2009年度上半期(4〜9月)の法人税収は、世界同時不況の影響で業績が悪化した企業への還付金が税収を上回り、1兆3075億円の“赤字”に陥ったことが2日、財務省のまとめで分かった。
上半期に法人税がマイナスになるのは、記録が残る1960年度以降初めて。給料の減少で所得税なども低迷しており、09年度の一般会計税収は30兆円台後半にまで落ち込む見通しだ。
上半期の一般会計税収は前年同期比24・4%減の10兆923億円にとどまった。法人税のマイナスに加え、所得税は14・7%減の5兆5472億円。消費税も7・0%減の2兆1958億円だった。
この結果、09年度の税収は1985年度以来の40兆円割れが確実視されており、政府は12月に、09年度の税収見通し46兆1000億円を大幅に下方修正する。同時に10年度の税収見込みも示すが、国際通貨基金(IMF)は10年の日本の経済成長を1・7%と予想しており、税収の大幅な回復は望めない状況だ。
法人税は、3月に決算期を設定する企業の多くが11月ごろに前期決算の実績に基づいて事前に納め、決算後に確定した税額との過不足額を調整する。昨秋のリーマン・ショック後の急激な景気の落ち込みで、企業の多くが事前に税を納め過ぎた形になっており、本年度に入って還付が相次いでいた。
【法人税の還付】 企業が納め過ぎた法人税を国が払い戻すこと。3月期決算企業の例では、前の年度に納めた法人税額の半分相当を11月ごろに「中間納付」として納める。その後、3月期決算が減益になるなどして、通期の法人税額が中間納付額を下回った場合には還付を受けることができる。