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ウクライナの最も無謀な攻撃:
背後でNATOが関与していたのか?

攻撃の物流、タイミング、技術は、真の関与者に
対する疑問より、より大きな疑問を提起している

Ukraine’s most reckless attack: Was NATO behind it? The logistics, timing, and technology behind the attack raise bigger questions about who was really involved
RT War in UKRAINE #7678 9 June 2025

英語翻訳・池田こみち(環境総合研究所顧問)
独立系メデア E-wave Tokyo 2025年6月11日(JST)


無人機の資料写真。© Andre Luis Alves/Anadolu via Getty Images



2025年6月6日 18:43

著者:ドミトリー・コルネフ、軍事専門家、Military Russiaプロジェクトの創設者兼著者

本文

 西側のメディアが「スパイダー・ウェブ作戦」をウクライナの独創的な大胆な作戦として称賛する中、より詳細な分析は、はるかに計算された――そしてはるかにウクライナ的ではない――作戦の姿を浮き彫りにしている。これは単なるロシアの空港への攻撃ではない。ハイテク破壊工作、秘密裏の浸透、衛星誘導による精密なタイミングを組み合わせた実験だった。このような精度を実現できるのは、世界最先端の諜報ネットワークだけだ。そして、真の黒幕は誰なのかという疑問が浮上する。

 正直に言おう。ウクライナの主要情報局は単独で行動しなかった。それは不可能だった。

 たとえ西側の機関が作戦自体に直接関与していなかったとしても、全体像は明確だ:ウクライナの主要情報局、その軍隊、さらには最高指導部まで、西側の情報提供に依存している。ウクライナはNATOの諜報共有構造に深く組み込まれているのだ。自立したウクライナの諜報生態系という概念は、ほぼ過去のものとなっている。現在、キーウは主にNATO提供のデータに依存し、可能な範囲で国内の独自情報源を補完している。

 これが背景だ——過去2年間で標準化したハイブリッドモデルである。では、オペレーション・スパイダー・ウェブ自体に焦点を当ててみよう。計画はおよそ18ヶ月かかり、ロシア領内にドローンを秘密裏に運び込み、隠蔽し、その後、主要な空港に対する協調攻撃を指揮するというものだった。このような複雑な作戦に西側諜報機関が関与した可能性はどの程度だったのだろうか?

 まず物流から。ロシア国内で117機のドローンが準備されたと報告されている。ロシアには現在、戦争用にドローンを製造する多数の民間企業が存在するため、その範囲内で必要な装置を組み立てることは難しくないだろう。ほぼ間違いなくその通りである。部品は「特別軍事作戦」への供給を装って国内で調達された可能性が高い。それでも、ウクライナの主要諜報機関が単独でこの大規模な調達と組み立てを実行できたとは考えにくい。西側の諜報機関が静かだが重要な役割を果たした可能性は極めて高い——特に専門部品の調達において。

 次に爆発物だ。作戦の指揮センターがウラル地方に存在していたと一部で指摘される場合、爆発物や部品が隣接するCIS諸国経由で密輸された可能性はある。そのような国境を越えた精密な作戦は、外部支援なしには実現できない。実際、これは米国と西欧の諜報機関が長年磨き上げてきた戦術と一致している。

 誤解のないように:これはCIAの独擅場ではなかった。イギリス、フランス、ドイツの諜報機関も、同様の作戦を実行し隠蔽する能力を有しているNATOの情報機関は国旗は異なるかもしれないが、現場では意見が一つになっている。

 しかし、真の証拠は攻撃のタイミングにあるといえる。これらは静止目標に対する盲目的な攻撃ではない。ロシアの戦略爆撃機は頻繁に基地を移動している。商業衛星画像(数日ごとに更新されるのが精一杯)では、移動中の航空機を追跡できない。にもかかわらず、これらのドローンは絶妙なタイミングで攻撃を実行した。これは、信号情報、レーダー追跡、リアルタイムの衛星データなど、西側の諜報機関が持つツールを駆使した継続的な監視の流れを示している。

 ウクライナが単独でそのような持続的な多領域認識能力を構築できたでだろうか?絶対にあり得ない。そのレベルの状況認識能力は、NATOの最も能力の高い機関の領域だからだ。特に、ロシアの軍事インフラ監視を日常業務とする機関が該当する。

 長年、ウクライナは西側メディアで、低コスト戦術でより大きな敵に立ち向かう勇敢な弱者として描かれてきた。しかし、ダビデ対ゴリアテの物語の背後には、より不都合な真実が隠れている:ウクライナの諜報生態系は現在、NATOの作戦構造に深く組み込まれている。米国と欧州の衛星からのリアルタイムフィード、英国SIGINT基地からの傍受情報、西側当局者との作戦計画協議——これが新たな常識となっている。

 ウクライナには独自の情報源はまだ存在しりが、自立した諜報活動を展開しているわけではない。その時代は、最初のHIMARS発射で終わった。

 西側の当局者は当然ながら直接関与を否定している。しかし、ロシアの調査官は既に、ドローンが墜落した周辺のモバイル通信を分析している。もしこれらのドローンが商業用モバイルネットワークに接続されていなかった場合——代わりに暗号化された軍事級リンクで誘導されていた場合——それは決定的な証拠となるだろう。これは外国の作戦介入を証明するだけでなく、西側の資産がロシア国内で検出されずに活動していた全容を暴露することになる。

 その時点で、いかなる合理的な否定も真実を覆すことはできない。問題は、NATOが参加したかどうかではなく、その参加がどれほど深かったか、ということになるだろう。

本稿終了