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■「脳梗塞」状態の金融資本主義 だが、ひとたび金融資本主義諸国、それもグローバルネットワーク化した諸国で肝心要の金融システムが危機に陥ったり崩壊すれば、人体に血液が回らないたとえのとおり国家そのものが沈没する可能性が高い。 死なないまでも脳梗塞のように、対応次第では甚大な後遺症が起こり、膨大なリハビリのための時間と金がかかる。 しかし、本当にリハビリ程度で再度復帰できるのであろうか? グローバル化した金融資本主義は、かつての帝国主義の新手の携帯であることは間違いないところだ。となると米国や英国のように強大な軍事力をもとに他国を侵略し、資源エネルギーを収奪することもあるかもしれない。 これでは物理的にも世界の終わりだ。 ■バブリーな金融資本主義の終焉 ところで、反米左派の旗手となっているベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、次のような談話を出している。すなわち米国は金融危機で社会主義となると。
確かに、現在、米国、英国、欧州諸国で現在、連日起きていることは、銀行、投資銀行などの国有化である。 チャベス大統領的に言えば、確かに金融資本主義諸国の基幹産業である銀行、投資銀行などの金融や保険会社を国有化するなら、それは社会主義化であると言える。 チャベス大統領は、G7諸国をオッチョクって言っているのだろうか、冗談ではなく、市場原理主義の最右翼、米国が真っ先に経済・金融分野であるとは言え、社会主義国家となりりつつあるのは滑稽である。 ロシア、ブラジル、インドなどの非同盟諸国、BRICKS諸国や中南米の反米左派諸国からすれば、米英を中心とした金融資本主義国々のシステム崩壊は、まさに自業自得であると思っているだろう。 もちろん、中国やスカンジナビア諸国など非同盟であっても影響はかなりのものでらうと推察できる。 しかし、それらの諸国は、これを機にバブリーな金融資本主義諸国との間に、一定の距離、さらなる距離を置くことを真剣に模索するだろう。 中国はその筆頭である。 よく考えてみれば、2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービルが破壊されたとき、ビンラディンらはセンタービルを指してそれを米国の金融資本主義の象徴と述べた。当然、テロは容認できないが、この世界を揺るがした事件は、バブリーなそして過渡な金融資本主義への一大警告であったのだろう! 今考えれば、結果的に途上国や石油や天然ガスなどの資源エネルギーをもつ国からの収奪と博打的な金融資本主義は、このときレッドカードを突きつけられたのかも知れない。 いずれにせよ、バブリーな米国型の金融資本主義は、日本が手を貸さなければ終焉を迎える。数100兆円かけた豪勢なパーティーは終わるのである! ■新たな経済システムの構築は可能か? その次にどんな経済システムが来るかは定かではない。しかし、今回の危機は、G7はじめ世界各国の国民に、自由放任的な市場原理主義、そして金融資本主義がいかなるものかを教えてくれるだろう。 ノーテンキで辛抱強い日本人も、何でもかんでも米国に隷属する日本政府や傲慢な実質独裁政権に対して、目を覚ました方がよいだろう! |