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識者、まともなジャーナリスト、そして多くの国民にとって「民主党の政権交代阻止のための国策捜査」に見える小沢代表の公設第一秘書逮捕だが、これに関連し2009年3月15日「フォーラム神保町」が開催された。 このシンポジウムでは鈴木宗男議員が「青年将校化する東京地検特捜部」 に関連し、高橋元秘書について興味深い発言をしている。 この高橋元秘書に関連する鈴木発言は、フリージャーナスト横田一氏が2009年3月20日付週刊金曜日の記事で書いた内容とも一致している。 ここでは、鈴木発言と横田記事を掲載するのでご覧いただきたい。 ◆<鈴木宗男議員の高橋元秘書に関する発言> (3月15日のフォーラム神保町のシンポ「青年将校化する東京地検特捜部」より) 鈴木宗男・衆院議員(開始後18分30秒ごろ) なんでこの時期に、が率直な気持ちでした。 そのうちに漆間発言がありました。自民党には及ばないという。 自民党は立件できないという。 この話を聞くと、何かしら、おかしな方向に行っているな。 さらに石川代議士という、かつて小沢代表の秘書をやっていた方が参考人聴取される。それが事もあろうに、何日も前からリークされている。 これは検察でしか知りえない情報ですね。 石川代議士は、あのもうろう会見をした、酩酊会見をした中川昭一さんと次の選挙を争っている人なのです。 何かしら私は、権力側が水面下でつながっているのかなという印象を国民に与える捜査。 だから私はだんだんと国策捜査だな、7年前の鈴木宗男の事件の作り方と似ているという印象を持ちました。 鈴木宗男・衆院議員(開始後1時間ごろ) 私は、この西松事件ですね、大久保さんは捕まりましたね。 大久保さんという秘書がどの程度のものなのか。われわれ政治家や秘書仲間はよく知っているのです。 大久保さんははっきり言って力がないし、(笑い)、ゼネコンの人が相手にしている秘書じゃないですよ。 これだけ、覚えておいて下さい。(年間)2500万円の西松の政治団体から小沢さんの所に入るという枠組みを作ったのは、高橋嘉信という大久保さんの前の秘書ですよ。 この人は小沢さんのおかげで、国会議員一期やっていますよ。 ところが国会議員になって膨張(増長?)してしまって、後援者から「ダメだ」と言われて、「小沢さん、切らないといけない」と言われて、切られた男ですよ。 この男、皆さん、いま何をしているかというと、自民党岩手県のですよ。 自民党の岩手県の第四選挙区支部の支部長。第四選挙区というのは、小沢さんの出ている選挙区ですよ。ここら、皆さん、ちょっとどろどろしたものを感じません?。(笑い) 私は、この大久保さんを逮捕している。大久保さんが何かしらゼネコンに影響力を持ったという話を(検察は)していますけれども、秘書仲間にも永田町でもそんな話はない。 前任者の高橋(元秘書・自民党後任予定候補)が箱を作って、高橋は傲慢で不遜であったというのはもっぱらの評価ですよ。 私は、大久保さんが検察に誘導されたり、圧力、強圧的な取調べに屈しないで、正直に物を言っていけば、さっき田原(総一郎)先生が言った通りですよ。 私は、形式犯の政治資金規正法だけの起訴ならば、検察のやりすぎという世論の批判が出てくると思います。だから私は冷静にこの事件は、見た方がいいと思っています。 大久保さんや事情聴取された石川さんというのは、言ってみれば、高橋さんの下にいて、そのまま引き継いだ人ですから。いわんや、小沢さんが記者会見で言いました。秘書を信じている、と。 (中略) 佐藤優氏 あまり本当のことを言うと、また捕まるのではないか。 鈴木氏 私はずっと正直に本当のことを言ってきましたから。 私は、検察や司法がどんな判断をしようとも、私と付き合った人は離れませんから。 (中略) 私はこの永田町にいて、冷静に小沢事務所のあり方を見ておっても、高橋さんの前にいた責任者は中条さんという人で、この人は人格者でした。 この中条さんを追い出そうとしたのが高橋嘉信さんという人ですよ。 高橋が作った枠組みですよ。しかも、その男が自民党の支部長で、小沢さんと相対するといった。 田原氏 なんで高橋は逮捕されないのか。 鈴木氏 高橋さんは時効になっている。検察は協力者に対しては優しいですからね。 佐藤氏 外務省の女性がよく言うのは倫理に時効はない。これは、倫理の話だから、刑事的な責任とは別で、政治倫理の問題として、政治の場で追及をすると。 田原氏 高橋は水面下で検察に協力していると言いたいわけね。 鈴木氏 可能性はありますね。 いま、西松事件を調べている人は谷川さんという人ですよ、次席検事が。その前は、盛岡地検の検事正をやっていましたから。 おそらく、そこで、いろいろな情報を仕入れて来ていると思うのです。何かしらの情報収集の可能性がある。検察は手足がないのです。 リークをして世論の反応を見ながら、リークをするという繰り返しなのです。 一方、以下は、横田一氏が週刊金曜日に執筆した記事の核心部分。 ◆「自民党から出馬を予定していた元秘書の胡散臭さ」 (3月19日発売の3月20日付週刊金曜日) (前略) 1995年当時、小沢事務所で建設業界の窓口役をしていた高橋元秘書に注目すると、恣意的な逮捕であることが浮彫りになる。 「小沢氏の側近」だった高橋元秘書は「他のゼネコンはこのくらいは献金している」と西松建設に要求し、年間2500万円前後の献金をする約束を交わしたという。 また問題のダミー政治団体「新政治問題研究会」が出来たのは九五年、もう一つのダミー団体「未来産業研究会」も九八年に設立された。 いずれも高橋元秘書時代のことだ。 要するに、違法献金の“産みの親”である高橋元秘書は、政治資金規正法違反の時効が切れているとはいえ事情聴取すらされず、それを二〇〇〇年から引継いだ大久保秘書だけが逮捕されたのである。 建設業者の間の評判も「高橋元秘書の方がずっと高圧的で押しが強かった」でほぼ一致していた。 「高橋さんは仙台の鹿島建設の談合屋とのパイプを背景に、献金や選挙支援やパーテイ券購入を業者に押し付け、業界全体に睨みを利かせる存在でした。 それに比べると、8歳年下で市議出身の大久保秘書の迫力は大したことはなく、『パーテイ券を買っていただけませんか』と丁重に頼むほど。性格的にゴリ押しが苦手で、高橋さんよりも金集めに苦労していたようでした」(建設業者)。 以下は週刊金曜日に執筆した横田一氏の記事 横田一 1957年山口県生まれ。気鋭のフリージャーナリスト。東京工業大学卒 本件に関連しては、政治が歪める公共事業〜小沢一郎 ゼネコン政治の構造〜 などがある。 |