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下地准教授不当逮捕に対する
法務大臣らへの要請書


掲載日: 2012年12月28日
独立系メディア「今日のコラム」

                  要 請 書    

              法務大臣谷垣禎一殿
              検察庁検事総長小津博司殿
              大阪地方検察庁検事正田内正宏殿

 12月9日、下地真樹さん(阪南大学准教授)と他1名が、大阪府警によって逮捕されました。この逮捕は、その約2ヶ月前の10月17日、午後5時から予定されていた大阪市役所包囲行動に先立ち、午後3時から大阪駅・東北角の歩道上で街頭宣伝が行われ、そののち参加者が大阪市役所にむけて移動した際、大阪駅構内の東コンコースを北から南へ通り抜けたことをもって、「鉄道営業法違反」「威力業務妨害」「不退去」に問われたものです。このような行為が公権力から嫌疑を受けること自体きわめて異例であり、すでに憲法学者や弁護士など、多くの専門家や法曹関係者から、日本国憲法21条1項に規定される「表現の自由」に対する侵害であるとして抗議声明が発せられています。また、この逮捕に対する救援会の抗議声明には、8000名を超える人々の署名が寄せられています。

 この日の下地さんたちの行動は、大阪市が進めようとしている震災がれきの広域処理に反対する街頭言論活動であり、2011年3月の福島原発事故による放射能被害をさらに人為的に拡散しようとする国・地方自治体の政策に対し合法的な形で異議を表明したものです。市民的権利のきわめて正当なこのような行使に対する逮捕・勾留は、明らかな政治的意図をもった警察権力の、自由な言論活動への不当な介入です。そのことは、今回の逮捕以前に、震災がれきの広域処理に反対する市民5名がすでに逮捕されていること、なかには起訴された人もいることからも疑う余地がありません。下地さんたちは今秋連続して起きたこれらの弾圧事件に対する抗議・救援活動も行ってきました。従って今回の逮捕には、救援活動の広がりを抑止するための弾圧という性格があることも明白です。10月17日の行動に関してはすでに逮捕されているもう1名も12月11日に勾留中に再逮捕され、計3名が「被疑者」とされています。

 下地さんに対しては逮捕翌日の勾留請求がいったん大阪地裁によって却下されたのち、検察の準抗告が認められて勾留が延長されました。その後12月18日の勾留理由開示裁判を経て、19日に再度勾留延長が認められ現在に至っています。28日に勾留期限が切れるにあたり、私たちは検察の判断に注目しています。この件で起訴を認めることはそれ自体、警察権力の不当な政治弾圧に加担することであり、民主主義社会においてけっして許されることではありません。

 上記の専門家や法曹関係者の声明でも指摘されている通り、今回の逮捕は、昨年来全国的に展開されてきた、原発に反対する広汎な市民運動に対し、威嚇、萎縮の効果を狙ったものです。このような目的のために権力を行使することは絶対にあってはならないことであり、ファシズムの前兆と言っても過言ではありません。この間の経緯に、私たちは深い恐れと強い怒りを覚えています。


 以上の理由により私たちは、下地真樹さんと他の「被疑者」を、明日の下地さんの勾留期限切れをもって不起訴とすること、3名全員を即時釈放することを要請します。

 12月27日 関西大弾圧救援会・東京の会