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この2009年11月5日、よりによってこの時期に、沖縄県の仲井真知事と神奈川県の松沢知事が、米国ワシントンDCに出かけ、普天間基地代替施設は名護市キャンプシュワブ沖(辺野古)に立地するしかないとワシントンにあるジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院で講演したという!! 仲井真知事は、ごく最近、普天間基地の県外移設を強く要望した直後に、一転してわざわざ米国まで出かけ代替施設は名護市キャンプシュワブ沖(辺野古)に立地するしかないと述べている。仲井真知事はもともと自公推薦で知事になった人物なので、まだしも松沢知事の挙動は理解しにくい。 さらに沖縄に次ぐ米軍基地県とはいえ、松沢神奈川県知事がよりによって「米軍再編は両国政府で結んだ約束だ。選挙のたびに政権が代わり、針路変更されては外交の継続性、安定した安全保障体制は築けない」と語り、普天間移設を巡り迷走する鳩山政権の姿勢を批判したというのだから驚きだ。 その松沢知事は講演後、記者団に「時間をかけるうちに沖縄の世論が県内移設反対となれば現行計画もつぶれ、移設は宙に浮く」と指摘。6日に予定される米政府高官との会談で、在日米軍再編計画の着実な実施を求める考えを明らかにしたという。
現在のV字滑走路案 出典:青山貞一:辺野古アセスを徹底検証 代替施設移設予定地の概要
下は神奈川県民の某ブログ。私が勤務する大学も神奈川県横浜市にあるが、こんなトンデモ人物が知事をしていることを恥ずかしく思う。 講演では、渉外知事会会長の発言としていたらしいが、記者からの質問に「渉外知事会としてオーソライズ(承認)したものではなく神奈川県知事としての見解だ」と訂正したという。 もし、県知事として普天間基地代替施設のキャンプシュワブ沖移設を肯定する発言なら、どうみても越権発言であろう。また往復旅費、滞在費などへの公費支出は住民監査請求、住民訴訟(第四号訴訟)の対象となっても仕方ない。 何で神奈川県知事がこの時期に、わざわざワシントンまでノコノコ出かけ、外交上重要な案件について、こんな勝手なことを言うのか? 周知のように、沖縄が日本復帰後、沖縄県には米軍基地がひとつも新たに作られていない。仲井真知事や松沢知事は、率先してそれを推している。仲井間知事については、背後にはやっぱり利権があるのかと邪推、勘ぐられても仕方ないだろう。一方、松沢知事がここまで出しゃばる目的は何だろうか?
そもそも松沢知事の前歴は民主党代議士である。 その松沢氏が、100年に一度と言われる日本における無血市民革命(=政権交代)の延長で、民主党の小沢一郎代表(当時)、鳩山由紀夫代表(当時)が記者会見などで言明してきた普天目基地の県外・海外移設について、わざわざこの時期に、米国にまで行き普天間基地代替施設は名護市キャンプシュワブ沖に立地するしかないとお節介を述べるのは信じられないことだ。 だが、よくみれば容易に分かるが、民主党代議士(大部分は衆議院議員)から首長に転じた政治家が、自民党代議士より右寄り、それも超がつく右より政治家で米国追随である。 たとえば、 1)上記の松沢成文神奈川県知事、 2)度重なる女性スキャンダルで被害者の女性から数1000万円の損害賠償を提訴され最近、市長自ら辞職した中田宏元横浜市長氏。中田氏もこと国旗国歌問題などには、一貫して他の政治家同様、○右となる。 3)杉並区議から東京都議に転出を計った女性が東京都議選で落選。その直後に大阪7区から自民党衆院議員として立候補した女性と不倫騒動を起こした山田宏杉並区長.。 4)今年の春、民主党代議士から名古屋市長に転出した河村たかし市長。市民レベルではいいことをしているが、こと外交、思想的な問題となると、勢い他の政治家同様、○右となる! 5)政権交代後、八ッ場ダム事業中止問題で口汚く民主党に噛み付いた上田清司埼玉県知事。上田知事も新しい歴史教科書を作る会(八木秀次会長)のメンバーとタッグを組み埼玉県教育委員会に新しい歴史教科書の導入を働きかけてきた。 上記5人は、いずれも民主党代議士から地方自治体の首長に転出した政治家だ。 彼らすべてに共通しているのは、目立ちがり屋で女性スキャンダルが多いことだけではない。自民党右派議員以上に右寄りの政治家なのである。彼らは教科書検定問題、北朝鮮問題、国旗国歌問題などで国家主義を超えたウヨであることだ。 もちろん、民主党にはかつて弁護士法違反で裁判中の西村慎吾代議士(現在は改革クラブ)や現役の代議士でも松原仁衆議院議員に代表される超がつくほど右寄りの代議士もいる(いた)。 さらに彼らの共通項としてあるのは、多くが松下政経塾を卒塾していることである。もっぱら、卒塾生には現役閣僚にも前原氏、原口氏の2名がいる。 逆説すれば、上記の民主党代議士から首長転出組は、民主党の小沢一郎など主流派が同じ保守政治家でも、米国盲従、追随でなく、とくに小沢氏が是々非々の対応をしてきたことへの不満をもち、かといって民主党の外交、防衛政策に大きな影響を与えるほどの力もなく、民主党の外にでていったと言える。 本連載では、これら民主党代議士から首長に転じた「危ない」面々について論じてみたい。 つづく |