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●日本最大の揚水ダム ところで、暮れもおし迫った2012年12月21日に実施した秩父事件についての現地調査の際、群馬県神流町、同じく上野町を車で走ったとき、以下のような巨大な変電、送電施設が沿道近くに見えた。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 今考えれば、これらはすべて、稼働すると日本で最大の揚水タイプの巨大水力発電所、東京電力「神流川水力発電所」に関係するものであった。 神流川水力発電所は、下図のように長野県の南相木ダムを上池とし、群馬県の上野ダムを下池とする巨大な揚水式水力発電である。 現在すでにダム、発電所は完成しており1号機、2号機が運転している。最終的に当初予定の6機すべてが稼働すると実に282万kwとなり、日本最大の水力発電所になるという。282万kwと言えば、ゆうに原発3基分である。 以下は南相木ダム、上田ダムの位置を示す断面図と平面図である。 南相木ダム(上池)ー上野ダム(下池)とする 神流川揚水発電所の構造イメージ 出典:東京電力 南相木ダム・上野ダムの位置 導水管の位置は推定 図中左側が長野県、右側が群馬県 出典:グーグルマップ地形図 一方、以下は南相木ダム、上田ダムの概要と揚水発電を行う神流川揚水発電所の概要である。
以下の揚水発電所の諸元をみると、この発電所がいかに巨大なものであるかがよく分かる。 ◆神流川発電所の概要 @揚水式水力発電所概要 最大出力2,700,000kW 有効落差 653m 1号水路系 導水路 内径8.2m 延長 2,445m 水圧管路 内径8.2m〜2.3m 延長 1,398m(1,366m) 放水路 内径4.1m〜8.2m 延長 2,270m 地下発電所空洞(1号空洞)地表下500m 幅33.0m 高さ52.1m 長さ215.9m 450,000kW発電機×4台設置予定 発電開始予定 2005年7月(初号機450,000kW、現在同規模の2号機が稼働) Aダムの概要 上部調整池ダム(長野県南相木村、信濃川水系南相木川) 中央土質遮水壁型フィルダム、高さ136.0m、提頂長444.0m、提体積7,220,000m3 総貯水量 18,400,000m3 下部調整池ダム(群馬県上野村、利根川水系神流川) 重力式コンクリートダム、高さ 120.0m、提頂長350.0m、提体積720,000m3 総貯水量 19,100,000m3 出典:東京電力 |