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原告99名の居住地想定地図 |
東京23区の平成6年度の二酸化窒素 大気汚染濃度シミュレーション図 |
左図中、紫色の点が想定居住地を示す。図には23区以外2名(非原告)が含まれている。また左図中、 茶色の道路が12時間交通量で4万台以上の道路を示す。判決は、上記99名のうち、汚染の濃度では なく、交通量と道路から50m以内に居住する原告7名に対してのみ国家賠償を認めている、 |
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昭和49年から平成6年までの東京23区の二酸化窒素大気汚染の再現シミュレーションは環境総合研究所実施、東京地裁に証拠提出したものの一部です。 |
判決では、これらの「面的汚染」、「累積濃度」に触れることなく、12時間交通量で4万台以上、沿道から50m以内に居住する原告に限定し、国、公団などに国家賠償責任を課しました。 これは世界に類例のない人口、経済集中地のネットワーク状に道路が多数存在し、「累積的影響」や「面的汚染」の存在を無視したものであり、きわめて非科学的なものであると考えます。判決では、汚染の具体的濃度レベルに一切触れることなく、<12時間交通量で4万台以上>、<幹線道路沿道から50m以内>の原告に賠償が認められました。濃度(数値)と無関係に交通量と50m以内について賠償を認めると言う判断は合理性がなく非科学的な判断といわざるを得ません。 今回の初審判決では、最も自動車排ガスの累積的影響が面的に広がっている都心部に居住する原告や国道1号、国道15号、産業道路、首都高横羽線、東京湾岸道路などが併走する大田区に居住ずる原告20名弱は賠償の対象からはずれています。 このように、今回の東京地方裁判所の判決は、自動車排ガスと疾病の因果関係を認めるなど評価されるべき点もありますが、原告ひとりひとりが受ける二酸化窒素、浮遊粒子状物質の汚染の暴露量や濃度に一切触れず、従来の幹線道路から50m以内に限定し賠償を認めたこと、排出差止めを一切認めなかったことなど、過去切り開かれてきた司法判断の水準と比較してもきわめて遺憾なものであるといわざるを得ません。 |