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もんじゅの落下物つり上げ不能事故が
大きく報道されないのはなぜ?
廃炉も視野の規模?!

ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)

18 October 2010
独立系メディア「今日のコラム」

 メディア(知るための手段のあり方) / 2010-10-18 07:31:36

 例によって、電力会社の問題をマスメディアは大きく取り上げようとしない。

 高速増殖炉もんじゅの原子炉容器内に部品が落下して引き上げができない件のことだ。

 地元の福井新聞によると

 日本原子力研究開発機構は13日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、8月に原子炉容器内に落下した炉内中継装置の取り出し作業を再開したが、つり上げている途中で荷重が異常値を示して警報が鳴り、作業を再び中断したと発表した。円筒形の同装置の一部が、原子炉容器の上ぶた付近で引っ掛かるためとみられる。再開のめどは立っておらず、回収が長期化する可能性もある】という。

 当初、簡単につり上げられるという見方もあったが、事態は深刻なようだ。

 落下した際に装置が変形し、ひっかかっているようだ。

 もし、そうだとすると、装置を分解して取り出すほかないが、そのようなことが可能なのだろうか?

 原子炉容器内は、液体化した金属ナトリウムで満たされており、金属ナトリウムは不透明であり、内部の目視はできない。

 金属ナトリウムは水や酸素に触れると高温を放って激しく酸化されるため、新たに外部から切断装置などを入れることすら困難なのではないだろうか?

 つまり、金属ナトリウムを冷却材として利用することの問題点が明確になった事故、この方式による発電が危険で実用化に向かないことを暴露した事故…ではないだろうか?
 
 しかも、この炉内中継装置がいかに落下したかを目視することができない以上、【もんじゅの向和夫所長は「物理的に装置は真っすぐ落ちており、炉内や燃料にぶつからない」と強調した】というが、ほんとのところはわからないのではないか?

 読売新聞でさえ、

 原型炉「もんじゅ」が今年、14年ぶりに運転を再開したばかりだが、8月末に原子炉容器内で、クレーンでつり上げていた約3トンの重要装備を落とした。点検で原子炉を止めていたため直ちに安全性への影響はない。しかし、炉内に損傷はないか、確認は遅れている】と認めざるを得ない状況だ。
 
 各メディアは、この問題を軽視することなく、つり上げの方法やそれに伴うリスクなどをきちんと伝え、運転再開に伴う危険性の検証を十分に行わせるように警告してほしい。

 いや、マジに、この事故は、単純なようであって、実は、もんじゅ廃炉につながる重大事故なのかもしれない…。


※画像は昨年末、地元福井新聞に掲載されたもんじゅ再開への抗議広告。
http://cnic.jp/modules/news/index.php?storytopic=14