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先に述べたように、社団法人日本広告審査機構(通称、JARO)は、東京電力など電力会社でつくる電気事業連合会(通称、電事連)が雑誌に掲載した広告に関連し、原発がCO2を出さないというだけで「クリーン」であるという表現は適切ではない、という裁定を電事連に出した。これが波紋を広げている。 ※正確に言えば原発がCO2を出さないというのは間違い。 石炭火力や石油火力に比べれば稼働時に少ないという だけであり、建設時さらに供用時にもCO2は排出される。 原発があたかも地球温暖化対策の切り札のように日本 や欧米諸国で喧伝されている現状は非常に憂慮すべき ことである。筆者 ●相次ぐトラブル 巨大な費用をかけ青森県六ヶ所村に建設を進め現在、試運転を行っている核燃料再処理工場だが、相次ぐトラブルが起きている。 最新の情報として、事業主体である日本原燃は、この1月22日、高レベル廃液ガラス固化建屋で、配管から高レベル放射性廃液が漏れるトラブルがあった―と発表した。 ◆六ヶ所再処理工場内で高レベル廃液が再漏洩:日本原燃が公表 漏れた場所は、セル(コンクリートで密閉した部屋)内で、外部への放射能漏れなどはないという。原燃は約20リットルの廃液を回収し、漏れた量に相当するかどうか確認している。原燃によれば、配管を閉じている金具部分から廃液が滴っているのを発見。遠隔操作で金具のボルトを締め直したところ、漏れは止まったというから、お粗末そのもの。 ◆漏洩箇所図 ●六ヶ所村再処理工場の位置 ◆青山貞一:衛星から見た青森県六ヶ所村の核廃棄物再処理工場 今回のトラブルにおける最大の問題は、この再処理工場の高レベルガラス固化体建屋において大量の高レベル廃液が漏えいしていることである。漏洩は全体で約21リットル、160億ベクレルであると報じられている。 今回の高レベル廃液の漏洩事故により、青森県六ヶ所で進められている再処理工場の操業開始は以下のNHKの報道にあるように、2009年8月に延期される模様だが、この8月操業再開には何ら技術的な裏付けや根拠がある訳ではなく、再開時期は不透明である。 いずれにせよ、巨額の資金と時間をかけ強引に青森県六カ所村に建設し、反対を押し切って試運転している核燃料再処理工場が、高レベル現役の漏洩など相次ぐトラブルを起こしているにも関わらず、「原発はクリーン」とは大いに呆れる。
なお、この六ヶ所村の再処理工場の建設費は、当初7600億円とされたが、2001年時点ですでに2兆2千億円に膨らんでいる。これら建設費に加え、今後は施設修繕費・人件費等の運転費用、各種事故トラブル対策費用、施設の解体・撤去費用、発生する超ウラン廃棄物の処理費用などが必要になる。 電事連はそれらを含めた計画総額は10兆円以上にのぼると2002年に試算しているという。問題は、これらの費用の大部分は電気料金として国民、消費者が負担するはめになる。 出典:http://cnic.jp/rokkasho/what/index.html にもかかわらず、電事連はじめ東京電力などの電気事業者が一大スポンサーとして広告を出稿していることもあり、大マスコミは原発や再処理工場関連の事故に、「黙してて語らず」を決め込んでいるようだ。 |