政権交代に反対する大メディア 〜テレビ朝日系の場合〜 青山貞一 掲載日:2009年8月1日 |
読者は先刻ご承知のことと思うが、民主党のマニフェストに言いがかり的な批判や文句を言っているは、自民党の幹部と大メディア、とくにテレビ朝日系列である。 そもそも自民党に民主党のマニフェストに財政的裏付けがないなどという資格がどこにあるのか! 小泉政権以降今日までに従来の累積赤字に250兆円超の財政赤字が加わり、今や国、地方あわせて1000兆円になんなんとしている。この半年だけでも赤字国債をバンバン乱発しているのは何処の誰か! こんなことは今やまともな日本人なら誰でも知っている、分かっているはずだ。 テレビ朝日では、毎朝の情報番組、サンデープロジェクト、朝まで生テレビなど、いずれも自民党の広報機関と間違うほどだ。テレ朝はまるで政権交代させたくない、政権交代すると大変なことになるとでも言いたげだ。 民主党のマニフェストを財政不透明、曖昧、バラマキと、連日批判、攻撃しているが、半世紀にわたる実質独裁政権で国、地方あわせ1000兆円、国民一人当たり800万円の借金をしてきたのは言うまでもなく自民党である。自民党はもちろん、大メディアもバカ言うにもほどがある。 テレ朝・サンプロの田原総一郎や朝日新聞がいまだ小泉・竹中構造改革路線を支援しているという話しもあるが、それにも増して、必死になって政権交代を阻止しようとしている論調には唖然としてしまう。 ところで、今から9年前、政権交代に類することがあった。それは永年、旧自治省の官僚が知事を30−40年も牛耳っていた長野県であのヤッシーこと田中康夫氏が知事に立候補し、当選したあとのことだ。 以下に詳細を記すが、テレ朝幹部は私にはっきりと田中県政は自分たちテレビ局にとって営業的にマイナスとなることを理由に、田中県政を大人げなく、また口汚く罵ったのである。 「政「官「業「学「報のペンタゴンのなかで既得権益を教授してきたのは何も、土建業界だけでない。御用学者やテレビメディアも例外ではないのである。 「学」はいうまでもなく、御用学者、 「報」は見識も批判精神もないメディアである! 彼らには何らこの日本を民主国家にするなど、ミッションなどはなから存在せず、自分たちの異常な高給を維持するために得となる政治、政権こそが大切だったのである。 何ともお粗末かつ恥ずかしいことだ! ●具体的事例: 2002年、現在、参議院議員となっている田中康夫氏が、長野県知事に再選されたときのことである。ちなみに田中氏が最初に長野県知事に当選したのは2000年である。 当時、知人のテレビ朝日の幹部であったC氏が彼の生まれ故郷の長野に里帰りし、長野朝日放送(ABN)の幹部として着任したときのことだ。 私は環境総合研究所の同僚である池田こみちさんが、長野県環境審議会の委員に就任したこと、それに別件で長野県庁に行く用事があり長野市に池田さんと一緒に出向くことになった。 せっかく長野まで行くのなら、知人のC氏を同じく知人の田中氏に引き合わせることを画策した。 というのも、田中氏の大メディア嫌いは有名だったので、ここはひとつ両者を直にあわせ、とことん議論をしてもらおうと考えたのである。 場所は長野朝日放送近くの蕎麦屋でC氏と私それに池田さんは田中氏を待った。しかし結局、いつになってもその場に田中氏は来なかった。 ここでの問題は、そのときそば屋でC氏が私と池田さんに話した内容である。 C氏は田中知事(当時)のことをボロクソ話し出したのである。 とりわけ驚いたのは、「田中氏が知事になって以来、長野朝日放送のスポット広告が減った」という下りであった。 こともあろうか、日本を代表する大テレビであるテレビ朝日系列の幹部のであるC氏が着任先の長野朝日放送で、当時「土建・はこもの行政」に徹底的にメスを入れ、長野県の巨大な累積債務を減らすために全力を挙げていた田中県政をボロクソこき下ろしたのである。しかもおよそ天下国家からほど遠い、テレビのスポット広告が減っているという理由で、口汚く田中知事を罵ったのである。 田中になってから広告収入、なかんづくスポット広告が減っている、と。およそそこには見識も知性も感じられない。 田中氏は、当時、「脱ダム」宣言とともに「脱記者クラブ」宣言をしたばかりだった。 C氏は何と長野朝日放送に着任直後に、その「脱記者クラブ」宣言時、県庁クラブの幹事会社で、いきなりアッパーカットをくらうことになった。それも田中県政批判の理由だろうが、どうもCの怒りは脱ダム宣言に象徴されるような土木系はこもの公共事業が減ると、自社の広告収入が減るというのが理由であった。 当時、地方から日本を改革するとして当選した田中県政をC氏は自分の会社(長野朝日放送)の広告収入が減ることを理由に激しく批判するC氏に私たちは、報道のプロのはずのC氏らは一体何を考えているのかと、ロ唖然としたのである。 |