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米国発のトンデモ金融危機で世の中、えらく暗くなっているが、 すべてが悪いわけではない。 日本では政府もマスコミもアメリカ追随、そしてトヨタやソニー、パナソニックなど輸出産業のことばかり気にかけている。その結果、ひさびさに、すさまじい勢いで円高が進んでいることをマイナスにしか考えていない。 しかし、小学生でも分かるように、世の中、何もアメリカ追随で国債や株を買ったり、輸出企業、産業ばかりではない。 国民が海外に行くことを考えると、急伸する円高は、すべてプラスとなる。 たとえば、この2月のイタリアに1週間遠征したとき、1ユーロは170〜180円、ローマの空港にあった公式両替商では諸手数料込みとはいえ、1ユーロ200円近かった。これほどユーロ高は見たこと無かった。 過去1年間のユーロの推移 右側の軸が1ユーロに対する円 出典:Yomiuri Online それを思うと、今の円高はウソのよう。 簡単に言えば円はユーロに対し、この春より1.5倍価値を持っている。ドルは過去1年の推移を見ても、他の通貨と違った様相を見せている。 この春3月、1ドル97円まで円高となり、その後110円まで円が下がり、今日96円まで高騰している。下の図を見れば分かるが、この1年、米ドルに対し円は常に高かったが、同時にユーロ、カナダドルも価値がさがり、円独歩高の様相を見せてきている。 ... このように比較的緩慢に推移してきた米ドルもここにきて急伸している。 今年3月カリフォルニアに行ったときは1ドル110〜113円だった。現在、1ドル90円台半ばだが、おそらく今後は80円台に突入するのではないだろうか? 過去1年間の米ドルの推移 右側の軸が米1ドルに対する円 出典:Yomiuri Online さらにカナダ・ドルでも1ドル80円台前半から今日は70円台に突入した。 私たちの環境総合研究所では、1999年以来、カナダの化学物質分析機関と連携し、リーズナブルな費用で市民に化学物質の分析を提供してきた。 だが、ここ数年の円安で、リーズナブルな価格維持が難しかった。これでやっと一息つくこごができそうだ。 過去1年間のカナダ・ドルの推移 右側の軸がカナダ1ドルに対する円 出典:Yomiuri Online 今年は原油や穀物の暴騰、株価の歴史的暴落、さらに生活物質など私たちの生活は経済面でろくなことはなかったと言える。 私たち一般市民、国民にとってプラスといえば、やはり欧州、アジア、カナダなどに行きやすくなったことだろう。 私が何度も指摘しているように、原油は急激にさがっているのに、国土交通省の陰謀か、まだ航空機の燃料サーチャージが高騰したままとなっている。しかし、近々、昨年夏並みにはなるだろう。そうなれば、従来の10万円が現地では15万円の価値をもつことになる。 アジア諸国、たとえばお隣の韓国のウォンは、円に対し急激なウォン安となっている。下の図は過去1年間の韓国ウォンの価値の変化だが、昨年10月に比べ2倍の円高、すなわち昨年10月の10万円の日本円が、現在は20万円の価値として現地で使えることになる。実際、ソウルのホテル等を円で見ると約半額となっているのが分かる。 過去1年間の韓国・ウォンの推移 右側の軸がウォンに対する円 出典:Yomiuri Online 今年7月1バーレル当たり147ドルまで高騰した先物原油は、今日67−68ドルまで下がった。燃料サーチャージが10月から再度上げようとしているが、トンデモないことだ。 日米路線でANA、JALなどは往復で60000円以上のサーチャージをとっているが、現状では原油価格はサーチャージが往復20000〜30000円程度までさがって当然である。 いずれにせよ、世の中全部がトヨタじゃあるまいしって、ことを日本人は認識すべきだ!
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