保坂展人衆議院議員は氏のブログで次のように述べている。
「5月13日にニューヨーク・タイムズの取材を受けた。議員会館の部屋で約1時間にわたってインタビューされた内容が、分量としてはほんのわずかだが28日付けの記事となって掲載された。「小沢スキャンダルで日本のメディアは検察の言いなり」という記事は、3月3 日の「小沢秘書逮捕」を国内メディアがどう伝えたかの検証を試みている。それは、検察情報をもとにした集中的なバッシング報道だった。
私は、何度かブログで書いてきたように、この事件については「なぜこの時期に野党党首が狙い撃ちされるのか」という強い疑問と、「西松建設からの巨額献金」そのものへの違和感との二重の感想を抱いてきた。『朝まで生テレビ』や『日刊ゲンダイ』のインタビュー、そして郷原信郎元東京地検検事さんとの阿佐ヶ谷ロフトAでの「生対談」などで触れてきた通りだが、ニューヨーク・タイムズの情報網も「どこどこ日記」をチェックしているのは、ちょっとびっくりだった」
保坂議員へのインタビュー記事に関連し、米国のニューヨークタイムズ紙は以下のように述べている(要約)。
.....先月、しばしば全国紙より政府に批判的な報道で知られている東京新聞は、小沢氏に献金した西松献金から寄付を受け取った自民党議員の調査記事を掲載した後、3週間にわたり東京地検の検察官と接触を禁止されたという。
東京新聞によれば、検察が公表されることを望まないことを報道したのが理由という。「検察官に逆らうことはメディア・タブーのうちのひとつである」と東京地検「記者クラブ」にいる東京新聞記者の瀬口晴義氏は言ったとされている。....
※ニューヨークタイムズの記事の原文
※瀬口 晴義(セグチ ハルヨシ)
昭和39年1月生まれ。東京都出身。昭和62年、中日新聞
(東京新聞)入社。宇都宮支局を経て平成4年1月から社会
部記者。検察・裁判担当をはじめ教育問題を担当してきた。
上記ニューヨークタイムズ紙の記事は日本の大メディアではまったく報道されていないが、きわめて重大なことではないか!
東京新聞の当該記事がどれなのか、今のところ不明だが、事実なら東京地検やその報道官がしたことは明らかなる報道検閲、報道管制であり、民主主義国家にあるまじきことである。
国民の知る権利(Rights to Know)に係わる問題を日本の大メディアは隠蔽したとも言える。
逆説すれば、「国策調査」漆間巌官房副長官が述べた「自民党議員には捜査が及ばない...」という発言がますます現実味を帯びてくるわけだ。国民は小沢前代表に対するねらい打ち捜査をますます「国策捜査」ではないのかと思うようになるだろう。
ところで、件(くだん)の西松建設がダミー団体名義で、二階俊博経済産業相側のパーティー券を購入していた問題で、東京地検特捜部は1日、政治資金規正法違反容疑で告発された自民党二階派の政治団体「新しい波」と同団体元会計責任者で元国家公安委員長の泉信也参院議員らについて、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
以下は、東京新聞の二階派パー券不起訴関連記事である。
東京地検記者クラブ3週間出入り禁止を受けたとされる東京新聞でもあり、大メディアの記事とは突っ込みが違う!
二階派パー券 不起訴 西松購入『団体側、認識ない』
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参考のため朝日新聞の「二階派不起訴」関連記事を以下に掲載する。
朝日新聞の以下の記事は、分量が少ないだけでなく、内容もおそまつきわまりない。告発者である上脇博之神戸学院大法科大学院教授へのインタビューも皆無である。
また5月21日改正された検察審査会の対応、すなわち、これまで検察審査会の議決には法的拘束力がなかったが、「起訴相当」の議決が2回続いた場合、裁判所が選任した弁護士が強制的に起訴できるよう検察審査会法が改正された審査会の判断ついての記述も皆無である。
ひょっとしたら他の関連記事で捕捉しているのかと思いきや、捕捉記事は見あたらなかった。
朝日新聞はニューヨークタイム紙と契約を結んでいるそうだが、何度も指摘するように朝日新聞は国民の知る権利を事実上隠蔽していると言えよう。
これは他紙も同様で、二階派の西松建設問題の終息をはかろうとしていると思われても仕方ないものだ。
二階氏側のパーティ券問題は不起訴 東京地検朝日新聞 2009年6月1日18時31分 西松建設がダミーの政治団体経由で二階俊博・経済産業相側のパーティー券を購入していた問題で、東京地検特捜部は1日、政治資金規正法違反容疑で告発されていた自民党二階派の政治団体とその会計責任者らを不起訴処分(嫌疑不十分)にしたと発表した。西松建設前社長の国沢幹雄被告(70)も不起訴処分(起訴猶予)とした。 憲法学者や弁護士ら36人が同容疑で告発していたもので、不起訴処分となったのはその一部の内容。特捜部は、二階経産相側に対する他の告発内容についても引き続き捜査する方針だ。 告発状などによると、西松建設は04〜06年、同社OBが代表を務めていたダミーの政治団体「新政治問題研究会」(06年解散)と「未来産業研究会」(同)を通じて、自民党二階派の政治団体「新しい波」(会長・二階経産相)のパーティー券計838万円を購入したとされる。 一方、二階経産相側への献金をめぐっては、二階経産相が代表を務める「自民党和歌山県第3選挙区支部」に対し、西松建設が06〜07年に社員らの個人名義に仮装して計600万円を献金したとされる疑惑も浮上しており、この問題も告発されている。 |
ところで二階派のパー券購入問題はいうまでもなく、政治資金規正法の政治資金収支報告書に記載されたいわば「表」の問題である。小沢氏第一公設秘書は同じ「表」の記載にかかわる問題でいきなり逮捕されたわけだが、東京地検が指摘するその理由は「大久保秘書はふたつの政治団体が西松建設のダミーであることを認識していた」こととしている。
だが、大久保秘書は逮捕後80数十日拘留されながら、一切、東京地検の上記の指摘を否認し続けていたのだから、東京地検はあくまで西松側逮捕者からの供述など状況証拠をもとに主張しているに過ぎない。
東京地検特捜部は、二階側に対する「告発内容の一部が今月20日に公訴時効(3年)を迎えるため、パーティー券問題を先行処分した。東京地検の谷川恒太次席検事は「パーティー券は小口化されて不特定多数にばらまかれ、売る側は誰が買うか関心がない。西松に持ち込んだのは二階氏の秘書で、新しい波関係者は持ち込まれたことも知らなかった」と説明した」とされている。
しかしこれは、東京地検が「パーティー券は小口化されて不特定多数にばらまかれ、売る側は誰が買うか関心がない。西松に持ち込んだのは二階氏の秘書で、新しい波関係者は持ち込まれたことも知らなかった」と勝手に認識しているにすぎない。
東京地検に刑事告発した上脇教授は「東京地検は「パーティー券を売る側は誰が買うか関心がない」とするが、「西松にパーティー券を持ち込んだ二階氏の秘書も振り込みがダミー政治団体の名義であることを聞いていたはず。秘書も新しい波の事務従事者として罪を問えるのではないか」と話し、検察審査会に不起訴処分の適否について審査を申し立てる構えである。
上脇教授の言い分は当然のことである。さらに二階派側には政治資金規正法の政治収支報告書に書かれたパー券など「表」だけでなく、西松建設が二階氏の政治団体の事務所費を実質的に補てんしたとされる政治資金規正法の「裏」の違反容疑がある。
これについて東京地検は捜査を継続するといっているが、これも当然のことだ。
また東京新聞の上記の記事には「特捜部は二階氏の実弟や公設秘書らをすでに参考人聴取。二階氏の後援会を通じて別の関連政治団体に流れたとされるが、資金の流れが複雑で、二階氏側がどこまで違法性を認識していたか立証は難しいとされる。 ただ、検察内部では、積極的に立件すべきだとの意見もあり、立件の可否をめぐっては意見が割れているという。最終的な判断は、総選挙後になるとみられる」と報じている」
これも極めて不可解な話しである。同じ政治資金規正法の政治収支報告書への「表」の記載内容について、野党党首にはあれだけ人材を集中投入し、複雑な資金の流れを捜査している東京地検が、職務権限など多くの権力、権限を持つ現職の大臣でありもと運輸大臣である二階大臣側について、二階氏側がどこまで違法性を認識していたか立証は難しい として立憲を見送っているのはまったく合点が行かない。
そもそも繰り返すが、大久保秘書は関連容疑について一貫して認識がないとして否認している。職務権限がない野党側については、状況証拠だけで逮捕し、他方、職務権限を持つ現職大臣側については、立件見送りでは専門家だけでなく国民の理解は得られない。
いずれにせよ、二階派不起訴で、ますます東京地検が政権交代を潰すために最大野党党首の秘書をねらい撃ちしたこと、そして韓国や途上国並みの「国策捜査」をしているのではないかという疑惑は増幅されるだろう!!
また朝日新聞がこの問題で一貫してまともな報道をしていないこと、国民の知る権利に対応していないこと、結果として情報操作による世論誘導をしていることが明らかになっている。
それにしても 同法違反容疑で告発されていた西松前社長国沢幹雄被告(70)はなぜ起訴猶予処分なのであろうか? 司法取引と思われても仕方がない処分だ!!
つづく