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鳩山政権各大臣の
統治能力をチェック!!
@長妻厚労大臣

青山貞一
 

20 Nov. 2009
独立系メディア「今日のコラム」

 2009年8月30日投開票の衆議院議員選挙で民主党が308議席を獲得し、政権交代が実現して早2ヶ月を経過した。

 政権奪取後、民主党は理念としての「コンクリートから人へ」そして「新たな公共」、政治手法としての「脱官僚」主義、「政治主導」を掲げ新政権を運用してきた。

 しかし、民主党政権、とくに大臣がしていることつぶさにチェックしてみると、重荷を負いすぎて立ち往生している大臣、官僚に取り囲まれ存在感が全くない大臣、そもそもミスキャストな大臣、またそもそも当該分野の専門能力がない大臣など、総じて国民の期待に応えてない大臣が多い。

 日刊ゲンダイの2009年11月20日号は、一面から二面にかけ「政権交代からはや2カ月 鳩山政権の各大臣の能力を採点する」という特集を設け、各大臣の能力を評価、採点している。

 ここでは日刊ゲンダイの記事をもとに筆者の意見や巷の意見を加味し、主要大臣ひとりひとりの能力、実績をチェックしてみたい!

政権交代からはや2カ月 鳩山政権の各大臣の能力を採点する
日刊ゲンダイ 2009.11.19

 コンクリートから人へ。無駄な予算が大胆に削られ、その分が失業、貧困、少子化、中小企業対策に回れば、少しは暮らしがよくなる。

 そんな期待が大きかったのに、鳩山政権はチマチマと予算を削るだけで、その先が見えてこない。

 歴史的な政権交代から2カ月。多少の混乱、試行錯誤は許すとしても、そろそろ結果を出さなければ有権者の気持ちは離れてしまう。

 政権内でよく働いている大臣は誰で、足を引っ張っているのは誰なのか。さまざまな角度からチェックした結果、失望組はミスター年金の長妻厚労相、大胆な予算の組み替えに踏み込めない仙谷行政刷新相、政権のスポークスマン役をこなせていない平野官房長官。

 良くやっているのは、前原、亀井、岡田の3閣僚だけ。残りは、どうでもいい大臣ばかり……。

●機能不全の失望組 長妻厚生労働大臣
 

出典:Wikipedia

 ミスター年金として野党時代、国民の最も期待を一手に集めた長妻厚生労働大臣だが、蓋を開けてみると次第に精彩がなくなり、今では機能不全に陥っているようだ。

 ある厚労省の官僚には「荒涼賞の仕事は95%が止まっている。動いているのは大臣が把握できる5%にすぎない」などと言われている。

 事実、長妻大臣は年金問題のスペシャリストではあっても数ある省庁の中で最もも守備範囲が広い厚生労働省において年金問題は数ある業務対象の一部に過ぎない。厚労相は年金、医療、労働、雇用はじめ重要かつ予算が巨額な仕事が目白押しである。

 そもそも厚労省のもととなる厚生省は、旧内務省、自治省、建設省など旧内務省系は「上から目線」、「官治体質」の本拠地で、官僚中の官僚、無謬性も強く、悪い意味で強者だらけ、大臣を手玉にとるなど朝飯前の官僚だらけだ。情報開示にも不熱心で保身も強い。まさに「寄らしむべし知らしむべからず」の牙城とも言える役所だ。

 ところである厚労省の番記者は「長妻大臣は、時に資料を手に3、4時間大臣室に閉じこもり、ようやくでてきたと思ったら、疲れているのか、番記者の相手もせず帰ってしまう」と述べている。

 実施、亀井大臣、岡田大臣らが率先して「脱記者クラブ」ないしそれに類することをしているのに、厚労省は情報公開にきわめて後ろ向きだ。かの菅直人副総理が厚生大臣だったときのHIV問題に象徴されるように何でも隠したがる。

 もともと大臣が実務の隅々まで首を突っ込みすぎることは危ない。大臣はさらに政務三役はじめ省庁幹部ら部下を使いこなすこと、一番重要なことはまともな政治判断ができればよい。しかし、今や長妻大臣は官僚がほくそ笑む展開になっているようだ。

 そもそも、メディアへの露出も極めて少ない。しかも会見の多くは言い訳が多い。聞いていても痛々しいものが多いのである。

 最大の理由は、上述のように厚労省の間口、守備範囲がひろいことだが、長妻大臣の性格がなんでもかんでも自分で背負いこみ、機能不全となっている。

 生真面目、几帳面な性格はどうしようもないものだろう。しかし、やはり大臣は指揮をとり、明確、明快な政治判断をすることに大きな役割があり、自分で一心に分析したり、実務に深く首を突っ込む過ぎると大局的な判断ができず、多くの官僚が結果的に喜ぶことになり、国民の不幸は増す。

 政策、施策との関連での具体的な課題としては、廃止するはずだった後期高齢者医療制度は先送り。社会保険庁で懲戒処分となった職員を非常勤で再雇用する方針を言明している。

 長妻大臣は野党時代、役人もハローワークへ行けと勇ましかったが、懲戒処分者の再雇用を許し、官民人材交流センターが就職の斡旋までする。到底、かつての長妻昭とは思えない。その背後には、厚労官僚の振り付けが見え隠れする。

 そんなこんなで、長妻大臣は、ミスター年金どころか「ミスター検討中」なんて揶揄されているそうだ。

 さらに野党時代、政権を奪取したらすぐにやるはずだった生活保護政体への母子加算復活の雲行きも怪しくなってきている。しかもこのための予算はわずか60億円。この調子だと最低でも2兆7千万円かかる子供手当の先行きも不安である。

 長妻厚労大臣は19日の参院厚労委員会で「所得制限なしの方向で努力する」と答弁したものの、すでに所得制限の話しも出ている。いずれにせよ野党時代の意気込み、勇猛果敢さは今いずこ、精細を欠く長妻大臣を見ていると非常に不安になってくる。

子ども手当とは
 民主党は先の衆院選マニフェスト(政権公約)の中で「『子ども手当』は、子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)を中学卒業まで支給」と打ち出した。出産一時金の55万円への増額、公立高校生の授業料無償化、私立高校生への年額12万円(低所得世帯には24万円)助成、大学生・専門学校生の希望者全員への奨学金創設なども加え、「中・低所得者に有利」な現金給付方式による手厚い手当て。合計所要額は最低で2兆7千万円、最大6.4兆円程度。

 長妻氏を大臣にするなら亀井大臣のように「年金担当」大臣とするか、最低限、厚生省と労働省を分離し、厚生大臣とすべきであったのだ。

 いずれにせよ、体力的にも精神的にも限界が来るのが目に見えているし、これ以上政策、施策の先送り、機能麻痺、機能不全は国民のためにならない。

 あるブログに以下があった。

長妻大臣・苦戦か!

 年金問題であれだけ激しく攻め込んだ長妻氏だが、いざ大臣ともなれば大苦戦中と言うところだ。民主党の目玉政策の「子育て支援・子ども手当て支給問題」では、慎重な発言が続いている。

 厚生労働省の官僚にとって、不倶戴天の仇に乗り込まれては、素直の指示に従う気には為れる筈も無く。幾つもの落とし穴や、爆弾がが仕掛けられ、大臣の失脚を狙うのは当然の動きでしょう。

 故に、慎重にも慎重な発言で、一歩一歩探りながら、焦らず急がず省内の掌握に努めているのでしょう。生真面目な性格だけに、派手なパフォーマンスが出来ない人柄は、それが苦戦と映るのでしょう。

 一つ気に為るのが、副大臣細川氏・長浜氏。政務官山井氏・足立氏が一向に前面に出ないで、長妻大臣だけがマスコミの矢面に立っている事です。若手の山井氏にスポークマンを任せたらいかがかと思います。

 全てを、大臣が責任を執るのではなく、責任分担を分ける事もトップの腕の見せ所ではと考えるのですが、長妻大臣の立場では難しいのかも知れません。しかし、此の侭では行き詰まってしまいます。

 来年度の予算編成が一段落したら、思い切った決断の時が来ると思います。大臣は念願の年金問題に集中して時間を割き、子ども手当てや失業者対策を副大臣に任せて見たら如何かと思います。

 官僚の反発を一点突破するには、年金問題の解決以外に道は無いのでは、ミスター年金と言われた鋭い感覚を生かして、攻めの政策を行う事が官僚たちを屈服させる唯一の方法では無いでしょうか!。

 攻めるに優る守備はありません。攻めて攻めて攻め抜く覚悟が必要なのです。   熱海の爺


 言い得て妙である。 国民の期待が大きかっただけに、今の長妻大臣を見るのは忍びない。

 今後を考えると上のブログにもあるように、攻撃が最大の防御、すなわち

 「官僚の反発を一点突破するには、年金問題の解決以外に道は無いのでは、ミスター年金と言われた鋭い感覚を生かして、攻めの政策を行う事が官僚たちを屈服させる唯一の方法では無いでしょうか! 攻めるに優る守備はありません。攻めて攻めて攻め抜く覚悟が必要なの」

である。