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●調査の日程 今年5回目となる福島県内の放射線量の現地調査を2011年12月25日〜27日に実施し、無事完了し帰宅した。 ●調査に使用した線量計 使用した線量計は、米国製の小型線量計(USBで充電するタイプ)及びロシア製の小型線量計(電池式)の2機種である(下の写真参照)。 放射線量計(日本製、ロシア製、米国製、中国製) 米国製DoseRAE2線量計 ●調査ルート 調査は、東京→常磐自動車道→つくば→常陸那珂→北茨城→福島県いわき市各海浜地域→いわき市中心部→磐越自動車道→郡山東→猪苗代→会津若松(1日目終了)→(2日目開始)→会津若松→喜多方→会津坂下→西会津→磐越自動車道→会津若松(2日目終了)→(3日目開始)→会津若松→下郷町→南会津町→那須塩原→矢板→東北自動車道→北関東自動車道→高崎JCT→関越自動車道→東京 のルートで実施した。 以下の赤い線が調査ルートの概要である。 第五次福島空間放射線量現地調査ルート(概要) ●日程別調査概要 ・2011年12月25日 出発日の2011年12月25日、午前5時に家を出て車で常磐高速道路を北進し、午前8時過ぎに北茨木市に到着。現地は超好天だ。 北茨城ICで高速を下車後、茨城県北部から福島県南部の津波被災地を視察、放射線量を測定、さらに放射性瓦礫の実験測定を行った。まず北茨城市の大津港、次に六角堂がある五浦地区を視察し、放射線量を計測する。 その後、勿来、小浜、小名浜、中之作、江名、江名走出、豊間、薄磯といわき市の漁港及び海浜部を現地視察し、放射線量を測定した。 いわき駅前のいつもの店で昼食。この店はうまく、やすく、量も多い。昼食後、磐越高速でいわき市から会津若松市のホテルまで車中測定しながら移動。やはり郡山東がダントツに高い。宿泊は、会津白虎隊で有名な飯盛山近くの東山温泉地区のホテル。 会津若松市は浜通から一転して吹雪でマイナス2〜4℃。 ・2011年12月26日 翌日(12月26日)も朝から大雪。 車はスタッドレスに変更してきたものの、すごい雪で調査を一時懸念したが、昼前に会津若松市東山温泉地区を出発、喜多方市に向かう。 途中も吹雪はやまない。喜多方駅に到着。この辺で雪は少しゆるくなってきた。 吹雪の中、喜多方市を後に一般道で西会津に向かう。予想されたとおりこれが一番大変だった。雪で路面が見えない道路が続出した。 要所で測定。西会津に到着後、帰路は、危険なので一般道はやめ磐越高速道路を使用。現在、磐越高速道路の料金は無料だ。 ・2011年12月27日 3日目(12月27日)は会津若松市を南下し、南会津に向かう。 途中、下郷町あたりは路面が雪で覆われどこを走っているのかさえ分からない場所もあった。 南会津町を測定後、JR会津田島駅の2階で簡単な食事後、そのまま南会津町→日光市→那須塩原市→矢板市と栃木県を南下した。そして矢板ICで東北自動車道→北関東自動車道→高崎JCT→関越自動車道のルートで帰京した。 ●調査の目的 今回の調査目的は以下の4つである。 (1)過去4回(4月、6月、8月、10月)実施してきた 福島県南部地域及び茨城県北部地域における放射線量調査 <調査対象地域> 東京から千葉県内各所を移動測定、その後、茨城県北茨城市、 同市六角堂地区、福島県いわき市(勿来、岩間、小浜、小名浜、 中之作、江名、江名走出、豊間、薄磯、いわき市中心市街地で 固定測定、その後、前回同様、磐越自動車道で会津若松地区まで 移動測定。やはり郡山市の値が飛び抜けていた。 津波にさらわれた北茨城市六角堂の入り口にて 六角堂は現在修復中で、施設の入口は白い壁で覆われていた 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.25 日本有数の美しい海岸、いわき市豊間・薄磯海岸は臨海部の 住宅が壊滅し、土台だけとなっている 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.27 津波で高台の数件を残し集落が壊滅した福島県いわき市江名走出集落 今回で3回目の視察。住宅の瓦礫は撤去されたが、復旧作業はされてない 動画撮影:青山貞一 YashikaHD 2011.12.25 (2)放射性廃棄物に汚染された災害廃棄物による風上、直近、風下 における放射線量の測定 10月16日の調査同様、福島県いわき市薄磯海岸におかれた 災害廃棄物を対象にその風上、直近、風下1、風下2,風下3の 各所で放射線量を測定。きわめて重要な結果を得ることができた。 いわき市薄磯海岸におかれた災害廃棄物からの放射線量を 測定した。瓦礫から1mの場所で計測した値と、瓦礫の風上側で計測した 値は4倍以上違っていた 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.25 (3)会津若松地区全域の放射線量の測定 今まで会津若松市以外実施していなかった原発から130〜170km 西に離れた福島県西部地域の会津若松市、湯川村、喜多方市、 会津坂下町、西会津町、下郷町、南会津町などで豪雪、吹雪、 −3〜4℃の厳寒で固定及び移動による測定調査となった。おりしも 同地域は浜通とうってかわって大雪となった。 今回の調査対象地区となった会津若松地区 調査日の12月25日〜27日の会津若松地区は豪雪となり 測定に使った車は一晩でご覧の通り(会津若松市東山にて) 福島県会津若松地区北部の最北部、喜多方駅前にて 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.26 福島県西会津近くの阿賀川に架かる鉄橋にて 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.26 南会津のJR野沢駅 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.26 福島県南会津町役場前にて 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.27 西会津の東武会津田島駅 雪の鶴ヶ城(若松城、黒川城、会津若松城とも言われる) 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.26 福島県会津若松市 若松城にある茶室、麟閣にて 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.26 (4)会津若松地区から南の栃木県、群馬県、埼玉の放射線量の測定 日光市、那須塩原市、矢板市、栃木市、佐野市、足利市、 太田市、伊勢原市、高崎市、藤岡市、上里町、本庄町、東松山市、 嵐山町、坂戸町、鶴ヶ島市、川越市、狭山市、入間市、三芳町、 所沢市を移動測定。依然として、那須塩原地区の放射線量が高く、 多くのホットスポットが存在していたた。 栃木県塩原にて。南会津から塩原に向かう道路はこの通り雪で 路面が見えなく危なかった 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.27 南会津町から那須塩原市に向かう途中の風景。 雪で行く手が見えないほどだった! 動画撮影:青山貞一 YashikaHD 2011.12.27 現在実測値を整理中だが、何と那須塩原市内にホットスポットが多数あり、最高値は何と0.96マイクロシーベルト/時と、栃木県内としては非常に高い空間線量を測定。 以前、環境総合研究所の同僚、鷹取さんの知り合いが那須塩原におり、現地測定したとき、那須塩原はホットスポットがあると報告していたが、まさにその通りだ。 自動車で走行中の測定なので、歩きながらきめ細かく測定すると1マイクロシーベルト/時を超過する地区もあるかも知れません。 ちなみに南会津町は0.04〜0.07マイクロシーベルト/時程度なので、驚きである。 那須塩原には0.8マイクロシーベルト/hなどの ホットスポットがたくさんあった 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.27 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.12.27 栃木県矢板市の道の駅矢板にて 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.27 ●現地調査結果 測定データは現在整理中である。近日中に公表する。 詳細データ公表ページへ |