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笹井芳樹氏追悼論考

「検証実験」中間報告の延期と

「STAPサプライズ」の可能性

青山貞一 Teiichi Aoyama

Auguet 9 ,2014
Alternative Media E-wave Tokyo
無断転載禁


 私が7月下旬から約1週間、関連資料、動画などを徹底視聴した結果、ネイチャー論文において小保方さんの共著者である若山、笹井、丹羽の3人がいずれも、小保方さんのSTAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞キメラマウスなどについての実験結果を自分の目で見ていると証言していることが分かりました。

 丹羽さんは公開の場で最低3回はSTAP現象などを確認していると以下の動画のなかで証言しています。
 
 ※2014年4月9日 理研、丹羽仁史 「検証実験」に関する会見動画(質疑)
   https://www.youtube.com/watch?v=Q-0YjeeJyNc

 一方、若山さんはその後、「第三者解析」をある研究機関と知人に依頼し、それらの結果を2014年6月16日の以下の会見で公表しました。

 ※2014年6月16日 若山照彦氏 STAP細胞 第三者解析結果報告による記者会見
  https://www.youtube.com/watch?v=4kAGUdkH3pY

 ※上記会見資料、STAP細胞:「あることを示す証拠はない」若山教授
   毎日新聞 2014年06月16日

 もし、この「第三者解析」の結果で、若山さんが小保方さんに提供したマウスをもとに小保方さんがSTAP細胞、STAP幹細胞実験し、若山さんに返却した細胞が、いずれも若山さんが当初渡したマウスではなければSTAP現象はじめSTAP細胞、STAP幹細胞などの実験結果そのものが架空のものなり、実験結果が捏造されたものになりかねません。

 しかし、その後、若山さんは、信じられないことですが、その第三者調査の方法と結論が間違っていたと訂正します。訂正はマスコミ各紙が報道していますが、以下は朝日新聞の記事です。

 ※STAP細胞解析結果は誤り 若山氏、会見内容を訂正 
   朝日新聞 2014年7月23日00時22分

 若山氏が依頼した第三者解析が間違っていたことを後日、若山氏本人が公表したのです! 訂正はしたものの、6月16日に若山さんが行った「あることを示す証拠はない」とする会見があまりにも衝撃的であったため、たとえ、後で訂正はしたものの、マスコミの記事、報道に対してひとつの大きな流れを形成したと言えます。

 すなわち若山氏の6月16日の会見は、小保方さんのSTAP細胞樹立が捏造であったとする決定的な根拠を与えたことは間違いないと思います。また笹井芳樹さんが8月5日に自殺する上でトリガーとなった7月27日夜のNHKスペシャルの番組づくりにも重要な役割をもったと推察されます。

 ....

 ということは、私が冒頭で指摘したように、若山、笹井、丹羽の3人の証言は依然として生きていることとなり、理研の相沢、丹羽両氏を中心に4月から今年11月までの間に行われる「検証実験」によりSTAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞、キメラなどが確認される可能性が非常に高くなったと考えられます。  もちろん、これは「検証実験」が悪意、敵意なく行われればのことですが。

<検証実験計画>
 ※2014年4月9日 理研、丹羽仁史 「検証実験」に関する会見動画(検証実験計画)
  https://www.youtube.com/watch?v=TZk_gzVW4YI

<検証実験計画及び質疑の全容>

2014/4/7   (全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(1/3)
         https://www.youtube.com/watch?v=hYLzHG87yU4

2014/4/7   (全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(2/3)
         https://www.youtube.com/watch?v=kJyXSJ03-og

2014/4/7   (全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(3/3)
         https://www.youtube.com/watch?v=83LKlS8h8vI

 ところで、NHKスペシャルが放映された7月27日の一週間後、神戸市にある理研のCDB施設の一部で笹井さんが<自殺>されました。この<自殺>については、一部から疑義が寄せられていますが、
笹井さんの自殺は理研関係者にとっては、違った意味で真っ青にさせている可能性があります。これが本論考の内容となります。

 それが何かと言えば、上述のようにこの4月から相沢さん、丹羽さんが中心となりはじまった「検証実験」の中間報告が8月8日に開催予定されていたのですが、ひょっとすると中間報告で、STAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞さらにはキメラマウスなどが何度も確認できていた可能性が少なからずあるからです。

 笹井さんが2014年4月16日に行った以下の動画にある会見で、笹井さんが記者らに配布したスライド資料3枚のうち、STAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞などを確認するいわゆるプロトコルの前提となる説明図(科学研究面に関する説明資料3)によれば、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4それぞれは、ステップ1は1〜2日目頃、ステップ2は2〜3日目頃、ステップ3は3〜5日目頃、ステップ4は5〜7日目頃と記述されています。

 ※2014年4月16日 理研、笹井芳樹氏 記者会見動画
  https://www.youtube.com/watch?v=56E6gfI6aQE


 出典:2014年4月16日 笹井芳樹氏(理化学研究所) 記者会見資料
      http://www3.riken.jp/stap/j/s3document1.pdf

 もちろん、実験に使用するマウスをつくることなどを含めると最低でも1クールで2週間程度の時間が必要となります。しかし、「検証実験」の中心に共著者のひとりであり、ネイチャー論文でプロトコール・エックスチェンジ、すなわち実験手順の部分を担当した丹羽さんがいることを考えれば、2014年の4月から開始された「検証実験」によって、すでに8月上旬の段階で、STAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞などが確認されていても何ら不思議ではありません。

 肝心な小保方さんは理研の「検証実験」のメンバーには入っていませんが、途中から小保方さんは理研の別の研究室で独自にいわば「再現実験」をすることになっており、笹井さんの自殺以前にあっても、体調が不十分で本格的な実験は9月に入ってからとされています。

 周知のように「検証実験」、「再現実験」のいずれにも笹井さんは入っておらず、かつ理研はこれらの実験結果について箝口令を関係者にだしていたはずです。したがって、笹井さんには4月からはじまった「検証実験」の中間報告の結果はまったく情報提供されていなかったと思われます。

 STAP問題は2014年1月下旬、ネイチャーに投稿し掲載された2つの論文の執筆内容に理研に寄れば、1箇所の改竄と1箇所の捏造が発見されたとして世界中を巻き込む大きな騒ぎとなりました。しかし、小保方さんとハーバード大学での指導教授であるチャールズ・バカンティ教授は一貫してSTAP細胞の存在を訴え、最後の最後までネイチャー論文の撤回に反対しています。

 確かに論文執筆内容に問題点があったことは紛れもない事実であったとしても冒頭に述べたように若山さん、笹井さん、丹羽さんの主要3共著者が会見の質疑の中で自分の目で、それぞれで別のタイミングであったもSTAP現象、STAP細胞、STAP幹細胞などを確認していると公言していることもあり、「検証実験」でそれらが確認されても何ら不思議ではないと思えます。

 寄せられているES細胞の混入(コンタミネーション、通称コンタミ)の可能性の疑義については、笹井さんや丹羽さんがES細胞研究の第一人者であることから、また確認した細胞などの規模、まとまり、挙動などからES細胞ではないと言明しています。

 さらに、若山さんは、NHKの7月27日の番組のなかで若山研究室にいた学生が小保方研究室にES細胞を渡したと言っており、NHKは鬼の首でもとったかのごとく、番組で使っていました。しかし、若山さんが第三者に依頼したという「第三者調査」の方法、結果が間違っていたと7月4日頃に会見していることからみて、ES細胞の混入という疑義自体が誤りである可能性が高いと言えます。

 ※ NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層
    2014/7/27 放映 http://www.miomio.tv/watch/cc84991/ 

 理研が行っている「検証実験」の経過や結果については、理研が箝口令を敷いていたこために、笹井さんは一切、途中経過も知らされることなく、8月5日に自殺しました。それはちょうどNHKスペシャル(7月27日放映)の一週間後のことです。

 もし、私の上記の仮説、推察が正しいとすると、理研は、中間報告会でSTAPがすでに確認できたという世界的な超サプライズを2014年8月8日に公表する直前に笹井さんを自殺させてしまったことになります。私の仮説が事実であれば、何とも皮肉なことであり、悲劇ではないかと思えます。本当にショックなことです。

 理研は8月8日の「検証実験」中間報告を8月下旬などに大幅延期するようですが、もし、すでに実験がそれなりに成功していたのなら、なぜ、最低限、笹井さんと小保方さんに伝えなかったのか、至極残念でなりません。

 一方、もし、中間報告段階でSTAP現象すら確認できていないとするならば、小保方さんによる「再現実験」を全面的に協力、支援すべきです。それが笹井さんが小保方さんに寄せた遺書の内容を引き継ぐことになると思われます。

 以下は、それに関連した記事です。


◆「検証実験には影響しない」 理研が見解
 産経新聞 2014.8.5 14:59

 STAP細胞論文の共著者だった理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長の自殺に関し、理研は5日「STAP細胞の検証実験には影響しない」との見解を示した。

 英科学誌ネイチャーが7月、STAP細胞論文を撤回し、業績は科学的には白紙に戻った。 一方で理研は4月からSTAP細胞が存在するかどうかを調べる検証実験を進めており、途中経過を近く中間発表する予定。小保方晴子・研究ユニットリーダーも実験を進める。

 STAP論文では、実験は主に小保方氏らが担い、笹井氏は最終段階で研究に加わり論文執筆を指導したとされる。 主論文を補完する論文の責任著者の1人だったが、理研によると検証実験には笹井氏は参加していないといい、 影響はないとしている。

追記

 最後に、笹井芳樹氏は、間違いなくこの研究分野で希有かつ秀逸な研究者でした。その笹井氏をマスコミ、評論家、研究者らが常軌を逸したバッシングしたことにより死に追い詰めたことは慚愧の念に堪えません。日本だけでなく、世界の研究界における大きな損失であると思います。笹井さんのご冥福をお祈りするとともに、笹井さんがこの間、意を注がれた「STAP細胞」が「検証実験」「再現実験」により科学として証明されることを願ってやみません。 

 ご冥福をお祈りします!

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