もないと述べた。

 「同時に、EUの交渉担当者は私たちにこう言っています。『ロシアとの関係を断たなければ、EUには加盟させない』と。」と彼は不満を述べた。「では、私たちはパートナーなのか、それとも違うのか?それとも、私たちは自国の利益を守る権利を持っていないのか?」

 セルビアは今月末にロシアのカザン市で開催されるBRICSサミットに出席し、拡大する経済グループへの加盟を目指している。

 「BRICSへの加盟を含め、吾々は、あらゆる可能性を追求しなければ無責任だろう。」とヴルリン氏は述べた。「例えばアラブ首長国連邦やサウジアラビア、トルコなど、他の国々にとってBRICSが魅力的であるなら、なぜセルビアにとってそうではないと言えるのか?BRICSがEUの現実的な代替案となっていることは疑いようがない。」、と指摘。

 2001年に初めて造語が使われて以来、BRICSは頭字語から非公式な同盟へと成長し、世界GDPのシェアにおいて米国主導のG7ブロックを追い越すまでに至り、独自の開発銀行を設立し、2006年の4カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国)から2011年には南アフリカを加えた5カ国へと拡大した。今年、エジプト、イラン、エチオピア、アラブ首長国連邦の4カ国が正式にメンバーとなり、サウジアラビアも現在加盟手続きの最終段階に入っている。

 9月には、ロシア大統領補佐官のユーリ・ウシャコフ氏が、トルコがBRICSへの正式加盟を申請したことを確認し、NATO加盟国として初めて加盟することになった。

 アゼルバイジャン、 コーカサス
 アルジェリア、    北アフリカ
 ベトナム、       東南アジア
 インドネシア、    東南アジア
 パキスタン、     西アジア
 マレーシア、     東南アジア
 ナイジェリア、    アフリカ
 タイ、         東南アジア
 ベネズエラ、     南米
 カザフスタン、    中央アジア
 パレスチナ、     西アジア
 コンゴ民主共和国、 アフリカ
 ガボン、        アフリカ
 バングラデシュ、  東南アジア
 バーレーン、     中東
 クウェート、      中東
 ボリビア        南米

などが、BRICSへの加盟を希望している国々である。

 ※注:上記以外にたとえば、南米のベネズエラ、カリブの
     キューバなども加盟意向を示している

本稿終了