ウクライナ紛争とダム決壊? 〜ザポリージャダム〜 青山貞一 September 4 ,2014 Alternative Media E-wave Tokyo 無断転載禁 |
||
ウクライナ紛争は、ここにきて膠着状態から脱出しつつある。ウクライナの東南部の2つの空港を親ロシア派が「ロシア義勇軍」の支援を受け奪回するなど、親ロシア派が優勢となっているからだ。 これについて、ドイツのシュピーゲル誌は、以下のように「NATO軍の高官がウクライナのポロシェンコ大統領はウクライナ東部の紛争で敗北を喫した」と述べている。
それにはさまざまな要因があるが、従来の親ロシア派中心だった勢力がロシア軍のプロが義勇軍として参加したことにより、軍事面で圧倒的に優勢となり、結果としてウクライナ兵の戦意がここにきて大幅に低下したことがもっとも考えられることであろう。 そして、親ロシア派とロシア義勇軍は、ついにウクライナ南東部のサポリージア原発近くまで接近しており、それを受け、ザポリージア州の中核自治体、ザポロジエ市政府の市長が、もし「義勇軍が市占拠すればダム爆破と脅迫」しているというニュースが LifeNews より飛び込んできた。 以下はそのニュースである。
ドニエプル川にはたくさんの巨大ダムがあるが、とりわけドニエプル水力発電所があるドニエプル川発電所は巨大であり、1932年に第一次ユニットが竣工して以来、ウクライナ重化学工業の牽引紗としての役割を担ってきたという。 竣工当時、この発電所は、欧州最大であり、ダムの長さは760メートル、高さは60メートルあった。 以下はドニエプル川水力発電所の過去と現在を伝える「ロシアの声」の記事である。 ◆ドニエプル川水力発電所が稼動開始 http://jp.rbth.com/articles/2012/10/10/39393.html 写真提供:Vladimir Gook もし、市長がダムを爆破させ、決壊させると、住民の生命財産、それに重化学工業、電子工業、農業などにとって取り返しがつかないことになる。それだけウクライナ政府が親ロシア派とロシア義勇軍に追い詰められている逼迫した情勢が見て取れる。 以下は、ダムの位置である。地図の中心にあるザボリージャのザの上でドニエプル川を横切る橋(道路)の下が巨大なダムである。ダムというより、中国の三峡ダムのような巨大な堰の形をしている。 ダムの位置 出典:グーグルマップ ダムの位置 拡大 出典:グーグルマップ ダムの遠景 下流側から 出典:グーグルマップ ダム 下流側から 出典:グーグルマップ ダムの夜景 下流側から 出典:グーグルマップ 以下は広域地図。赤い◎印がダムの位置である。 出典:グーグルマップ |