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●ゴミ弁連産廃処分場シンポジウム in 夕張市 2010年6月20日午後1時から夕張市のアディーレ会館ゆうばり(以下、市民会館)で、ゴミ弁連と地元の夕張メロンと夕張川の水を守る市民ネットワーク(市民団体)の共催による産廃問題のシンポジウムが開催された。 下の写真はシンポジウムが行われた市民会館である。市民会館は夕張市役所の隣にある。 シンポジウムの会場となったアディーレ会館ゆうばり 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 下は市民会館入り口に立つ筆者。 アディーレ会館ゆうばりの入り口にて 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 このシンポジウムには、地元夕張市の市民(団体)はじめ札幌市など北海道の他地域、それに本州各地の市民らが参加した。ゴミ弁連から梶山さん(ゴミ弁連会長、山梨県)、坂本さん(事務局長、つくば市)、河田さん(会員、岡山市)らが参加し、環境行政改革フォーラムから青山(東京都市大学、横浜市)、鷹取さん(環境総合研究所、東京)、さらに全国産廃問題ネットワークから藤原さん(市川市)らが参加した。 下はゴミ弁連シンポジウム2010 in 夕張の開催プログラムである。 シンポジウムの構成としては第一幕として、地元夕張及び北海道各地から現地報告が行われた。また第二幕として藤原寿和さん、梶山正三さん、青山貞一の講演が行われた。上記を受け会場との交流(質疑)が行われた。 下は開会の挨拶をする坂本博之ゴミ弁連事務局長。 開会挨拶する坂本博之ゴミ弁連事務局長 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 現地からの報告では、産廃安定型処分場の計画地周辺には、レッドデータブックにあるような希少な生物が生息しているという熊谷泰昌・福本昭男両氏による「夕張産廃問題と希少生物」の報告がなされた。 次に矢野牧夫氏による 紅葉山「産廃」処理場予定地の地質学的環境 がなされ、計画地周辺の自然・生態系・地質などの実態がよくわかった。 下の図は計画地の地形、地質の想定される断面図である。計画地周辺は、河岸段丘となっており、棚田状態となっている段丘に処分された廃棄物の上に降った雨水や融雪水が地下水となって第一段丘から第二段丘、第二段丘から第三段丘へと流れ最終的に谷間を流れる川に合流することになる。 現地報告する矢野牧夫氏(元北海道開拓記念館学芸部長) 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 そして矢野氏は、以下のように推定している。 計画されている最終処分場は先に述べたように、素掘りの安定型最終処分場であるから何ら遮水構造ではなく、しかも水質浄化装置がつかないから、廃棄物によって汚染された水は河川水を汚染することになる。また当該地域は地質学的に見て非常に脆弱な地域なので、崩落や地滑りにより廃棄された産廃が河川に流れ込む可能性も高いとされる。 下は第二幕で講演する梶山正三弁護士。 講演する梶山正三氏 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 講演する梶山正三氏 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 また以下は梶山氏の講演要旨である。
梶山氏に引き続き筆者(青山貞一)が講演した。 講演する青山貞一 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 講演する青山貞一 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 下は青山の講演要旨である。
講演後、限られた時間であるが会場と質疑応答を行った。 質疑応答 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 シンポジウム終了後、夕張、札幌の市民団体と一緒に記念撮影。 シンポジウム終了後、夕張、札幌の市民団体と一緒に記念撮影 撮影:鷹取敦、Digital Camera Casio Exilim EX-H10 そもそも安定型最終処分場に処分する産廃が夕張メロン栽培用のビニールハウスのビニール(廃プラスチック)なら、何も秀逸な自然を破壊し、清浄な河川の水を汚染してまで処分場を建設する必要はないだろう。 下の写真は夕張メロン栽培用の大型ビニールハウスである。 夕張メロン栽培用ビニールハウス もちろん新技術による廃ビニールのリサイクルもある。また近くにある室蘭や苫小牧にある製鉄所などの高炉の還元剤として廃プラを使用する手もあるはずだ。そうなれば、廃プラは廃棄物ではなく有価物にもなるはずである。 ただし、これらはいずれの場合もビニールが「塩化ビニール」でない場合だ。 もし、現在使っているビニールが塩化ビニールなら、素材を他のものに変える必要もある。 いずれにせよ、「夕張メロン」をつくるためにすばらしい自然や生態系のなかに「産廃処分場」を建設するのはおかしいし、そぐわない。 シンポジウム終了後、ホテルで懇親会を行った! つづく |