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迷走する嘉田知事

〜RD最終処分場問題A〜
公開されない委員会議事録

青山貞一

2008年5月18日



  ※青山貞一(あおやま・ていいち)プロフィール

    
武蔵工業大学環境情報学部教授、同大学院教授(専門は環境政策)
    と兼務で2004年4月〜2005年3月まで特別職の特別地方公務員とし
    て長野県環境保全研究所長勤務、2005年6月15日〜2006年3月31日
    に長野県知事の政策アドバイザー、2006年6月8日から長野県環境審
    議会委員、同期日から2008年3月まで長野県公共事業評価監視委員
    会委員を歴任した。
    田中康夫知事時代の環境政策、廃棄物政策を主担当した。

 滋賀県や嘉田知事のしていることは、本末転倒なことが多い。そのさえたるもののひとつが、RD最終処分場検討委員会の開催議事録が公開されていないことである。
 
 なぜか、この3月に3回も開催されたRD最終処分場検討委員会の議事録は未だに3回とも公表されていない。

 以下は、2008年5月23日時点で議事録が公開されていない委員会である。

H20年3月15日 ◎第13回RD最終処分場問題対策委員会の開催
H20年3月21日 ◎第14回RD最終処分場問題対策委員会の開催
H20年3月26日 ◎第15回RD最終処分場問題対策委員会の開催

 ※全RD最終処分場検討委員会の開催状況

 2008年3月に開催された3回の委員会の議事がまったく公表されていないのは、どうみてもオカシイ。

 滋賀県は早急に議事の全容(一字一句)を公開すべきである。

 最終委員会が2008年3月26日に終了し、2ヶ月経っても、重要な委員会議事録を公開していないにもかかわらず、嘉田知事は委員会が提案した対策案(A2)と、異なる対策案(D案)を採用することを、@議会委員会、A記者会見、B住民集会で軽々に話してきた。

 その理由はすべてが言い訳がましいものばかりだ。

 これでは、県民に疑義を買われても仕方がなく、メディアに徹底追求されても仕方がない。

 なぜ、議事録にこだわるのかと言えば、嘉田知事がこの間、あちこちで軽々に話している次のことがある。すなわち嘉田知事が住民説明や会見で、ことある度に引き合いに出してきた次のこととして、「廃棄物を運搬する車両の騒音や排気ガス、廃棄物を掘り起こす際の悪臭といった環境問題」がある。

 これは最終委員会で島田幸司委員(立命館大学教授、元環境省職員)が執拗に述べたことことであると聞いている。

 なぜ、最終委員会で島田委員、しかもD案を支持した委員が述べたことを嘉田知事がとってつけたかのように、あちこちでことさら強調しているのか?

 それひとつをとっても非常にオカシイのである。

 委員会で提案された全量撤去のA2案を嘉田知事が採用せずD案に走ったホンネは240億円の財源確保にあると推察できる。おそらく多くの関係者はそう思っているはずだ。

 にもかかわらず、嘉田知事はA2案では最終処分場近くの住民に「廃棄物を運搬する車両の騒音や排気ガス、廃棄物を掘り起こす際の悪臭といった環境問題」が13年にわたると、、とってつけたようにこの言い訳をことさら強調している。

 ところで、嘉田知事が3月に3回も開催した委員会の議事録を公表すること無いままに、栗東の地元住民の多くが支持したA2案ではなく、D案を採用した背景にはいろいろな理由が考えられる。

 そのなかにはメディアはもとより、肝心な議会や県民がまったく知らない、知らされていない重要な事実がある。

 本論考では、今後、事実をもとにそれらをひとつひとつ解き明かしてゆきたい。

 キーワードは「本末転倒」である! 

つづく