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信州痴痔戦・猿山狂騒戯画
混迷を極める知事候補選定

その4 
34人目の候補者案が浮上!?

青山貞一

2006年5月18日


 混迷を極める長野県知事候補選定だが、昨日(2006年5月17日)、前回の知事選挙で実質的に田中康夫候補の対抗馬となった長谷川敬子氏が飯田市の住民グループから立候補者の案としてノミネートされた。

 田中知事に批判的な飯田市の住民グループが16日、同市内で記者会見し、今夏の知事選に同市在住の弁護士、長谷川敬子氏(54)に出馬要請したことを明らかにした。長谷川氏は「現在の県政は心配だが、他に(候補者として)ふさわしい人はいる」と出馬に否定的な姿勢をみせた。

 要請したのは「ナガノみんなの会」(久保田昭宏代表)。久保田代表は「田中知事は知事として不適格。長谷川さんに知事になってほしいため、会を作った」と説明した。長谷川氏は02年の知事選に立候補したが、落選した。【神崎修一】

毎日新聞 2006年5月17日


 以下は、2002年の前回長野県知事選挙における田中陣営に対し長谷川陣営を擁立し戦いを挑む様子に関する記事である。


それぞれが無党派アピール
田中陣営−一騎打ち、票獲得に自信
長谷川陣営−「反田中」の結集に期待

時事通信 2002年8月16日

 十五日告示された長野県知事選挙(九月一日投開票)では、六人の候補者がいずれも無党派を掲げ、県民へのアピールを図る。このうち、田中康夫、長谷川敬子の両氏が頭一つ抜け出していると見られるが、二人の政策に具体的な争点は見いだしにくい。両陣営の戦いぶりを追った。

 田中康夫氏は、知事失職後から、県内各地でミニ集会を重ねた。前回選挙では得票の少なかった郡部でも「間違いなく知名度は上がっている」(陣営幹部)と手応えを感じている。

 田中氏を支援するのは、前回知事選の“勝手連”が主体の後援会。前回推薦を受けた連合長野が長谷川氏に付いたのは痛手だが、政党では共産党が支援を表明。同党は、議会の不信任決議を批判し、田中氏への支持を訴えるチラシを全県的に配布するなどしている。

 陣営には、“官対民”の戦いを勝利した前回に比べ、対立軸が明確でないと心配する声もあった。しかし、出馬表明していた元新聞社論説副委員長の花岡信昭氏が告示直前に長谷川氏と政策協定を結び、出馬を取りやめ、「反田中」で共闘。これにより、選挙戦が、田中氏と長谷川氏との事実上の一騎打ちになれば、「なんとなく田中知事」(陣営幹部)だった票が確実に取り込めると見ている。

 一方の長谷川陣営は、「候補者は新人で、顔も知られていない。なるべく県民と直接触れ合いたい」としてミニ集会を重ね、特に、田中氏が強いとされる都市部での逆転を狙う。

 長谷川氏に対しては、連合長野が推薦を決めているほか、県内の市町村長や県議、自民党なども支援する動きを見せる。花岡氏との共闘で、「反田中」勢力をまとめることには成功しそうだが、組織を前面に出せば、無党派層の有権者から「誤解を受ける」との懸念も陣営にはある。


 以下は、2002年9月1日に行われた選挙の結果である。以下にあるようにほぼダブルスコアーで田中康夫氏が長谷川敬子氏を破って当選した。投票率は73.8%。

長野県知事選(実施日2002年9月1日
当落 候補 年齢 職業 得票
当選 田中康夫 46 822897
長谷川敬子 50 長野県初の女性弁護士飯田市) 406559
市川周 50 石原慎太郎都知事のブレーン 24261
中川暢三 46 民主党員 15255
羽柴秀吉 52 羽柴観光 9061
福井富男 77 弁護士 2058
辞退 花岡信昭 56 産経新聞論説副委員長長野高校出身 辞退

 さらにその前の長野県知事選挙結果を以下に示す。

     長野県知事選挙(実施日2000年10月15日)
区 分 池田ふみたか   田中康夫  草間しげお  中野さなえ
473717 589324 14770 122615

 なお、以下は前回立候補に関連し、読売新聞が長谷川氏にインタビューした内容とそれへの長谷川氏からの回答である(2002年8月)。
 
有能な女性に活躍の場を 任期4年、ムダにせずに

 ――下諏訪ダムなどを「継続」とした県公共事業評価監視委員会の委員として、「脱ダム宣言」をどう考えるか。

 「評価監視委員会は精力を傾けて県が出してきた再評価案を審議した。代替案や調整池などとセットにする方法の可能性など多岐に渡って検討し、費用などの要素も勘案しながら出した結論だったが、それが突然、いとも簡単にひっくり返されたのには驚いた。現在の治水・利水ダム等検討委員会の議論は、評価監視委員会で話し合ってきたことの繰り返し。いったい我々は何をしてきたのかという気がする。田中知事は過去の議論を踏まえていない。今までの積み重ねを勉強してから発言すべきだ」

 ――知事の公共事業に対する姿勢をどう考えるか。

 「将来を踏まえた一般論としては間違っていないと思うが、県内、特に私が住む飯田・下伊那地域では道路などのハード整備がまだまだ必要。知事は『南北格差』に配慮するとたびたび言っているが、何も変わっていない。今までの仕組みを壊すのは良いが、次に何をしてくれるのか分からない。いったいどれくらい待てば良いのか、期待と不安が混じる」

 ――支持率53%をどう見るか。

 「抽象的な言葉はあっても、具体的なものがないことによる失望感が表れている。知事は『改革の痛み』などと言っているようだが、まだ何もしていないのだから、違うだろう。むしろ、実体的な改革が進んでいないことへの不安だ。実体が見えていない今の段階で評価はできない」

 ――女性として県政に期待することは。

 「就任直後の所信表明には『男女共同参画社会に取り組む』とあったが、やはり具体的なものがない。昨年末に知事と対談した時、現代女性の社会進出の背景について、『電子工業社会になって電気がまが登場したことで女性が自由になった』などと話されていたが、ちょっと次元がずれていると感じた。女性施策に対する取り組みに不安を感じたが、是非新たな発想で有能な女性が活躍できる県を実現してほしい」

 ――今後、注目していることは。

 「改革を実現するには、今までの行政の成果を踏まえ、新たな共同体制の構築が重要。それをアドバイスできる、県政の流れを知っているブレーンが必要だ。やはり県政運営は一人では無理。任期四年を空白の期間にしてほしくない」 

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