本稿は、同名のブログを写真を拡充するなどリニューアルしたものです。
Visiting Nova Scotia Province East End Canada in Drifting Ice
 ハリファックスの有名な要塞（シタデル）の入り口  ハリファックス中心部。奥に港が見える。  ハリファックス→ペギー岬→モハネベイ→ルナバーグ の経路図。こんな地図をもとにでかけた！ 左端がルナバーグ。途中の大きな赤丸がペギー岬  ペギースコーブにて 青山、池田、広田  ペギースコーブの漁港  スイスエアー航空機墜落現場にある慰霊碑  モハネベイはあたり一面海が凍結していた。何とも寒々とした風景だ！  流氷との出会い！  モハネ・ベイの流氷の上で、まるでペンギンだ  モハネ・ベイの流氷の上で、ほとんどペンギン状態！  モハネ・ベイからルナバーグに行く途中。雪原の下は海  唯一のレストランでご満悦の広田さん  この日の目的地、世界遺産のルナバーグ  世界遺産ルナバーグの有名な学校  カラフルな町並み  世界遺産ルナバーグの教会 |
2003年３月、カナダ東端のノバスコシア州ハリファックス市に廃棄物資源管理の現地調査を目的として青山貞一、池田こみち、広田次男(弁護士）の３人で出かけた。 日本からカナダのノバスコシア州への直行便はない。  今回は成田→デトロイト→モントリオール→ハリファックスと２度も乗り換えた。しかも行き、帰りとも吹雪のモントリオールで一泊したのでえらく大変だった。 航空チケットのコストと所要時間を天秤にかけると、エアーカナダでトロントまで直行便で行き、トロントからエアーカナダの廉価便、タンゴ(Tango)かジャズ(Jazz)、さらにキャンジェット(Canjet)でハリファックスに入ると良いだろう。 米国系の航空便は超廉価だが、いずれも米国内のハブ空港に立ち寄るのでどうしても３時間ほど余計にかかる。エアーカナダだとトロント、モントリオール、オタワへの直行便があるので便利だが、ハリファックスとの連携はトロントが一番良いだろう。 出かける前、東京からホームページで現地の外気温を調べてびっくり。 ハリファックスの現地は連日、ー１０度からー２０度、時にはー３０度とある。南極、北極ではあるまいし。まるで極地並の厳寒である。 ２００３年３月４日に成田を発ち、米国のデトロイト、カナダのモントリオールを経由し、まる２日かけやっと州都のハリファックスにたどり着くことができた。東京から最も遠い北アメリカの大都市、ハリファックスだ。 途中、イラク攻撃で臨戦体勢、厳戒状態の米国を経由してカナダ東部に入った。 現地調査先のノバスコシア州では、州全体（約１００万人）の廃棄物の排出抑制をもとに「脱焼却」を実現している。 もっか「脱焼却」から「脱埋立て」に向け、行政と市民、企業が一丸となって政策の実現に邁進していた。現地調査結果は別途報告するとし、ここでは３人で敢行した流氷の旅を記す。 ノバスコシア州は何しろ広いのだ。 空港からハリファックス中心街まで実に40kmもある。 州政府の担当者、バリーさんから「空港でレンタカーを借りて来て下さい」といわれていた。 事実、ダウンタウン行きのリムジン、バスはどうみても１時間に１本あるかないかだ。池田さんが取得していた国際免許で車を空港にあるAVISで借りた。  レンタカーオフィス 現地調査が一段落した休日、到着時ハリファックス空港で調達したレンタカーでハリファックスのダウンタウンからペギー岬（Peggy Cove）、モハネ湾（Mohane Bay）、それに世界遺産ルネンバーグ（Lunenburg)まで半日の旅をした。  泊まったホテル、ホリデーイン この度ではまるで北極にいる感じを味わうことができた。 ところでノバスコシア(Nova Scotia)の言われは、ニューヨークが新たなヨークであるのと同じように、新たなスコットランド(New Scotland)を意味すると言う。 その名の通りスコットランドの風景、とくに冬風景がノバスコシアの大きな特徴となっている。 なにしろ厳寒、レンタカーで無事たどり着けるかどうか少々心配だ。不安を感じながら宿泊先のハリファックス中心街のホリデー・インを後にした。 ハリファックス国際空港から市内中心部へのリムジンもあることはあるが、お薦めは国際免許を日本で取得し、空港でＡＶＩＳかＨＥＲＴＺのレンタカーを借りることだ。 レンタ料金もガソリンも安く、道案内も非常にしっかりしている。左ハンドル（右側通行）問題はあるが、市内だけでなくノバスコシア各地に行くとなるとますますレンタカーが必要となる。 なお、モントリオールからハリファックスへ鉄道がある。およそ一日かかるが、車窓の風景を楽しみたい向きにはお薦めである。ただし、季節によってまた一等の場合航空機より高額になることもある。 ハリファックスのダウンタウンからレンタカーで約１時間、海岸線の一般道を走りつづける。幸いこの日は、雨も雪もない。 ペギー岬に到着した。寒々とした漁村だ。真冬の大西洋から打ち寄せる波、凍てついた岩肌に降り注ぐ雪、まるで北極基地にいるような光景が眼前に展開する。 ペギー岬には灯台がある。アメリカのセントローレンス大学化学部のポールコネット教授がつくったノバスコシアの廃棄物ゼロエミッションのＶＴＲにも、教授が灯台を背景に写っている部分がある。回りを海で囲まれているノバスコシアに数ある灯台のなかで、もっとも市民に親しまれているのだろう。 ペギー岬のレストハウスで一服し、次の目的地マホネ湾に向かう。途中、スイスエアー機が落下したという場所に立ち寄った。１９９８年９月２日、２２９人の尊い命が一瞬にして亡くなっている。  ペギー岬には灯台がある  まるで南極基地 私自身、１ヶ月前、ウィーンに行くとき、そのスイスエアを使っていたこともあり、何か複雑な気持ちだ。この辺一帯は、環境保全地域で慰霊碑までの道以外はいっさい踏み入れてはならないという州政府環境局の告示板がある。 何しろカナダという国は州を問わず本気で環境問題に取り組んでいる様子がそそかしこで感じられる。ちなみに青山は、過去４回足を運んでいるが、ブリテッシュコロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州と次第に東側の州を訪問していたが、今回は最も東の州に足を踏み入れたことになる。 スイスエアーの慰霊塔から約２０分行った海沿いで流氷と出くわした。車を降り「流氷見物」。池田こみちさんが流氷に乗りたいと言いだした。 写真の通り流氷に乗ってしまった。池田さん曰く、「ペンギンになった気分」。 確かに写真で見るとペンギンぽい。 ノバスコシア州はニューファウンド島やさらにグリーンランドも近いからか、流氷がこんなに身近に見れ、３人感激！ この辺の海辺では鯨がよく見えるとのことだ。ハリファックス市の臨海部にあるノバスコシア州のオフィスの窓からでさえ、湾内を泳ぐ鯨をみることができると言う。 この海のはるか沖で、何とあのタイタニックが沈没したという。確かタイタニック号は氷山に接触し沈没したとされている。
さらに３０分ほど車を飛ばし第二の目的地マホネ湾に行く途中で昼の食事。 ノバスコシア一帯は世界有数の漁場。ハリファックスはその中心漁港である。州内いたるところに漁港があり豊富な魚介類が毎日水揚げされる。 なかでも有名なのはロブスター（日本の伊勢エビに似たオマールエビ）だ。今回の視察の帰り、ハリファックス国際空港のおみやげやさんで見たら、何とその生きたロブスターが一尾１０００円で売られていた。 マホネので唯一と思われるレストランに入る。店で一番「豪華」とおぼしき魚介の盛り合わせを注文する。日本円で１０００円。 エビ、ハドック（白身魚）、ホタテ、アサリのフライにフライドポテトやパンが付いてくる。ものすごく新鮮で量が多くおいしい。池田さんが東京から持参した醤油とポン酢で食べる。 食事後、マホネベイ周辺を見て最終目的地の世界遺産、ルネンバーグに入る。 この間３０分。ルネンバーグは漁港を中心とした小さなキュートな町である。 赤色の漁師博物館を中心に小高い丘の上までのスロープ沿いに実にかわいらしい歴史的な建築物がところ狭しと建ち並んでいる。 １時間ほどルネンバーグを視察する。幸い好天に恵まれマイナス１０数度の外気温ほどには体感温度は寒くない。 ハリファックス市への帰途は、高速道路(無料）を使って１時間ちょっとでハリファックス空港に到着した。日本から10,000kmもあるものの、比較的安心して極北の地が身近に堪能できるのがカナダのノバスコシア州である。 なお、ハリファックスの三ツ星以上のホテルは、いずれも朝食なしで１００００円〜１５０００円である。ＥＵ諸国のように朝食は含まれていない。予約は日本から直接可能であるが、若干高くなるが代理店経由でも可能である。 レンタカーを空港で借りる場合には、郊外の廉価で環境の良いホテルがお薦めである。値段も６０００円から８０００円である。やはり朝食はなしである。 食事だが、ノバスコシアでは何と言っても魚介を食べるべきだ。とくにオマールエビ（現地ではこれをロブスターと言っている）が一尾丸ごとでも安い。日本からポン酢、醤油などを持って行けばさらに廉価に食べれる。その他魚介のフライはバカ安くおいしい。 |
世界遺産、ルナバーグの凍結する漁港を背景に
池田、青山、広田。何しろ寒かった！
Lunenburg Nova Scotia Province Canada
ノバスコシア州全図。