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ダンマリ決め込む長野県議会
知事側近の自殺に関連し

青山貞一 Teiichi Aoyama 27 Feb. 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 村井長野県知事の側近中の側近の右近謙一氏(59)が2月21日、22日、23日と3日間連続で東京地検の事情聴取を受けた翌日の24日に県庁近くの路上の電柱にロープで首をつって自殺していることを本「独立系メディア」でもすでに報じた。

 この右近氏が電柱で首をつって自殺したことに関連し、2月26日早朝、西松建設関係者が東京地検特捜部の事情聴取に、村井長野県知事側に1000万円(の裏金)を渡したと供述していたことも判明している。

 となれば、すでに明らかになっている事実、すなわちパーティー券20万円を西松建設が購入しただけで、果たして右近氏が自宅など屋内でなく、わざわざ公共の場、しかも電柱にロープで首をつってまで自殺までするか、という疑問を誰しもが感ずることになる。

 これらのを受けた2月26日の長野県議会で、この問題、疑義を村井仁知事にぶつけたのは、何と共産党の小林伸陽議員ただひとりだけだった。それも数分だけだ。

 田中康夫氏が知事時代の県議会では、田中氏やその側近に係わるどんな小さな疑義であっても、連日連夜、蜂の巣をツツイタような激しいそして厳しい質問とヤジを飛ばしていた自民、民主、公明、社民系の議員は村井知事側近中の側近の自殺に関連したこの事件に、すっかりダンマリを決め込んでいる。

 田中知事時代、特別職、地方公務員として県庁に通っていた私として、これはまったく信じられない光景である。自分たちが選び認めた知事だと、こうも腰が引ける、いや無視を決め込めるものなのだろうか?

 長野県議会で昨日唯一この問題について質問した小林伸陽議員の質問と知事の答弁内容は短く、また当たり障りのないものであだった。以下はそのやりとりである。

 ◆小林議員と村井知事の間の質疑応答(県議会アーカイブ)

 以下はそれを報ずる信州放送(SBC)の記事である。

 ◆小林議員と村井知事とのやりとり(音声:SBC)

◆資金提供疑惑、県議会でも議論・知事「信じがたい嫌疑」
信州放送(SBC) (2月26日18時49分)

西松建設からの知事周辺への資金提供疑惑は県議会でも取り上げられ、村井知事は「信じがたい嫌疑を受けた」と重ねて金銭の授受を否定しました。

きょうの県会代表質問で共産党県議団の小林伸陽議員は「県民が疑念抱いており、進んで自ら調査をし真相を明らかにすべきだ」村井知事を質しました。

これに対して村井知事は「政治資金の取り扱いは常に厳正に行うよう20年にわたってやってきたつもりだ、かつてそのような問題を起こしたこともないし、怪しい金に手を出したこともない、私は信じがたい嫌疑を受けたという思いであります」と答弁しました。

共産党県議団の石坂団長は「調べる方法がないと言うが、開き直りとしか思えない」と知事を批判しています。

 村井知事は「信じがたい嫌疑を受けた」と重ねて金銭の授受を否定したが、上述のように、村井知事の答弁では、どうみてもパーティー券20万円を西松建設が購入しただけで、果たして右近氏が自宅など屋内でなく、わざわざ公共の場、しかも電柱を使って自殺までするか、という疑問への回答にはならない。

 いずれにせよ、昨日の県議会で分かったことは、あれだけ田中知事時代、たとえば田中知事(当時)の口利き疑惑で百条委員会を設置し、連日連夜にわたりあれだけ激しく厳しい質問とヤジを飛ばしていた自民、民主、公明、社民系の県議団が、村井知事に対し、まったくの音無の構えなのはトンデモないことだ。

 たとえば、田中知事時代の県議会、とくに百条委員会設置時の状況は以下を見れば分かる。

 長野県百条委員会関連情報(独立系メディア)

 これは長野県内の最大地方紙、信濃毎日新聞も同様である。調査報道はゼロ。知事の言い分をただべたで繰り返しているだけである。ここでも田中知事時代とは雲泥の差である。まさに今の日本社会の縮図を見る思いである。

 ◆村井知事あらためて否定 西松関係者の現金提供供述 信濃毎日  

 これでは議会やメディアは知事監視の役割を果たしていない。

 ここまで露骨な無対応は信じられないことだ。まるで田中知事以前の時代、すなわち国(自治省)から知事が長野県に来ていた時代に先祖返りである。