再現性ある 「実験プロトコル、コツ」 の透明性確保を 青山貞一 Teiichi Aoyama April 17 ,2014 Alternative Media E-wave Tokyo 無断転載禁 |
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STAP細胞問題との関連し、2014年4月17日、同僚の池田こみちが東京大学医科学研究所にいたときの友人で各種の細胞実験の理論、実務を永年手がけており現在別の大学に教員として働いている研究者からSTAP問題についてのコメントが届きました。この研究者はその昔、理化学研究所で仕事をしたこともある方です。 今まで私が指摘してきましたさまざまな研究者の保身の問題、任期付採用などの処遇上の問題、組織の問題、国の特定研究機関との関連での利権の問題、さらにNature論文修正時の問題、特許申請の問題などは、いずれも私が指摘してきたことに大きな違いがないことを確認しました。 上記以外で重要ポイントとして、共著者それぞれの特徴、とりわけ今まであまり詳細が分からなかった若山氏(山梨大学教授)についての情報がありました。ご承知のように、小保方さんがつくるSTAP細胞は若山氏に渡され幹細胞化されるという意味で、若山氏は小保方さんの最も近くにいた研究者であり、山梨大学に移る前までは実際、小保方さんの隣にいた研究者です。これは笹井氏の会見でも明確になったものです。 若山氏はこの春、STAP細胞論文に疑義がでたとき、頻繁にテレビ報道に出て「Nature論文の取り下げ」を提案していた方です。素朴に考えて、なんで自分が係った、それも小保方さんに最も近いところにいた若山氏が、調査未了の段階で「Nature論文の取り下げ」をいち早く提案したのか、非常に違和感を感じていました。 池田の友人でこの分野の研究に専門領域として、また組織として近くにいた研究者は、上記について見事に問題を言い当てていると思います。それは「研究者と職人」によってこの種の研究にあってまったく異なった対応をとると言うことです。これは具体的に何を指すかと言えば、研究者は「実験プロトコル(手順)、コツ」などを学術論文の中ですべからく明らかにしてナンボであるのに対し、職人は「実験のプロトコル(手順)、コツ」などをすべからく明らかにしてしまうと、自分の存在価値が無くなってしまうと考えがちであるということです。これは今回の問題のキモであると思えます。 STAP細胞騒動では、「実験プロトコル(手順)、コツ」の透明性を高くし、いわば研究者なら誰でもがSTAP現象やSTAP細胞の樹立を再現できることが内外の研究者、さらにはマスコミ、ジャーナリストから強く要望されました。 Nature論文との関連で言えば、これに相当する部分は、小保方氏と若山氏が主に担当していたと思われます。小保方氏と若山氏は程度の差があるとしても、実験職人と想定されます。とくに若山氏はこの世界で知る人ぞ知る「実験職人」であるとのことです。また小保方氏は自身が何度も述べているように、未熟な若い方です。 池田の友人は、仮に小保方氏が「実験プロトコル(手順)、コツ」を全面公開したくとも、実験職人としての若山氏がそれをいやがっていたのではないかと推察しています。さらに、小保方氏が何度となく会見などで述べているSTAP現象、STAP細胞を間違いなく一人が見ているというのは、どうみても若山氏のことではないかと推察されます。 冒頭に述べたようにSTAP細胞問題がかくも大きな問題に発展した背景には、小保方氏の未熟さの問題があるとしても、それ以外の関係する研究者の保身の問題、任期付採用などの処遇上の問題、組織の問題、国の特定研究機関との関連での利権の問題、さらにNature論文修正時の問題、特許申請に関わる順位などがあることは間違いが無いところだと思えます。 しかし、仮にNature論文そのものにいくつかのミスが存在したとしても、STAP現象、STAP細胞の樹立が明確になれば、Nature論文の存在意義や小保方氏の努力が国際的に評価されることは間違いないところだと思います。 その意味で、STAP現象やSTAP細胞の樹立の再現性を確保するための、「実験プロトコル(手順)、コツ」の透明性、具体的提示が今、最も重要なものとなると思えます。 なお、STAP細胞の「実験プロトコル(手順)、コツ」の全面公開とSTAP細胞に関連する特許登録との関係だが、Nature論文が公開されたのが2014年1月29日、一方、特許は以下に示すように、出願が2013年4月24日、公開日は2013年10月31日なので、原理的、手続的に考えれば、論文公開より10ヶ月前に出願し、公開も4ヶ月ほど前であることから、通常なら特許問題だけで「実験プロトコル(手順)、コツ」の全面公開をしなかった理由にはならないと思われる。
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