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大気汚染には粒子状物質とガス状物質があり、今回特に問題となっているPM2.5は、粒径が小さな粒子状物質です。肺胞の奧まで入るので呼吸器への影響が大きいと言われています。 PM2.5の規制については、私も証人に立った東京大気汚染公害裁判の和解条項に原告側から大気汚染の指定物質とするよう要望が出され出され、その後、国が指定物質さらに規制対象物質にしたいきさつがあります。米国ではカリフォルニア州などが相当前から指定物質にしていましたが、日本ではSPM(浮遊粒子状物質)しか規制対象物質にしていませんでした。 その後、2009年に基準が初めて設定され現行では環境省告示として、SPMと微小粒子状物質(PM2.5) の規制基準を定めています。 出典:Wikipedia 粒子状の大気汚染物質の種類
出典:Wikipedia 次に、大気汚染の発生源には工場、事業所、発電所などの固定発生源と自動車、飛行機、船舶などの移動発生源があります。東京などは70%以上が自動車など移動発生源、残りが固定発生源ですが、中国では北京が半々ではないかと類推しています。 移動発生源の場合、PM2.5やSPMは、大部分が直噴ディーゼル車などディぜール車が排出します。ガソリン車はほとんど排出しませんが、中国の場合、古い型式の車が多そうです。また車検もまともに行われていない可能性があります。 また自動車の場合、Webに掲載したように渋滞があると、一気に大気汚染が悪化します。ディール車では非渋滞時の5−6倍も高くなることもあります。中国もモータリゼーションが進み、大都市では渋滞が頻発している可能性があるはずです。 最後に、日本への影響ですが、冬場は偏西風に加え対流圏以下でも北北西から北西の風が多く吹くので、日本に到達する可能性が高くなります。私達の自動車排ガスだけを対象とした簡易のシミュレーション(1時間値)では、 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-china_airpollusion_toJapan1.html にあるように、中国から発せされた大気汚染は、九州で何と中国の発生源近くの大気汚染濃度(赤色)の25分の1、また比較的高い大気汚染濃度(黄色)の5分の1の濃度が推計された。もちろん、実際にはNOxのようなガス状の大気汚染とSPM、PM2.5のような粒子状大気汚染とでは、拡散の仕方が異なりますが、おおよその目安はつかめるはずです。
■大気汚染に係る環境基準 1 大気汚染に係る環境基準 二酸化いおう (SO2) 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。(48.5.16告示) 溶液導電率法又は紫外線蛍光法 一酸化炭素 (CO) 1時間値の1日平均値が10ppm 以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm 以下であること。(48.5.8告示) 非分散型赤外分析計を用いる方法 浮遊粒子状物質 (SPM) 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。(48. 5.8告示) 濾過捕集による重量濃度測定方法又はこの方法によって測定された重量濃度と直線的な関係を有する量が得られる光散乱法、圧電天びん法若しくはベータ線吸収法 二酸化窒素 (NO2) 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。(53. 7.11告示) ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオゾンを用いる化学発光法 光化学オキシダント (OX) 1時間値が0.06ppm以下であること 。(48.5.8告示) 中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法若しくは電量法、紫外線吸収法又はエチレンを用いる化学発光法 2 有害大気汚染物質(ベンゼン等)に係る環境基準 物質 環境上の条件 測定方法 ベンゼン 1年平均値が0.003mg/m3以下であること。(H9.2.4告示) キャニスター又は捕集管により採取した試料をガスクロマトグラフ質量分析計により測定する方法を標準法とする。また、当該物質に関し、標準法と同等以上の性能を有使用可能とする。 トリクロロエチレン 1年平均値が0.2mg/m3以下であること。(H9.2.4告示) テトラクロロエチレン 1年平均値が0.2mg/m3以下であること。(H9.2.4告示) ジクロロメタン 1年平均値が0.15mg/m3以下であること。(H13.4.20告示) 3 ダイオキシン類に係る環境基準 物質 環境上の条件 測定方法 ダイオキシン類 1年平均値が0.6pg-TEQ/m3以下であること。(H11.12.27告示) ポリウレタンフォームを装着した採取筒をろ紙後段に取り付けたエアサンプラーにより採取した試料を高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計により測定する方法。 4 微小粒子状物質に係る環境基準 物質 環境上の条件 測定方法 微小粒子状物質 1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。(H21.9.9告示) 微小粒子状物質による大気の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、濾過捕集による質量濃度測定方法又はこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法 出典:環境省 |