ここからは現地調査の論考である。 ●予備調査(2010年5月5日実施)の概要 2010年5月のGWに行った水質調査の予備調査では、浅間山系の河川の水質は、pH、電気伝導率ともに大きな問題はなかったが、白根山系の白砂川は、いずれもpHの値が低く(酸性が強く)、また水への重金属類やイオンの含有の高さを示す電気伝導率も高かった。 とりわけ草津温泉から流れ出る湯川は、石灰による中和以前は、pHが2.2と強酸性であり、電気伝導率も3.8ms(3800μS/cm)と非常に高かった。ちなみに吾妻川上流の羽根尾地区では、pHは7.9とほぼ中性で電気伝導率も0.17ms(170μS/cm)と低かった。 2010年5月5日の水質(pH)測定結果 出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室 2010年5月5日の水質(電気伝導率)測定結果 出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室 2010年5月5日の水質(電気伝導率)測定結果(上記のスケールを変えたもの) 出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室 ●今回の調査(2010年7月18日実施) 以下は、2010年7月18日に実施した今回の水質調査についての論考だが、随所で2010年5月5日の調査についても触れることとする。 ■神原神社にお参り 7月の3連休のなか日の2010年7月18日(日)、いつものように鎌原神社でお参り。 この鎌原神社は、江戸時代に浅間山が大噴火したとき、この神社に逃げ込んだ村民の命が助かったことで有名だ。真夏ということもあり、鎌原神社の境内は緑が生い茂っていた。 真夏の鎌原神社 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18 鎌原神社のお地蔵さん 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18 鎌原神社にて 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18 2010年5月5日のGWでは、最初に長野原町にある浅間大滝で水質測定を行った。この滝の水は長野原町の吾妻川に流れ込む。
●吾妻川の羽根尾で水質調査 鎌原神社でお参りを済ませた後、長野原町を流れる吾妻川の中流にあたる羽根尾地区で水質測定を行う。国道146号のロマンチック街道が吾妻川と交差する点が羽根尾である。ここでは、簡単に川原に下りれる。 吾妻川の羽根尾近くの川原にて水質測定を実施 左から池田こみちさん、青山、田中元樹さん 撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼 下は吾妻川(羽根尾)地区で水質測定を行う青山、池田こみち。測定項目は前回同様、pHと電気伝導率である。 電気伝導率は電気伝導率は0.13(130μS/cm)と前回より若干低くなっていた。これはおそらく昨日夜から今朝にかけての大降雨による影響と考えられる。他方、pHは8.2と前回(7.9)より少し高くなっていた。 吾妻川の羽根尾近くの川原にて水質測定を実施 撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼
羽根尾を後に、長野原町の吾妻川を下流方面に下る。 途中、やんば館に立ち寄る。昨年の政権交代以来、多くの観光客がここを訪れるようになった。今日も、大型観光バスで来た客でやんば館は混雑していた。 やんば館にて 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18 池田さんはやんば館の駐車場に生産農家が出張販売している直販店からとうもろこしを4本購入。ここで買うとうもろこしは、生で食べてもおいしい! やんば館から見た県道橋梁工事 撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼 やんば館を後に、八ッ場ダム本体が開発予定だった長野原町と東吾妻町の中間にある鹿飛橋に行く。下の赤い橋が鹿飛橋。橋の下は40mもの絶壁である。 吾妻渓谷の鹿飛橋にて 撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼 ここでも昨日の大降雨のせいで渓谷を流れる水量はいつになく多い。 とはいえ、ここは吾妻川の中流、これだけ降ってもこの程度の水位かということでもある。 真夏の吾妻渓谷 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18 シャッタースピードを短くして撮影すると、以下のように非常に興味深い水流図となった。 真夏の吾妻渓谷 撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼 鹿飛橋で吾妻渓谷の景観美を味わった後、水質測定のため川原湯温泉に向かう。 つづく