|
|
■大量生産、大量廃棄のパソコン ところで、本題の「中古と言う名のリーズナブルな新品パソコン」だが、パソコンほど新進月歩ならぬ秒進分歩のIT機器はないだろう。 毎年毎年膨大な数のハードウェアの新製品が内外のメーカー各社から出され、またWindowsなどのOSの新製品が出るたびに、量販店や秋葉のショップは活気づく。しかし、これは言うまでもなく、大量生産、大量廃棄の典型でもある。 また、このパソコン分野でも日本の大メーカーの製品は「ガラパゴス化」の道をたどってきたといえる。 実用上、機能上それほど必要ないものをたくさんつけることで、また見かけを華々しくすることで、未だに1台、販売価格で15万円とか20万円もする機種がたくさん出回っている。しかも、一年もたたないうちに、それらの新製品は商店から消え去るのである。 私はと言えば、科学技術計算やデータ計測などでもパソコンを多用する本業の環境総合研究所を別にしても、自宅(常時5台前後)、大学(研究室、学生用研究室を含め20台近く使っている)でも多くのパソコンを使っている。 そして、できるだけゴミにしないように、パソコンをいろいろ手を加え、改造し、またメンテナンスしながら5年から8年は使っているが、いくらリユース(再使用)、リペアー(修理して使う)、リサイクルしても、最後は大量生産、大量廃棄の波にさらわれることになる。 とはいえ、最近では自分が使うデスクトップは最新のWindows 7マシンでも本体価格で5万円前後のものを使っている。到底、10万円、20万円のものは使わない。 本体価格で5万円前後のパソコン、もちろん新品で処理速度などは十分すぎるのである。その意味で、上記の大メーカーが次々に出す高額のパソコンを一体誰が買うのかと疑問に感ずる。 ■中古と言う名の新品パソコン 昨日、ノートパソコンを買いに秋葉原(以下、秋葉あるいはアキバ)にでかけた。 デスクトップと違い、ノートパソコンは液晶モニターが一体となっているので、モバイルタイプを除くと、馬鹿高い大手メーカー以外の中小ベンチャーやアジア諸国のメーカー製でも、新品だと5万円前後というわけにはゆかない。 だが、秋葉に行くと、中古と言う名で大メーカーが一年前に最新もモデルとして売り出した機種が、トンデモ価格で多数出回っていることがある。 もちろん、この新古製品と呼ばれるパソコンには、それこそピンからキリまであるが、それなりのパソコン機器を評価する目をもっていると、思わぬ掘りだし物を入手できる。そして、この種の製品は店で実際に動かし、動作を確認することが大前提である。したがって、これらの掘り出し物を手にするには、通常、通販では無理である。秋葉に実際に行き、手にとって確かめることが不可欠である。単に安いからと言って買ってみたら、その実、まさにトンデモな物であることも少なくないからだ。 しかも、この種の製品は保証期間が1週間とか長くても1カ月であることが多い。。 この種の新古製品の販売店は、下の図の点線の楕円のなかに星の数ほど存在している。いわゆる外神田地区である。秋葉原駅から歩いてわずか5〜10分の範囲にある。 掘り出し物に出会える秋葉の外神田地区 ■ポイントは新OSや新製品が出た一年の間 昨日私が買ったノートパソコンは、ノートパソコンで国内随一(?)の某大メーカーが約一年前に新製品として出したWindows Vistaマシンを販売店がおそらくただ同然で買い取り、OSをダウングレード、Windows VistaからWindows XPにダウングレードしたものだ。 Vistaマシンは、やたらメインメモリーを食い、画面上の操作も分かりにくい。 Vistaは、何かとユーザーに評判が悪いのだ。 逆説的に考えると、メーカー各社とも、売れ残った膨大な数のマシンをWindowsのOS原価程度の超廉価で裏ルートで流しているはずである。もちろん、間違ってVistaマシンを買ってしまった企業や個人が、自分でXPなりWindows 7にOSを入れ替えることなく、数か月で中古ショップにただ同然で売り飛ばしたものもあるのだろう。 いずれにせよ、この種の製品は、秋葉では中古とされてているが、実際は見たところでも、触って動かした感じでも、新品か新品同然である。 そんなことで、昨日私が買ったノートパソコンは、Vista用にあらかじめ某大メーカーがメインメモリーを2GB搭載させているマシンをショップ側がWindows XPにダウングレードしていたことに加え、このマシンで使っているCPUがCeleronのCore2タイプを出したときのシングルコアのCPUだったので、演算速度も結構ずばぬけて早かった。 モバイルではないので、CD/DVDドライブもあり、無線LANも標準で装備されている。しかも液晶は15.4インチと大型であり、机上で使うには云う事なしのマシンである。 ■1〜3年前の機種なら1/5から1/10の価格で買える 肝心な店頭価格だが、何と税込みで3万円を切っていた! ちなみに新製品販売時の価格は最低でも店頭で15万円以上していたマシンだ。 もちろん、OSなどを変更しているので同じ物はないのだが、2GBの主記憶容量と高速のCPUのどうみても新品そのもののマシンが3万円以下なのである! 何も私が買ったマシンが特別にリーズナブルと言うわけではない。 時間をかけ上の地図の点線内をまめに歩いて探せば、ぞろぞろ、ぞくぞくその種のマシンが出てくる。ただし、一日後、一週間後に同じ店に行ってもすでに誰かに買われている可能性大である。 ちなみに、中古という名の超リーズナブルなマシンは、Windows XPマシンに多いが、Windows Vistaマシンや今をときめくWindows 7マシンもある。また、液晶にごくわずかなシミがあったり、外観にごくすこしのキズがあるマシンも同様に新品価格の1/7程度で売られている。 まして本当の中古は新品価格の1/10以下で売られている。 たとえばWindows XPのノートパソコンは、メモリーが512MB、インテルのCPU、マルチドライブ、10〜15インチ液晶モニター付きで1万5千円から2万円でたくさん売られている。 当然、主記憶のメモリーを外神田界隈の店で買えば、簡単に1GBから2GBさらに32ビットマシンなら4GBまで増設可能だ。この界隈では、1GB当たり2500円程度で売られているから、自分で増設すれば、512MBのマシンを簡単に1GB〜2GBマシンとさせることができる。 ※価格COMにある主記憶価格 一般人が普通にノートパソコンを使うのなら、これで十分だろう。 昨日買ったノートパソコンは、私が6年前に買ったノート(同じメーカー)の1/20の価格である。6年前に買ったノートパソコンは今も玄できで使っているが、当然のことながら昨日買ったノートパソコンの方が速度、主記憶容量、HDD容量などでいずれも格段に上である。 誰でも可能かどうか分からないが、自分で実務的に評価する目を持てば、この種の中古と言う名の超リーズナブルな新品パソコンを秋葉で見つけることができる。大量生産、大量消費、大量廃棄社会を逆手にとって、お金を有効に使う術も大切である! |