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小泉訪米と米牛肉輸入の再開
一体どこまで米国追随!?

青山貞一

2006年5月25


 この5月17日、国内で27例目、今年に入ってから6例目のBSE患畜が確認された。以下はそれを報ずる新聞記事である。

 言うまでもないが、日本でこの間、多くのBSE患畜が確認されているのは、まさに全頭検査あってのことである。
 

農業共同組合新聞

BSE患畜、27例を確認(5/17)
http://www.jacom.or.jp/news06/nous101s06052305.html

 5月17日に死亡牛を対象にした北海道の農場サーベイランスの結果、BSE陽性となった乳牛は動物衛生研究所の確定検査でも陽性となり、19日、農水省のプリオン病小委員会がBSE患畜と確定診断した。国内で27例め。今年に入って6例めとなる。

 この牛は肉骨粉給与禁止など法的な飼料規制が実施された平成13年10月以前の12年(2000)8月生まれ。北海道豊頃町で飼養されていた雌のホルスタインで5歳8か月だった。

 これまでの27例の出生年でもっとも多いのが、平成8年(1996)生まれで12頭が確認されている。次いで多いのが12年生まれで9頭。この2年に27例中21例と集中している。 (2006.5.23)


 一方、日本に執拗に米国産牛肉の輸入を迫る米国だが、スノー米大統領報道官は5月24日、ブッシュ大統領が6月29日にホワイトハウスで小泉純一郎首相と首脳会談を行うと明らかにし、そのなかで米牛肉の日本への輸出再開を強く要請するものと思われる。

 小泉首相は、重要法案審議、目白押しのなか6月下旬に日米首脳会談で訪米することになる。

 しかし、昨年秋、ブッシュ大統領の訪日に会わせ、米国からの牛肉輸入の再開を行ったように、今回も訪米の「手みやげ」として米国牛の日本への輸入再開の道筋を付ける可能性が大だ。


 今回の通常国会で審議の中心となっていたいわゆる刑法改正による「共謀罪」の新設は、小泉首相の訪米日程との関連で、継続審議となる可能性が大である。

 一部の野党やマスコミは、「共謀罪審議」を政府・自民党が断念したと思っているが、その実態は小泉首相が任期の最後にブッシュ大統領と会談することを優先したにすぎない。
 

秋田魁新聞

来月29日に日米首脳会談/小泉首相、最後の公式訪米
http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.NewsPack.npnews?newsid=2006052401004627&genre=world

 【ワシントン24日共同】
 スノー米大統領報道官は24日、ブッシュ大統領が6月29日にホワイトハウスで小泉純一郎首相と首脳会談を行うと明らかにした。

 9月に退任する首相にとって最後の公式訪米で、ブッシュ大統領との親密な関係を基礎に築いた強力な日米同盟の成果を確認する場になる。

 米側もホワイトハウスでの公式夕食会を催すなど、先に訪米した中国の胡錦濤国家主席よりも格上の待遇で首相をもてなす意向という。

 在日米軍再編の最終報告が既にまとまり、牛海綿状脳症(BSE)により停止されていた米国産牛肉の輸入再開問題も6月下旬ごろには決着する方向となったため、首脳会談では2国間問題ではなく、地域情勢や地球規模の問題への対応など、同盟関係の将来を見据えた戦略的な課題が中心議題となる見通し。

(2006/05/25 00:59)


 ちなみに、米国から牛肉を輸入している香港など他のアジア諸国では、危険部位の骨の混入が相次いでいることもあり、日本のような政治的思惑によって輸入再開、とはならないようだ。これについては、別途詳細を報告する予定。


西日本新聞

香港でまた米牛肉に骨混入 3例目、日米会合に影響も
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/20060516/20060516_052.shtml

 【香港16日共同】香港政府に近い筋が16日明らかにしたところによると、米国から輸入した牛肉に牛海綿状脳症(BSE)の感染防止のため禁止している骨が混入しているのが見つかった。香港で米国からの輸入牛肉への骨混入が見つかったのは今回で3例目。

 米国産牛肉の輸出再開をめぐり、17日から東京で開催される日米専門家会合にも微妙な影響を与えそうだ。

 同筋などによると、骨の混入が見つかったのは、カリフォルニア州の食肉処理施設からの輸入牛肉とみられ、香港政府は同施設からの輸入を即時停止したもようだ。

 香港では今年3月と4月に、米食肉処理施設からの輸入牛肉に骨混入が確認されている。

2006年05月16日21時03分