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【視点】女川原発2号機の再稼働 住民が得るのは恩恵か さらなる危険性か? Sputnik 日本 War On Ukraine #6232 1 November 2024 独立系メディアEwave-Tokyo 2 November 2024 女川原発 - Sputnik 日本, 1920, 01.11.2024 © AP Photo / Greg Baker |
2024年11月1日, 06:39 本文 宮城県の女川原子力発電所2号機が、13年間の停止期間を経て10月29日に再稼働した。同2号機は、福島原発事故後、2013年7月に施行された新規制基準に基づき、再稼働が許可された13機目の原発だ。日本の東海岸では初めての再稼働であり、福島第一原発と同タイプの原子炉とのことで、注目を集めている。 日本の原子力発電所は、BWR(沸騰水型軽水炉)とPWR(加圧水型軽水炉)の2種類の軽水炉がある。西日本にある12基のPWRはすでに再稼働している。東日本に集中しているBWRの再稼働が遅れているのは、福島原発事故の影響もあり、安全審査がより厳格で時間がかかることに加え、地方自治体の認可を得るのが困難なためである。女川原発2号機もBWRだ。 東北電力は、女川原発2号機が発電を開始すれば、82万5000キロワットの発電でき、年間で約162万世帯に電力を供給できると見込んでいる。原発による電力供給について、武藤容治経済産業相は、「東日本における電力供給構造のぜい弱性や電気料金の東西格差、脱炭素電源による経済成長機会の確保という観点から、東日本の原子力発電所の再稼働は極めて重要である」と述べた。 日本政府が原発再稼働を望む背景には、化石燃料への依存を減らし、データ処理センターや半導体工場の建設拡大により、将来、需要が増加するだろう電力の安定供給を確保したいという考えがある。しかし、原発に対する地元住民の信頼はまだ回復していない。女川第2原発の再稼働に反対する人々は29日の朝、再稼働中止を求めて発電所のゲート前で抗議活動を行った。住民は、地震や津波、事故が発生した際に、安全に避難できるかを不安に思っている。 原発のリスクとは何か、徹底した検査を行った後でさえ、原発の再稼働にはどんなリスクがつきまとうのか。「放射性廃棄物の安全性」計画の専門家でありエンジニア兼物理学者のアンドレイ・オジャロフスキー氏は、次のように考える。 「どんな原子炉も核分裂から放射能を発生させる危険な装置だ。これは私見ではない。国際的な文書のこのテーマに関する事項に記録されている。原子炉内には制御不能な核分裂の連鎖反応が発生する危険性がある。これは危険な放射線発生装置だ。なぜならば、環境中に放射性物質を放出する事故が起り得るからだ。 完全に安全を保証することは誰にもできない。女川原発の2号機は稼働開始は1995年で、すでに老朽化している。事故は古い原発でも、新しい原発でも起こりうる。チェルノブイリ原子力発電所4号炉の事故は、発電開始からわずか3年後に起きた。 日本は、その地理的条件から、地震、津波、原発事故が同時に発生すると、複合災害が発生するリスクがある。この場合、地元住民をどう避難させるかが深刻な問題となる。救助のヘリコプターは気象条件によっては着陸できない場合もある。水難救助用具も、津波がきたら意味をなさない。これは日本人が何度も直面した大きな問題だ。 そしてもう1つの危険要因、原子炉は毎日運転すれば放射性廃棄物が発生するということ。 使用済み核燃料 は、大量の核分裂生成物を含むためかなりの放射能を含んでいるし、空気に触れると自己発熱し、高温に達するという性質がある。このため、炉心から取り出された後は冷却プールで2~5年間保管される。この後に、保管、地層処分、もしくは再処理にまわされる。 何回も延期となった、2024年に予定されていた六ケ所村の使用済み燃料再処理工場が、日本で稼働を開始しているかどうかは知らない。いずれにせよ、これは非常にコストのかかる事業で、そのコストは発電の恩恵を受ける今の世代ではなく、次の世代が負担することになる」 本稿終了 |