慈善活動・世界ランキング(2014年) 日本は総合90位 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 独立系メディア E-wave Tokyo Nov 24, 2016 無断転載禁 |
表1と表2は、英国のNPOが行っている世界各国民の@見知らぬ人への親切さ、A寄付行為、Bボランティア活動の3つを第三者的に評価した結果を示したものです。 表の一枚目は第1位から第30位、表の2二枚目は第90位から第115位の国を示しています。この順位は上先の@、A、Bを合わせた総合得点により決定されています。調査は2014年度のものです。 総合第一位は、ミャンマーと米国となっています。そのミャンマーは、寄付で1位、ボランティア活動で2位となっており、米国は見知らぬ人への親切さで1位、ボランティア活動で5位、寄付で9位となっています。 今年6月行ったミャンマーは、今まで軍事政権であり、数年前までデータがなかったのですが、2014年度にはじめてランクインし、堂々世界一位となりました。これは私たちの予想通りです。 ところで、最大の問題は、日本です。表2は90位から115位を示していますが、日本は総合で第90位、見知らぬ人への親切さで134位であり、寄付が寄付が48位、ボランティア活動が55位です。 日本は前回調査で総合で第85位でしたので、今回の調査では5位下げて、90位となっています。なんとも恥ずかしい結果ですが、よく見るとフランスも同率で総合90位となっています。 以下は前回(2012年版)です。 ◆青山貞一・池田こみち:世界の中の日本ランク(14)寄付・ボランティア・親切 なお、日本、フランスの下はルワンダです。日本の場合、見知らぬ人への親切さが著しく低い134位であることが、かくも総合順位を下げている理由です。これは前回も指摘した点です。 |
先の世界ランキングですが、昨年、ウズベキスタンに出かけた際、ブハラ、サマルカンド、タシケントいずれの都市でも、市民が早朝から熱心に道路をはいたり壊れたフェンスを修理したりなどなど、ボランティア活動に熱心だったのに驚きました。 そのウズベキスタンは、総合順位で第28位、ボランティア活動では世界第45位となっています。 今年の6月に出かけたミャンマーは、バカン王国時代から寄付行為や所得、資産の他人へのシェアがものすごく盛んで、それが富の格差を是正していることが分かっていますが、今回はじめてデータが事務局で入手できた結果、堂々、総合順位で世界第一位、寄付でも第一位となっていました。これも実際に現地で体験したことです。 米国、カナダ、スカンジナビア諸国の順位が高いのは、分かる気がしますが、問題はわが日本、それにフランスですね。フランスは極度な個人主義(=自分主義、私人主義)があるようで、それが日本同様90位の主たる理由のように感じます。 一方、わが日本は、先に指摘したように以前から見知らぬ人への親切さで今回134位と大幅に順位を下げ、最終的に総合順位で90位と、前回から5位下げる結果となっています。 アジアから総合順位で一位のミャンマー以外で10位以内に入っているのは、昨日までいたマレーシアが第7位、ブータンが第11位の2国です。ミャンマーと合わせて3カ国が入ったのは大変良かったと思われます。 ご承知のようにミャンマとブータンは敬虔な仏教国。マレーシアはイスラム教国ですが、インドネシア同様、それほど戒律が厳しいイスラム教国ではありません。 追記: イスラム教国であっても高い順位にあるのは、多様性を認め合い、寛容であることがこうした結果に結びついているのではと思います。その意味で言うと、日本は人々の暮らしや精神性の中に宗教が存在していないことが大きな理由となっているのではないかと言えるのではないでしょうか。 |
アジア諸港の総合順位(世界順位)「2014年
出典:WORLD GIVING INDEX 2014 A global view of giving trends
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