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普天間基地代替施設問題で大マスコミや石破議員は、連日普天間基地周辺に市街地があり、一刻もその危険性を除去しなければと、ことさら声高に叫んでいる。 当然のこととして普天間基地周辺の市街地、民家が危険にさらされているのは事実だが、2009年8月30日の政権交代以前に、大マスコミがこの普天間基地問題にどれだけ関心を払い報道してきたかと言えば、沖縄タイムズと琉球新報を除き、ほとんど記事にしてこなかった。これは全国ネットのテレビ局も同様である。 この構造って何かに似ていないか? そう八ッ場ダム問題とそっくりである。8月30日まで、大メディアはほとんど何も報道してこなかった八ッ場ダム事業だが、政権交代後2ヶ月、大メディアは長野原町の自称地域住民(その実、自民ないし自民系町議)らの言い分を囂しくこれでもかと報道してきた。 私は環境総合研究所の別荘が北軽井沢にあることもあり、今年の8月30日以前に16回現地に行きその都度、最新の現地写真を含めた論考を本独立系メディアに掲載してきた。 だが、8月30日以前の段階でそのブログや報告を見て取材やインタビューを申し込んできた大マスコミはゼロだった。 ところが8月30日以降、テレビ、新聞の取材が沢山きたのである。 事々左様に、日本の大メディアは具体的な問題、課題が起きるまでは、まったく足を使った取材をしない、記事も書かないのである。それが、一旦、課題、すなわち今回は民主政権バッシングが課題となると、猫も杓子も「八ッ場ダム中止問題」となり、この2ヶ月は「普天間飛行場移設問題」となっている。 普天間に関しても、当然のことだが、大メディアは全世界のネットワークを使い、断られようとも調査報道や突撃取材を刊行し、たとえば自民党政権時代の米国との密約などをどんどんバラすべきである。それが本来のメディアの役割であるはずだ。 しかし、現実はどうだろう。非常に限られたニュースソース、それも疑義、利権の渦中にあるような自民党系の議員や外務省・防衛省OBの評論家や大学教授らに安易に取材し、それを連日掲載している。また民主党幹部の言い分の違いをことさら強調し、民主党に詰め寄っている。 普天間基地については、グアムへの移設が大きなポイントとなっているが、果たしてグアムに行き現地取材した日本の大メディアはあるのだろうか? おそらく皆無に等しい。 ここで本題に戻そう。 普天間基地が周辺市街地にとって危険な空港であることは間違いないが、では、日本の大メディアは、たとえば日本国内だけをとっても大阪空港、福岡空港(板付空港)など、普天間に負けず劣らぬ危険の空港があることを知っているか? また住民目線で現地取材したことがあるのだろうか? この12月25日、私の大学の学長である中村英夫さんと一緒に公共事業と環境に係わる講演を東京で行った際、学長が青山さん世界的に見て危険な5つの空港って知っていると言われた。 私はすかさず普天間、大阪、福岡と述べた。学長によるとベルリン空港もそのなかに含まれるという。 周知のようにベルリンには3つの空港が市街地の中にある。Berlin Tempelhof、私達がベルリンに行くときに使う Berlin TegelさらにBerlin Tempelhofもそのひとつだ。 以下グーグルマップで拡大して見ると、それぞれかなり住宅地のど真ん中にあることが分かる。とりわけTempelhofの周辺は住宅密集地だ。 Berlin Tempelhof Berlin Tegel Berlin-Schonefeld ベルリン空港が何で市街地のど真ん中にあるかは、冷戦時代、東ドイツの孤島として存在したベルリンの西ベルリン市民に西側諸国が物資を連日送り込んだことも理由となっている。 以下は世界の5大危険空港のうち3つ、すなわち普天間、福岡、大阪の各空港の航空写真である。普天間だけでなく、福岡、大阪も信じられない住宅密集地のど真ん中にあることが分かる。 普天間飛行場 福岡空港 大阪空港 当然、全国紙や全国テレビネットワークが福岡や大阪を危険の観点から報道したことはほとんどない。 結局、現在、大メディアが枕詞のように普天間基地の危険性を報道するのは、民主党に代替施設を辺野古につくらせるための世論誘導に過ぎないのである。 それにしても日本の大メディアは高給を取っているくせに、ろくな調査、取材もせず、どの社も金太郎アメ的な記事を書いている。見識があり、まともな日本人は、そんな日本の新聞やテレビの情報操作による世論誘導にとことん嫌気をさし、離れるのは当然のことである。 |