ドローンの安易な規制は拙速 青山貞一 東京都市大学名誉教授 掲載日:2015年4月29日 独立系メディア E-wave Tokyo |
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◆ドローンの種類 市販されている小型ドローンには直径で22cm程度の手のひらサイズから直径50cm〜60cmと比較的大きなものまであります。さらに小さいものもあります。 自宅の居間で飛ばしている映像もYouTubeなどに出ています。 手のひらサイズ 直径22cm 当初、カメラ、操縦機などを含め1万円 手のひらサイズ 直径50cm〜60cmの本格ドローン 官邸屋上と同タイプ(改造版ドローン) 小型ドローンの大きさは以下を見て下さい。いかに小さいかが分かると思います。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 自撮 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 さらに操縦を目視だけで行うタイプと、ドローンが撮影した映像をGHz単位の電波で操縦システムに送り、それを見ながらドローンを遠隔操作するタイプ、さらにはGPSによりあらかじめ行く先などを指定するタイプなどさまざまあります。 目視による簡単操縦システム 目視による簡単操縦システム リモート操縦画面 スマホで操縦することが出来るシステムも ◆人気のドローン11種(動画付き) Easy ドローン マルチコプターと操縦システム ◆ドイツの超小型ドローン まさに手のひらサイズ ドイツ製 動画参照 https://www.youtube.com/watch?v=hgkbhjXTbOE 以下は軍事用、業務商業用を含めた世界のトップ10ドローンの動画です。これらはもともと今回ここで問題にするドローン以前のものです。 ◆世界のトップ10ドローン(動画) ◆防災、学術、報道まで用途は無限、国民の知る権利にとっても! 趣味、スポーツ、登山など以外に原発事故現場、遭難事故現場、地震倒壊現場、東日本大震災被災現場、がれき現場などでも、さんざんマスコミもつかっており、また各学会も広島土砂崩れ現場などでも使っています。 たとえば、ロシアのテレビ局(RT)からは福島第一現場の上空から撮影したゆっくり、かつなめらかな詳細な映像が流されていました。 ※ https://www.youtube.com/watch?v=5ZI9xrqTByY&feature=youtu.be また川内原発関連でも、ドローンを使った貴重な映像によりDVDが制作されています。 ※ https://www.youtube.com/watch?t=113&v=4IAzY57bwls 以下は気象庁による箱根山、小涌谷の動画でし。 ※気象庁、ドローンで箱根、小涌谷を動画撮影(1)You Tube ※気象庁、ドローンで箱根、小涌谷を動画撮影(2)You Tube 私達もここ10年間現場で映像をとりつづけてきました群馬県の八ッ場ダム工事現場をこのGWに上空からドローンにより映像撮影する計画でいましたが、おそらく今回の官邸の騒ぎで納期が2ヶ月延期隣、GW中の撮影は、困難となっています。 おそらくネパールの大地震現場でも人間の救出、建築物の倒壊状況に関連しドローンが使われているはずです。 ◆いきなり規制は拙速そのもの 現在、米国はじめ世界的に大流行のドローンを官邸の屋上に乗っていたからといって,突然、専門家、学術関係者、報道関係者、国民など、行政、立法以外の関係者による議論なしに、いきなり規制しようというのは問題が多すぎます。 早くも自民党内では原発上空、自衛隊、米軍基地上空などを禁止すべきという提案が続出しているそうです。特定秘密保護法同様、政府や行政側の都合だけで、まともな議論のないまま法や条例による規制を打ち出すのは?? です。 また下記の記事あるように、 大阪市が全公園でドローン飛行禁止に(NHK、巻末に掲載)がいきなり飛行禁止を打ち出しています。しかし、今の日本の都心では公園でしか飛ばせないドローンをいきなり全面禁止は、明らかにおかしいと思います。 本来、せいぜい指定された箇所、撮影したい場合をあらかじめ届け出あるいは許可を受けるいう従来の方法をとるべきです。その場合でも、小規模なドローンについては、規制の対象外とすべきでしょう。 どうみても自分たちが秘密保持したい場所を隠蔽する措置を検討していると思えます。 官邸の屋上に降り立ったドローンへの対応をめぐり、改めて政府の無能と泥縄ぶりが露呈したのですが、ドローン自体は、さまざまな民間分野での活用を期待されるものでもあり、十分な議論も無くいきなり禁止措置が採られるのは非常に残念であり、不合理であると思います。
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