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この夏の北軽井沢別荘滞在では、現在、総務省電波監理審議会に異議申し立てしているPLC(電力線高速搬送波通信)の漏洩電界がもたらす短波帯での受信障害の実験も行った。 この実験は、今まで千葉県成田市、千葉県佐倉市、神奈川県三浦市、静岡県裾野市などで仲間と順次行い、実験結果を提出している。今回は、その一環として大型の木造家屋を対象に群馬県の北軽井沢で行った。 実験の準備は関連する機材の整備などで8月上旬から始めていたが、実際に行ったのは8月16日〜17日である。
実験場所は、群馬県北軽井沢にある環境総合研究所の保養所(別荘)です。私たちが使うほか、毎年夏には東京都市大学の青山研究室ゼミ、大学院の環境法ゼミの合宿でも使っています。 実験場所 実験では下図にあるように、別荘の2階の一室にPLCのホストをルーターの後に接続するとともに、コレガのルータに付属しているハブにパソコンを接続した。他方、一階の一室にもうひとつのPLCを接続詞、そこにパソコンを接続した。 パソコン、PLCなどを設置した部屋 実験は数にあるように、一階の家屋の端から5m、10m、15m、20mの距離に短波帯を受信できるラジオを設置し、PLCから屋内配線を通じて外部に発信される漏洩電界を受信する。結果は、デジタルビデオカメラで映像と音声を同時に記録する方式をとった。 PCやPLCはいろいろな部屋において実験した。 以下は今回使ったコレガのモデム付きルータとPLC(これは使ったものの一部)。 ルーター、PLCの設置状況 受信する周波数帯は、2MHzから30MHzである。電波形式はA3やSSBである。 以下はファイル転送を行っている最中のホスト・サーバー側のパソコン画面。 ファイル転送中のPC画面 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 離隔距離ごとの漏洩電界による受信障害を調査する実験 その他、家の周りを受信機をもってグルーと周り、漏洩電界の変化を確認する実験も行った。 家の周りを一定の離隔距離で歩き受信障害状況を調査する実験 実験結果の記録に用いたビクターのデジタルハイビジョンカメラ。 以下は、漏洩電界の測定に用いた短波ラジオである。 受信に用いた短波ラジオ 下は屋外で短波ラジオを使い漏洩電界を受信しているところ。 撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 実験結果は、すべて動画で記録しているが、いずれもPLCを接続、稼働させると今まで聞こえていた短波帯の放送(NHK、日経ラジオ)、海外放送(朝鮮議放送、中国語放送、ロシア語放送など)などがまったく聞こえなくなったり、非常に聞きづらくなった。 実験は昼間、夜間それぞれ実験した。夜間はF2電離層の密度が高くなり、短波帯の放送が非常に強く受信できるが、それにも係わらずPLC稼働とともに、放送は聞こえなくなったり、聞きづらくなった。 実験結果については、動画部分をYou Tube化し、証拠提出後、PLC行政訴訟の公式Webに掲載するので耳と目で確かめていただきたい。 8月18日、私はそのPLC関連の原告・弁護団会議出席のため帰京し、翌日の19日、北軽井沢に戻った。 つづく |