第3回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2013-6 A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune 初夏のアマルフィ海岸を行く 7日目 チェターラの生活と産業 青山貞一・池田こみち 2013年6月14日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
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2013年アマルフィ海岸現地視察調査報告<125本 全体メニュー> アマルフィ海岸の位置 チェターラの紋章 イタリア国旗 ◆チェターラの生活と産業 アマルフィ海岸には約20のコムーネがありますが、下のグラフにあるようにチェターラの人口は1961年以降、2300人前後で増加と減少を繰り返しています。 このようなコムーネは他にはないようです。チェターラの人口は定常状態になっているのです。おそらくその理由は、チェターラでは、9世紀からつづく漁業が現在でも現役となっていること、その漁業、とくに片口鰯の魚醤が世界規模で販売されるなど、まさに小さいながらきらりと光るオンリーワンのまちづくりがその根底にあるからと推察できます。 アマルフィの人口推移 出典:Wikipedia Italiano 出典:Wikipedia チェターラの中心部 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013年6月 以下は、アマルフィ海岸自治体の基礎的データです。 チェターラの製造業組織数は13、その重要数は46人、またサービス業の組織数は70社で従業員数は119人です。一次産業組織数は47社で従業員数は149人となっています。これだけ小さなまちとして、いずれも充実しています。一次産業は多くが漁業と思われます。また製造業はおそらく漁業関連の魚加工業と推察できます。 表 南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎的データ
出典 http://campania.indettaglio.it/eng/province/sa/la_provincia_di_salerno.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/065/index.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/063/index.html 以下を棒グラフでみると、やはりの一番右が農業、漁業など一次産業の従業員数です。チェターラでは46組織、149人の従業員数ですが、現地視察したところ、突堤、堤防の下が網など漁具の格納庫なっており、その格納庫が10以上ありました。おそらくひとつの格納庫あたり、数人の漁師が共同でもっているものと推察できます。 図 南イタリア・アマルフィ海岸自治体の経済組織に従事する人数 凡例:左から製造業、サービス業、一次産業(農林漁業) 出典:青山貞一・池田こみち、南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎調査データ@ 以下のグラフは、アマルフィ海岸自治体の住民所得総計と住民一人当たりの平均年収を示しています。日本ではあまりよく知られていませんが、南イタリアは昔から非常に貧しい地域であり、年収は非常に低いのです。イタリア全体でも一人当たりの収入は日本の半分程度ですが、南イタリアはさらに低いのです。 下のグラフを見ると、チェターラの住民一人当たりの平均年収は75万円とけっして高くはありませんが、人口で4倍近くあるヴィエトリ・スル・マーレの一人当たりの所得より多くなっています。 図11 アマルフィ海岸自治体住民の個人平均所得 出典 http://www.comuni-italiani.it/065/index.html 出典 http://www.comuni-italiani.it/063/index.html 出典:青山貞一・池田こみち、南イタリア・アマルフィ海岸自治体の基礎調査データ@ チェターラのまちを歩いてみると、リストランテ、商店、雑貨屋は数えるほどありません。またミニホテル、B&Bなどの宿泊施設もほとんどありません。実際、チェターラのホテルなどをWebで検索しても10軒もありません。やはりチェターラは観光より漁業のまちと言えます。 下はチェターラのメインストリートです。 チェターラのメインストリート 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013年6月 つづく |