2007年3月初旬から中旬にかけ、「アドリア海の真珠」とたとえられ、かのバーナード・ショーによって「ドブロクニク(Duvrovnik)を見ずして天国を語る無かれ」と賞賛されたクロアチアのドブロブニクを訪問した。
ドブロブニク国際空港 |
現在では日航(JAL)の直行便もある。しかし、当時、ドブロブニクに行くには容易ではなかった。オーストリア航空で成田→ウィーン→ザグレブ→ドブロブニクと何度も乗り換え、その都度数時間待たされ、やっとのことでドブロブニク国際空港に到着したのは深夜だった。ホテルのご主人が迎えに来てくれていてホットしたものだ。
だが、来た(行った)甲斐は十分あった。
バーナードショーなど多くの世界の識者による前評判の通り、ドブロブニクはあらゆる意味で「アドリア海の真珠」であった。境界が見えない紺碧の海と空、アドリア海に突き出た真珠の指輪のような中世そのものの美しい町並みは、数あるヨーロッパのどの都市にも見れない希有で秀逸なものだ!
下は春まだあさいドブロブニクの全景。
ここの海の色は他の地域ではなかなか出ない!
アドリア海の真珠、ドブロブニクの早春
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月14日
ドブロブニクはその昔ラグーサ共和国(Ragusa Republic)と言っていた。そのラグーサは、中世から一貫して「専守防衛」に徹し、自主、独立を貫き、戦争で何度となく破壊された町も、市民自らの手により仔細に修復され現在に至っている。ユーゴスラビア軍に攻撃されたとき世界遺産の危機遺産リストに登録されたが、市民の自助努力で町並みは修復、復元され文化遺産となった。
私達は今まで世界中の多くの都市を訪問しているが、これほど小さくとも美しいまちは他にないと感じている。おそらくドブロブニクは今後何世紀も持続可能なまちであろう!
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月12日
古くはイタリアのベニスを出港した十字軍が、またかの猛攻オスマントルコが、さらにフランスのナポレオン軍などが何度となくドブロブニクに攻撃や植民地化を試みたが、ドブロブニクは、要塞のような高い城壁を張り巡らし、それぞれの攻撃を撃退している。
現在、その要塞のような城壁の上を歩くことが出来る。約1時間で一周できる。城壁のトレールから見るアドリア海やドブロブニクの町はまさに絶品そのものだ。見て分かるように、ドブロブニクは山とアドリア海の間に突き出た小さなまちだ。
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月12日
この町では自動車は、ゴミ、清掃などの電気自動車以外、車は一切、オフリミット。そのせいか、ニャンコが沢山いる。それもひとなつこく、人を見てもまったく逃げない。ごろごろと喉をならしながら付いてくる。
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月14日
下は城壁に入ってすぐの所にある大きな噴水。この噴水は、中世から造船、商業で財力を蓄えたドブロブニクが、対岸のイタリアから彫刻などの技術者を雇い入れてつくったものだそうだ。確かにイタリアのローマ、フレンツェ、アマルフィ海岸はじめあちこちで見る噴水がこの地にもある。
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月14日
下の写真にある通りは、ドブログニクのメインストリート、プラッカ通りである。通りは大理石で舗装され、夜ともなればライトアップですばらしい大理石の輝きが映し出される。
ドブロブニクのメインストリート、プラッカ通り
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月14日
この町、ドブロブニクが、そんじょそこらのヨーロッパの観光地と異なるのは、いまだにこのまちのなかで中世さながらの人々の自主的、自助的な生活や政治の営みがおこなわれていることだ。ドブロブニクでは、お年寄りの散髪、医療、福祉は中世からほとんど無料である。
この時期、観光客はほとんどいない。クロアチアの小中学生が先生に引率されて社会見学できていた。
プラッカ通りを行く、クロアチアの小学生?みなあどけない
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2007年3月14日
<メモ> 行き方・物価など
日航もあるが航空券が高額なので、欧州系航空会社で行く場合を想定。最終目的地はドブロブニク国際空港。欧州主要都市からそのドブロブニク国際空港への飛行機が出ている。
クロアチア航空の切符はWebからも予約、購入できる。その他、ルフトハンザ、オーストリア、アリタリアなどの主要航空会社のチケットの場合、購入する際にドブロブニクを最終目的とすると、リーズナブルに航空券が買えるはず。
私達は、オーストリア航空でウィーン経由でザグレブまで購入し、その後、ザグレブからドブロブニクまではクロアチア航空の国内便を使った。
空港からドブロブニク市内には頻繁にバスが出ている。空港でレンタカーを借りれるので、モンテネグロ、スプリットなど近隣の国、都市に行くには便利だが、バスだけでも十分移動が可能。
ホテルは、シーズンオフならドブロブニク旧市街周辺でもリーズナブルなものがあるが、シーズン中だとあっても高額となる。できればシーズンオフに行きたい。
物価は欧州一のリゾート、観光地だけあって安くないが、旧市街近くにはコンビニ的な食品、雑貨を売っている店がある。食事は対岸がイタリアと言うこともあり、イタリア料理が多い。また海鮮料理も多い。旧市街内のレストランは安くないが、旧市街の外ならリーズナブルである。必ず値段を確かめてから頼むようにしたい。
なお、ドブロブまで行くならぜひ、お隣のモンテネグロまで足を伸ばしたい。