|
|
さて、一通り妻と茶道会館内を散歩した後、池田さんの茶会が開催されている「立礼席」に向かいました。 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 「立礼席」前には、席に入るお客様が大勢待っていました。千利休で始まった日本の茶の湯ですが、ご覧のようにこのブログに掲載しました写真には男性はゼロです。写真以外に茶会においても全体の一割も男性はいませんでした。 これは今年だけのことではなく、毎年同じです。もちろん、他の場所に男性はいましたが、全体からみると1割もいません。
日本の歴史、文化、作法、礼節などを学ぶのが茶の湯であり、茶会であるとするなら、日本の男性は、文化の日は単なる休日、骨休みの日にすぎず、到底、日本の歴史、文化、礼節など無縁なでしょうか。 その結果かどうか分かりませんが、今の日本、とりわけ男性社会には礼節などほとんど感じることはできません。まして茶の湯のエッセンスとも言えるおもてなsi のこころなど、ほとんど感じることができないのは、日本人全体の「はじ」かも知れません! 古来日本や東アジアには、東洋的無為自然という自然哲学があります。今の平易な言い方をすれば人間と自然との共生です。換言すれば人間は自然の一部であるという謙虚さです。 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 しかし、ひとたびしゃにむに近代化、工業化に走った日本は、すべてその東洋的無為自然をかなぐり捨て、鉄とコンクリートに象徴される技術経済国家に塗り替えられてしまいました。 いわば、その経済至上主義、技術万能主義の果てに起きたのが福島第一原発事故だと思います。 その遠因には、おそらく日本の無粋な男社会、男社会国家にあるのではないかと、ふと感じます。こころのゆとりがない技術経済社会は、到底、持続可能な社会ではありえないからです。ひとつ間違えば、原発事故に限らず、国を揺るがす時限爆弾があちこちにあると言っても過言ではないでしょう。 茶道会館がある高田馬場と言えば、都の西北、早稲田大学の拠点地です。10年前まで青山は、早稲田大学の教育学部で環境問題の授業をもっていましたが、東京都市大学に着任したときにやめました。 そしてこの春、都市大を定年した後、早稲田学の理工学部と政治経済学部の学生を相手に「現代環境論」や「環境政策論」をお話ししていますが、日本では官僚や技術者がいつのまにか無謬性の「神様」となってしまい、国民の言うことを一切聞かない、聞いたふりをするだけとなったことが原発事故や甚大な環境公害事件の原因にあるという話を冒頭にしています。 豊臣秀吉の世界が滅亡したのも、千利休の助言、進言を聞かず、いつのまにか自分が「神様」となってしまったことに最大の原因があるのではないかと思います。 これは本当に残念というか、大げさに言えば、日本の将来にとってきわめてゆゆしきことであると思います。 私は一年の一度くらい、こういう日、時間がなければいけないと思い、また友人の池田さんが茶の湯の教授をしていたこともあって、どんなに忙しかろうと、欠かさず参加してきました。 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 私達は最初に水屋に行きました。 水屋は茶会の舞台裏です。そこで奮闘されている池田社中の皆さんを激励しました。 前回、前々回に比べると水屋が狭く、社中の方々が動き回るのが大変なようでしたがが、みなさんフル回転でがんばっていました。 茶会の水屋については、以前、以下の動画をつくっていますの、ご覧下さい! ◆日本歴史文化再発見 池田宗蹊社中「茶会の水屋」 撮影・編集・制作:青山貞一 池田宗蹊さんのお席(立礼席)の案内係は、池田社中のメンバーです。礼儀正しく、てきぱきと役割を果されていました。さすが池田さんのお弟子さんです。 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 「立礼席」での茶会は、いつもの正座タイプの茶会と違っていました。 たまには椅子に座るタイプも悪くはない、というかはっきり言ってすごく楽でした(笑い)。 社京都から取り寄せたお菓子、そしてお茶、いずれも大変結構でした。 私達のところには、以前、環境総合研究所で研究員をされていた荒井紀子さんがお茶をもってきてくれました。 また池田さんのおばさんにあたる山形美智子さんにもお会いすることができました。82歳の高齢とは思えない若さです。 終了後、茶会の参加者が茶器やお花、掛け軸などを近くで見るのが通例となっています。下の写真は茶会終了直後の写真です。 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 「立礼席」の席主で池田宗蹊社中を率いる池田こみちさん。 「立礼席」の席主で池田宗蹊社中を率いる池田こみちさん 撮影:青山貞一 Nikoc Coolpix S8 2012-11-03 つづく |