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<国連アフガン決議>
露が批判声明文小沢氏主張裏付ける


毎日新聞

掲載日:2007.9.21

  
 【モスクワ杉尾直哉】

 アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)に関する国連安保理決議案の採択でロシアが棄権した問題で、ロシア外務省は20日、「これまで安保理で議論されたことがないインド洋の海上阻止活動が盛り込まれ、棄権せざるを得なかった」とする報道声明文を発表した。

 安保理で拒否権を持つロシアが、現時点で海上阻止活動を受け入れていないことを明確にしたもので、「米国の活動を国連安保理で承認する決議はない」とする民主党の小沢一郎代表の主張が逆に裏付けられた形。民主党対策で採択を急いだ日本政府の読みの甘さが浮き彫りになった。

 今回の決議案では、日本などがインド洋の海上阻止活動に参加する米軍主導の「不朽の自由作戦」(OEF)への謝意が盛り込まれた。これに対し露外務省は「アフガンやほかの紛争に関する過去の国連決議で扱われたことがないまったく新しい要素だ。海上阻止活動を行う根拠について米国などの提案国に説明を求めたが、無視され、性急な採択が行われた」と批判した。

 露外務省の声明文によると、ロシアは、これまでISAFを原則的に支持し、国連決議にも賛成してきた。だが、今回の決議案では、海上阻止活動に触れた文言を米国代表が議論の最終段階で追加。これに対しロシアは説明を求めたが、無視されたという。

 ロシア側は妥協案として、「いかなる海上阻止、臨検活動も国際法と国内法にのっとって行われなければならない」との文言を盛り込むよう提案したが、これも無視されたという。