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普天間飛行場代替施設は
民主・国民新のデキレースで
「キャンプ・シュワブ陸上部」
となる可能性大!

青山貞一
 

5 March 2010
独立系メディア「今日のコラム」

 今年5月までに普天間飛行場代替施設の立地を決めるとしていた政権与党だが、ここに来て、にわかに国民新党が先行し、つゆ払いする形で、移転先を「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」にする案が現実味を帯びてきた。

 下は国民新党が「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案を決議したことを伝える報道概要である。国民新党は「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案を3月3日の議員総会で決めたという。

◎国民新、普天間移設の2案決定 在沖海兵隊「15年で撤退」

 国民新党は3日の議員総会で、米軍普天間飛行場移設を検討している政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提示する移設案として、米軍嘉手納基地への統合案と米軍キャンプ・シュワブ陸上部に1500bの滑走路を新設する案の2案とすることを決めた。

◎辺野古岬にヘリパッド 国民新が検討

 国民新党は米軍普天間飛行場の移設先として、新たにキャンプ・シュワブ内の辺野古岬部分に500メートル四方のヘリパッドを造り、訓練の一部を鹿児島県の徳之島や馬毛島に移転する「辺野古岬ヘリパッド案」を検討している。

 国民新党が議員総会で議決した翌日の3月4日午後、鳩山総理は定例記者会見で、「3月を過ぎて決まらないなどということでは時間が足りなくなる懸念がある」と述べ、もともと5月まで決めるとした移転先を3月末までに決める意向を明言した。

普天間、月内に政府案=シュワブ陸上部軸に調整?鳩山首相
2010年 3月 4日  22:09 JST

 鳩山由紀夫首相は4日夕、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、「当然、3月中のいずれかの時点では政府の考え方をまとめなければいけない」と述べ、月内に移設案を絞り込む考えを明らかにした。政府は同県名護市のキャンプ・シュワブ陸上部への移設案を軸に調整を進める方針だ。しかし、県内移設には社民党や地元・沖縄の反発が強く、調整は難航必至だ。

 首相は「5月末までに普天間の移設先をしっかり決める」と重ねて強調。米国との交渉に臨むに当たっては「3月を過ぎて決まらないなどということでは時間が足りなくなる懸念がある」と述べ、5月末の期限をにらみ、政府方針取りまとめを急ぐ考えを示した。

 また、米国や沖縄との協議について「まだ交渉の段階ではないが、こういう段取りでいきたいということはある。沖縄に対しても心を通わせる必要がある」と、並行して進める考えを示した。首相官邸で記者団に語った。 

[時事通信社]


 鳩山総理は、さらに3月中に政府案を取りまとめて、アメリカや地元と交渉する考えも明らかにしている。

 一方、平野官房長官と北沢防衛相は3月2日夜に、米国のルース駐日大使と会談している。その概要を読むと、どう見ても日本政府はキャンプ・シュワブ陸上部への移設案を軸に検討を進めているように思える。

 平野長官は現在の検討状況をルース駐日大使に説明する中で、政府案を近くまとめてアメリカとの正式協議に入る意向を伝えているという。

 このように、まず国民新党が3日に民主党に先行し、「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案を議員総会で決めた後、鳩山総理が「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案を軸に米国と交渉にはいるとしており、まさにデキレースでキャンプ・シュワブ陸上部立地になだれ込む可能性が大きくなってきたと言える。

 おそらく今後、民主党と国民新党は正式に「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案」を立地案として提案することになる。そして県外・国外を主張する社民との間では、実質的に多数決、すなわち2対1で「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案と決める可能性が大きい。


辺野古・キャンプ・シュワブ・大浦湾遠景

 いうまでもなく国民新党の下地議員は、従来、県外を主張し続け、また沖縄県議会も県外・国外を決議した。

 しかし、その裏では民主党と国民新党のいわばデキレースにより「米軍嘉手納基地への統合案」か「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」立地案が練られ最終案となる可能性が大きい。そして、社民党は民主党と国民新党の連合軍に押し切られることになる。

 大メディアは、もともとキャンプシュワブ沖合立地を米国との間ですでに決定してきたこととして、民主党に揺さぶりをかけてきた経緯もあり、間違いなく「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」案支持にまわることと思える。

 もし、そうなると小沢一郎現幹事長が民主党の代表時代に記者会見で述べ、また鳩山総理が昨年の代表選で代表に選出されたときに記者会見で述べた「県外・国外」への移設という一種の公約は、完全に反故とされることになる。


 また、たとえ陸上案だからといって危険きわまりないオスプレー(MV-22)を100機近くキャンプシュワブに配備することで、落下の危険性は単に普天間から名護に移っただけのことに成りはしないか? またやんばるの森に多数のヘリパッドを配備することで、基地設置による新たな危険性が増すことになりはしないか」?


墜落事故が多発しているオスプレー(MV−22)
出典:Wikipedia

 さらに海域を埋め立てないからといってオスプレーの爆音がジュゴンに与える影響は計り知れないと思える!

 果たして、これらは外交案件だから、米国との約束事だからと言って仕方がないですむことであろうか!? 

 日本政府は、沖縄が日本に復帰後これが最初の新設基地となることを分かっているのだろうか?

 さらに、政権与党は、沖縄の海兵隊は2015年に撤収することを知っているのだろうか? わずか数年のために数1000億円の費用を掛け、キャンプ・シュワブの陸上部に軍事飛行場を設置し、その後はどうするのだろうか?

 今や米国政府のエージェントと化している長島政府間は、NHKの日曜討論で、「そうなったら民間空港として使えばよい」とうそびいていたが、過剰で赤字となっている地方空港時代に、こんな地方空港などまったく不要のはずである。沖縄県には立派な国際空港が存在しているのである。
一体、長島議員は何を考えているのだろうか?