第3回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2013-6 A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune 初夏のアマルフィ海岸を行く 7日目 アマルフィの生活と産業 青山貞一・池田こみち 2013年6月14日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013年アマルフィ海岸現地視察調査報告<125本 全体メニュー> アマルフィ海岸の位置 アマルフィの紋章 イタリア国旗 ◆アマルフィの生活と産業 アマルフィ海岸には約20のコムーネがありますが、下のグラフにあるようにアマルフィの人口は1961年以降、単調減少しています。アマルフィの人口規模は2014年時点で5,169人で20自治体の中位にあります。人口で最も多いのは、ソレントで約16,500人となっています。一方、一番少ないコムーネは先に報告したアトラーニとなります。 アマルフィの人口推移 出典:Wikipedia Italiano 出典:Wikipedia 以下は、アマルフィ海岸自治体の基礎的データですが、アマルフィは製造業組織数は73、その重要数は259人とアトラーニの約10倍あります。またサービス業の組織数は184社で従業員数は353人です。さらに一次産業組織数は204社で従業員数は973人となっています。いずれもアトラーニの10番前後です。 表 南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎的データ
出典 http://campania.indettaglio.it/eng/province/sa/la_provincia_di_salerno.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/065/index.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/063/index.html アマルフィでは世界的な観光地と言うこともあり、観光業(サービス業)がソレント、ポジターノについて3番目となっています。これらはホテル、アパート、B&B、土産物屋、レストラ,ン、タクシー運転などが中心となります。 またアマルフィではアトラーニ同様、漁業と農業の一次産業が圧倒的に多いのですが、これらは地中海漁業とレモンなのの農業が中心となります。関連した食品加工としては、お隣のチェターラ同様、カタクチイワシなどを使った魚醤が製造業の中心となっています。また当然のこととしてパスタ、ニョッキなど主食の工場も多数あります。これらはいわば家内制業です。 アマルフィのパスタ製造工場 This photo of Amalfi Coast Destination Tours is courtesy of TripAdvisor さらにアマルフィの製造業では、特産品はリモンチェッロと手漉き紙などがひとつのメインとなります。リモンチェッロの原料にはこの地方特産のレモンが用いられています。現在でもアマルフィの急斜面にはところどころレモン畑があります。 アマルフィのレモンを使った食品工場 This photo of Amalfi Coast Destination Tours is courtesy of TripAdvisor アマルフィは手漉き紙はイタリア半島で最初に製紙法が伝わった場所であり、紙漉きに必要な清流が存在したことから発達しています。アマルフィの海岸からかなり斜面を上ったところにはこの製紙法の研究所や体験教室があります。 さらにアマルフィの土産物屋に行くと上記以外にレモンを使った食べ物、飲み物、石鹸はじめブローチ、ペンダント、金属細工、それにガラス細工、ヴィエトリで造られた陶器なども売られています。 以下を棒グラフでみると、やはりの一番右が農業、漁業など一次産業の従業員数です。人口が多いソレントが圧倒的に多いのですが、サンタニェーロ、ピアノ・ディ・ソレントに次いでアマルフィの一次産業の従業員数が多くなっています。観光などのサービス業よりも農業、漁業従事者が多いのですが、これは他地域でも同様です。今時、先進国でこのような産業構造をもっている地域は珍しいと言えます。 図 南イタリア・アマルフィ海岸自治体の経済組織に従事する人数 凡例:左から製造業、サービス業、一次産業(農林漁業) 出典:青山貞一・池田こみち、南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎調査データ@ 以下のグラフは、アマルフィ海岸自治体の住民所得総計と住民一人当たりの平均年収を示しています。日本ではあまりよく知られていませんが、南イタリアは昔から非常に貧しい地域であり、年収は非常に低いのです。イタリア全体でも一人当たりの収入は日本の半分程度ですが、南イタリアはさらに低いのです。 下のグラフを見ると、アマルフィの住民一人当たりの平均年収は103万円であり、20近くあるアマルフィ海岸コムーネの中では上位から5番目に位置していますので、全体から見ると上位に位置しています。 図11 アマルフィ海岸自治体住民の個人平均所得 出典 http://www.comuni-italiani.it/065/index.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/063/index.html 出典:青山貞一・池田こみち、南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎調査データ@ ところで、アマルフィの就業者数には公務員の数、450人も含まれます。これにはコムーネ職員、警察官、教職員、それに議員などが含まれます。日本でも荘ですが、小さな村ほど就業人口煮染める公務員の数は多くなりますが、これはイタリアでも同じでした。約12人に一人が公務員です。ただし、お隣のアトラーニでは、何と40人に一人が公務員でした。 公務員と言えば、私達はひょんなことで、ミノーリの海岸にあった公共駐車場でどの駐車料金支払機器が故障していたため、そこに車を置いて現地視察に出かけました。機器には故障中という紙が貼ってありました。 しかし、帰ってくると何と違法駐車の紙が貼ってありました。おそらく途中で機械を直し故障中の張り紙をはがしていたのです。こんなことありなの? という感じです。 そこで、コムーネの警察に行き女性警察官に英語で事情を説明し掛け合いましたが、駐車場に到着時点で修理されていたことからか、頑としてこちらの言い分を聞きません。結局、反則金を支払わされました(笑い)。下の写真はそのときのものです。 コムーネ警察の看板 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013年6月 女性警察官と掛け合う池田 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013年6月 つづく |