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森田健作「完全無所属」
不起訴と政治資金収支報告

青山貞一


October 2009
初出:独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


 森田健作氏が千葉県知事に立候補したときに「完全無所属」を宣言したことに対し、千葉県民などが刑事告発した件につき、千葉地方検察庁は2009年9月30日、不起訴処分とした。

 周知のように森田健作氏は、当選後も自民党幹部にアクアライン通行料を大幅値下げやありとあらゆる場面で、自民党との関連が指摘されている。森田健作氏と自民党との関係を示す状況証拠にはことかかない。

 日本の検察は、一方で小沢一郎氏の公設秘書を「国策捜査」によって起訴しながら、かの二階経済産業大臣(元)も対して出された刑事告発については、当人はもとより秘書についても不起訴としている。

「完全無所属」の森田健作氏

 そんな日本の地検が森田健作知事を不起訴にすることは朝飯前なのだろう!
 
 森田健作氏、本名、鈴木栄治氏が昨年末(2008年末)まで自民党とどういう関係にあったか、また、幸福の科学との関係を示す重要な物的証拠(資料)がこの度、公開された。

 周知のように2009年9月30日、総務省は政治資金の収支報告書を公表した。ただし、この報告書に示される収支報告は昨年度のものであり、今年のものではない。

 以下が総務省が公開した森田健作氏の政治資金収支報告書である。じっくり見て欲しい。

 ◆森田健作氏の政治資金収支報告書

 森田氏の報告書を見ると、当時、何ら政治家でなかった森田健作氏に4千9百万円超の政治資金関連の収入があり、3千3百万の支出があることが分かる。
 
 その内訳を見るとびっくりだ。

 自民党から昨年(2008年分)だけで1千百万円の寄付があった(下に示す)。







 くだんの「幸福の科学」からも100万円の寄付がある。一番大きな収入として出版記念パーティーで2千6百万円もあった。

 千葉地検は(自民党から)所属党派証明書の交付を受けていないことを理由に不起訴処分としたが、選挙の前年まで年間自民党から1千百万円超の寄付を受けていた事実を完全無視するのは明らかにおかしい。

 今年分は来年の秋にならないと公開されないが、おそらく知事選挙の直前まで自民党から多額の寄付を受けていた可能性もある。

 森田氏と自民党との密接な関係を示す状況証拠はごまんとある。千葉地検はそれについても無視したことになる。

 当然のこととして、今後、検察審査会への異議申し立てを行うことになるだろう。そこで起訴相当が2回出れば、地検を飛び越え森田知事は起訴となる。

 それにしても東京地検特捜部、大阪地検特捜部、千葉地検など、こと政治家に関する対応は、きわめて不可思議であり、恣意的なものを感じざるを得ない。

 千葉地検は(自民党から)所属党派証明書の交付を受けていないことを理由に不起訴処分とするなら、刑事告発受理後、数週間で不起訴処分とすればよい。半年もたってこんな処分を公表すること自体、理解できない。

 私見だが、民主党政権は、脱官僚主義を言うなら、司法システムのどぶ掃除、一大改革をすべきである

 税金で喰っている公共組織でもっとも情報開示がなされないのは検察である。

 同時に、一部大メディアに情報リークし、情報操作で世論を誘導してきたのは、検察庁ではないのか? また森田健作氏の問題でまともな報道をしていない大メディアも同様にきわめて不可思議である。

森田健作知事を不起訴処分 「完全無所属」は嫌疑不十分
共同通信 2009.9.30

 3月の千葉県知事選で「完全無所属」をうたい初当選した森田健作知事は公選法違反にあたるなどとして、市民団体が告発した問題で、千葉地検は30日、嫌疑不十分として知事を不起訴処分にしたことを明らかにした。

 告発状は、森田知事が自民党東京都衆議院選挙区第2支部の代表を務めながら知事選の法定ビラに「完全無所属」と記したのは公選法235条1項違反(虚偽事項の公表)にあたるとしたが、地検は「(自民党から)所属党派証明書の交付を受けていない以上、無所属とせざるを得ない」と判断。

 また同支部が2005〜06年、外国人や外国法人の持ち株比率が50%を超えていたディスカウントストア大手「ドン・キホーテ」(東京)から受けた献金980万円は、当時の政治資金規正法22条に違反すると告発した点では「寄付者の持ち株比率について認識があったとは認定できない」と説明した。