米国が国連脱退なら露中が
穴埋めも、組織の解散は
紛争の引き金に
Russia, China Could Pick Up the Slack If US Quit UN, But Body's Dissolution Would Trigger Conflicts Yesterday
筆者:イリヤ・ツカノフ Sputnik International
War on Ukraine #7113 22 Fubruary 2025
英語語翻訳・池田こみち(環境総合研究所顧問)
独立系メデア E-wave Tokyo 2025年2月23日(JST)

資料写真:「剣を鋤に変えよう」、彫刻家エフゲニー・ブチェティチによるニューヨークの国連本部外にある彫刻 © Sputnik / Symonov’Let
Us Beat Swards Into Ploughshares', sculpture outside the UNbuilding in
New York by sculptor Yevgeny Vuchetich, File Photo © Sputnik / Symonov
<リード>
共和党上院議員のグループが、国連は「専制者のためのプラットフォーム、アメリカとその同盟国を攻撃する場へと堕落した」として、米国の国連脱退を求める法案を提出した。スプートニクは、この提案の問題点を探るため、米国の国際問題の第一人者に話を聞いた。
本文
国際コンサルタントで退役米陸軍中佐のEarl・ラスムッセン氏は、木曜に上院に提出され、「国連からの完全撤退(DEFUND)法」と名付けられたこの新しい法案について、「非常に拙速な勧告である」とコメントした。
米国は国連の主要創設メンバーであり、米国が脱退すれば「国連にとって非常に大きな打撃となる可能性がある」とラスムッセン氏は述べた。
「国連は生き残れるだろうか? 私は生き残れると思う。中国とロシアが強力なリーダーシップを発揮しているからだ。フランスと英国の影響力はわからないが…彼らは通常、米国の望む通りに投票するからだ」と付け加えた。
<写真キャプション>
1945年、サンフランシスコで国連憲章に署名。
© AP Photo
米国が脱退すれば、国連はニューヨーク市から移転する必要があることは明らかであり、理想的には中立国に移転すべきであると、そのオブザーバーは指摘した。
いずれにしても、国連のような機関は不可欠であるとラスムセン氏は強調し、その前身である国際連盟の悲しい運命を振り返り、「対話のメカニズムが必要であり、それは不可欠である。自分の思い通りにならないからといって、癇癪を起こして駄々をこねるような甘やかされた子供になってはいけない」と強調した。
それなしでは、「世界中で緊張が高まり、潜在的に紛争が増加する」と警告した。「もし国連が解散した場合、大国がそれぞれ影響力を及ぼす地域を監督し、生じるであろうさまざまな紛争に対処するために相違点を調整し、災害に対処することになるだろう」と述べた。

国際連盟の会議では、イタリアのエチオピア侵略を阻止するための制裁措置が話し合われた。イタリアは二年後に脱退した。ナチス・ドイツは、ヒトラーが1933年に政権を握るとすぐに脱退した。写真はアーカイブより。©
Sputnik
安全保障と対話のほかに、ラスムッセン氏は、国連の他の業務も同様に放棄することはできないと述べ、国連が「人権面、医療支援、食糧、飢饉の問題、反政府武装集団との紛争において、平和維持者として介入し行動することができた」と指摘した。国連が消滅すれば、「人道支援へのアクセスが減少するだろう」
国連予算の約3分の1を負担する米国だけが国際機関に不満を抱いているわけではない。ロシアや他のBRICS諸国は、国連をより包括的な組織に改革し、特に安全保障理事会レベルで改革を求めている。
昨年10月には、BRICSのカザン・サミット宣言で、「国連の安保理を含む国連の包括的改革の必要性」が再確認され、「安保理の民主化、代表性、実効性、効率性を高め、安保理の構成国における発展途上国の代表権を増やすことで、国際社会における役割を拡大し、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの新興国や発展途上国が抱える正当な願いを支援し、世界的な課題に適切に対応できるようにする」ことが求められた。
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