世界ランク 最新情報 日本人の寄附・ボランティア・親切さ 2017年ランクさらに低下(日本111位) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 環境総合研究所顧問 July 13, 2018 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
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世界の中の日本ランク(14)寄付・ボランティア・親切 <寄附、ボランティア活動、見知らぬ人への親切さ>の3つの指標で世界各国をランキングしているCAF(Charities Aid Foundation、本部イギリスのロンドン)が2012年、2015年調査報告に引き続き、2017年の調査報告で世界ランキングを公表した。 この世界ランキングは、 @チャリティー総合指標 A個別指標1 慈善寄付、 B個別指標2 ボランティア時間、 C個別支障3 他人、見知らぬ人への親切 で構成されている。以下は上記指標の英文だ。 @World Giving Index Total ADonating money BVolunteering time) CHelping a stranger では日本がどうかというと、2012年度では、以下のような順位となっていた。 @チャリティー総合 145カ国中 85位、 A慈善寄付 80カ国中 27位、 Bボランティア時間 79カ国中 30位、 C他人、見知らぬ人への親切 79カ国中 73位 2015年度では、以下のような順位となり、大幅に総合順位を下げた。 @チャリティー総合 145カ国中 102位 A慈善寄附 145カ国中 83位 Bボランティア時間 117カ国中 44位 C見知らぬ人への親切さ 145カ国中 137位 そして、 今回の2017年度では、以下のような順位となった。何とさらに順位を下げ139か国中、111位となった! @チャリティー総合 139カ国中 111位 A慈善寄附 139カ国中 46位 Bボランティア時間 139カ国中 73位 C見知らぬ人への親切さ 139カ国中 135位 以下は2012年の順位と2017年の順位を比べたものだ。総合順位はとどめなく下がっている! 以下は、この分野(チャリティー)の総合順位20位までの国名と総合順位の得点である。 2012年の日本は85位、2015年は102位、2017年は111位ですから20位以内など遠く及ばない。 <チャリティー総合順位> 注:国名の後の数字は総合点
なお、以下は2017年の世界ランク20位までの国名と項目別の獲得点数である。 |
以下は日本(111位)前後の諸国の総合、親切さ、寄付、ボランティアの順位である。日本の前後は、前がモンテネグロ、トーゴー、エジプト、エチオピア、メキシコ、ポーランドなど、後は、マリ、ベニン、ギリシャ、ヴェネズエラ、ベトナム、ベラリューシュなどの国々がある。 |
上記の2017年結果を見ると、「幸福度」ランキングで上位常連のオーストラリア、デンマーク、フィンランド、アイルランド、オランダ、カナダ、ノルウェーのうちオーストラリア、アイルランド、オランダ、カナダ、ノルウェーは、ここでも上位に連なっていることがわかる。 「幸福」は、自分だけでなく、いかに他人に寄附したり、ボランティア活動をしたり、見知らぬ人に親切にするかにも大きく関わっていることがよく分かりる。 , またG7諸国では、米国、英国、カナダ、ドイツの4カ国が入っている。さらに興味深いのはモスリムの国々が上位にいることだ。インドネシアが2位、イランが17位にいる。 一方、2015年でいきなり第一位に躍り出たミャンマーが2017年でもトップだ。おそらく2012年まではデータがとれなかったためだろうが、ミャンマーはこの分野、すなわち慈善寄附(ドネーション)、ボランティア、親切さでは世界的に有名な国だ。 とくにミャンマーの慈善寄附は、私たちがミャンマーに現地調査した時、大きな仏塔(パゴダ)を国民、住民の寄附で建築し、また僧侶の托鉢(食物や金銭などの寄附)が国内にひろく浸透していることを知ったが、いずれも仏教(錠剤部仏教)との関連が強いはずだ。これについては、NHKのドキュメントで見たミャンマー北部のバガン地域における慈善寄附、ボランティアなどは世界的にも希有なものだ。 なお、2015年のランクでは、イギリス及びイギリス連邦の国々、すなわち英国、NZ、カナダ、オーストラリア、マルタ、ミャンマー、スリランカ、マレーシア、ケニアの9カ国(順不同)が入っていたが、2017年のランクでも英国、NZ、カナダ、オーストラリア、マルタ、ミャンマー、、ケニアの7カ国(順不同)が上位20位に入っていることが注目される。 ミャンマーのバガン王朝の都、バガン 日本は2012年の85位から2015年で102位と大幅に順位を下げ、2017年では111位とさらに順位を下げている。G7の一員として、実に嘆かわしく恥ずかしい結果だ! 総合111位の超低位の日本だが、個別指標でみると、見知らぬ人への親切さが139か国中135位と、2015年同様、信じられない低さが大きな要因、原因となっているものと推察される。 以下はフェイスブックにおける青山のコメントの一部です。 2017年の第20位までのCAFランキングではミャンマー、インドネシア、タイなど東南アジア諸国が最上位を占めています。ミャンマーが第1位、インドネシアが第2位です。 先進国ではニュージーランド、オーストラリア、米国、アイルランド、オランダ、カナダ、英国、アイスランド、ドイツなどが入っています。それにしても日本はランクをとどめなく落とし111位はいただけません。恥ずかしいです。 , ここ数年、仏教文化、イスラム文化の現地視察でミャンマー(上座部仏教国)、インドネシア(イスラム教国)にでかけ、まさに世界ランク第1,2位を実感しました。とくにミャンマーのバガンは、歴史的に特定の人々に富が偏在しない社会経済システムができあがっており、現在でもそれが生きていることがわかりました。またこのランキングではイスラム教諸国が上位にいます。これも、イスラム教の教義と大いに関係があると思います。 |