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<講演・対談>案内
ガザが語るパレスチナの将来
イスラエルによる占領を読み解く

March 2009

独立系メディア「今日のコラム」



ガザが語る、パレスチナの将来 ―― イスラエルによる占領を読み解く

[講演]サラ・ロイ(ハーバード大学中東研究所上級研究員)
[対談]サラ・ロイ+小田切拓(ジャーナリスト)

 「こちらは雨です。テント生活の人は大変でしょう」(ガザで取材中の小田切拓氏より)。

 無惨にも焼きつくされ、バラバラにされた1300以上の遺体を残してひとまず「停戦」となったガザ侵攻は、治療の困難な重い傷や声も出せないほどのショックを抱えたガザの人々を、さら地とぬかるみの中に置き去りにしました。和平プロセスの破綻はすでに明らかではあったものの、今回の事態は、この地の混迷をさらに取り返しのつかない段階へと追いやってしまいました。

 しかしこの「混迷」とは、決して原因が名指し出来ない複雑な問題でも、ましてや長年の憎悪と暴力による応酬の結果などでもなく、1967年以来、40年以上にもわたるイスラエルの占領政策のなかで着々と積み上げられて来たものです。

 そして、その「占領政策」とは、解きほぐせばどれも具体的な事例やプロセスとして指摘され、被占領地の住民がこうむった具体的な被害や苦しみとして目撃されうるものです。

 そしてイスラエルによる占領は、ただ40年という年月を重ねて来たのではなく、パレスチナ人の抵抗運動が巧みに利用されながら、イスラエルの世界的立場や政治経済的状況の変化のなかで再定義され続けました。

 とりわけ「オスロ合意」は、イスラエルが被占領地を支配し利用する手法を変容させ、被占領地を完全に自立不能な状態へと陥れた上で吸収する方向にシフトしてゆく重大な転換点でした。

 このたび私たちは、ガザに滞在しながら長年フィールドワークを行い、被占領地の社会経済的構造分析に関して高い業績を上げて来たサラ・ロイ氏を迎え、講演と対話の機会をもつこととなりました。

 ロイ氏はまた、ホロコーストのサバイバーを両親にもち、ユダヤ性を根本的に問う作業を媒介としつつ占領を批判し、パレスチナ人との共生を訴えて来た人でもあります。ロイ氏の対談相手として、被占領地やイスラエル、アメリカ等での取材を精力的に行い、とりわけパレスチナ/イスラエルへの経済援助に関して先鋭な問題提起を行って来た、小田切拓氏を迎えます。

 この希有な機会を有意義なものとするために、この地における事態に注目し続けようとする方々の参加を広く呼びかけます。


[日付]
2009年3月7日(土)

[タイムテーブル]
開場/受付開始:15時   
第一部 サラ・ロイ講演:15時30分〜
第二部 サラ・ロイ&小田切拓対談:18時〜
(20時終了予定)

[場所]
東京麻布台セミナーハウス大会議室
■住所:〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-5
大阪経済法科大学 東京麻布台セミナーハウス
■アクセス:東京メトロ日比谷線「神谷町」駅1番出口から歩5分
■地図:下記URL
http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html

[参加費]
1000円

[略歴]
■サラ・ロイ(Sara Roy):
1955年アメリカ生まれ。第二次大戦中のナチスによる強制収容所から生還しアメリカに移住したユダヤ人を両親にもつ。パレスチナ/イスラエル問題、とりわけイスラエルによるガザ地区の占領・低開発問題について政治経済学的観点から研究を深めており、二冊の主著はガザ地区について考えるうえで必読書。またジェンダーやイスラームの観点からの研究も進めており、ハマースについての研究書も近刊予定。ハーバード大学中東研究所上級研究員。

主著:The Gaza Strip: The Political Economy of De-Development,Institute for Palestine Studies, 1995 / 2nd ed. 2001 Failing Peace:Gaza And the Palestinian-Israeli Conflict, Pluto Press, 2006

日本語訳としては、「ホロコーストとともに生きる――ホロコースト・サヴァイヴァーの子供の旅路」(岡真理訳、『みすず』2005年3月号=原文は上記Failing Peaceに収録)がある。

■小田切拓:
1968年生まれ。パレスチナ/イスラエル問題を専門とするジャーナリスト。報道番組制作に携わったのちフリーとなり、頻繁に現地訪問・滞在を重ね(今回のイスラエルによる侵攻の直後にもガザ地区に入り取材)、とくに、ガザ地区、隔離壁、経済援助の問題を掘り下げている。TBSやNHKなどで取材映像が放送されているほか、月刊誌や週刊誌に、鋭く切り込む分析的な記事を発表している。最近の記事に、「「和平」プロセスが、平和を遠ざける」(『世界』2008年10月号)や「シオニストがエルサレムから逃げていく」(『週刊金曜日』2009年1月16日号)などがある。

[主催]
ミーダーン<パレスチナ・対話のための広場>
東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」

[連絡先]
ミーダーン<パレスチナ・対話のための広場>

■郵便物送付先:
〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1 - 1
東京ボランティア・市民活動センター メールボックスNo.114

■メールアドレス:midan.filastine@gmail.com

■URL:http://midan.exblog.jp/

■TEL:090-6498-6448

■郵便振替口座:00160-9-353912(口座名義:ミーダーン