NY原油が大幅続落、一時80ドル割る 【ニューヨーク=池松洋】 |
確かに2006年の7月から2008年(今年)の7月までのWTI先物原油価格の推移を見ると、以下の図1にあるように、1バーレル当たり80ドルは、2007年10月頃の価格水準である。
図1 WTI原油スポット価格のここ2年間の推移
出典:米国政府公式エネルギー統計
以下のグラフを見ると、さらにわかりやすい。2007年の10月は赤いグラフのOCT、すなわち10月の水準である。
図1−2 WTI原油スポット価格の年度比較
出典:米国政府公式エネルギー統計
実際のWTI先物原油の価格変化は以下の通り。右端が2008年9月30日である。
ほぼ同時期のガソリン価格は以下。ただし、米国の場合は1リットルではなく、1ガロン当たりの米ドルである。1ガロンは約3.8リットルである。それで計算すると1リットル当たりの無鉛ガソリンのスポット価格は現在58円となる。ただし1ドルを110円として計算している。
となれば、暫定税率などで馬鹿高い日本のガソリンとはいえ、2007年10月時点の1リットル当たりの小売価格は145円から150円であったから、この程度になってよいはずだ。円高メリットもあるはずだ。ちなみに2007年の4月から6月の日本の小売価格の平均は135円であった。
現在の小売価格はどうだろうか?
ガソリン価格比較サイトの調査によれば、2008年10月10日時点での全国都道府県ガソリンスタンドの1リットル当たりの平均価格は、栃木県の154円がもっとも低く、長崎県が163.8円と最も高い。都道府県によって10円の開きがあることが分かった。
いずれにせよ、WTI価格が上昇すると、すぐにガソリン価格を値上げするのに、下落してもかなり時間がたたないと販売価格を下げないスタンドが多いのは、いかがなものか?
また長崎県、大分県、高知県など九州、四国勢は相対的にいつも高額であるのもいかがなものであろうか?
都道府県別レギュラーガソリン1リットルの平均価格
調査日:2008年10月10日の直近7日間
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